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あの花に水を。  作者: 増井 龍大
第一章

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8/22

二つの鍵と僕の不安

 ご飯を食べ、お風呂に入り、寝るための準備を済ませた後、僕は自分の部屋に戻ってきた。このままベッドにダイブして、現実から離れたい気持ちをなんとか押し留め、机に向かう。机に座ると二つの鍵が目に入った。


 僕はおっちゃんからもらった名札をカバンの中から取り出す。「2-6」と書こうと思ったが、本物と見分けがつかなくなるかもしれないと思い、「2-6©」と書いておくことにした。©はcopyの頭文字を取った。


 二つの鍵をバッグにしまい、明日の授業の予習を始める。明日は苦手科目である英語の単語テストがある。そこで点数を取るために単語帳を取り出す。


 しかし、単語帳を広げても、頭の中には千秋の事ばかりが浮かぶ。

 本当に明日も千秋と会えるのだろうか。もしも明日、彼女が現れなかったらどうしようか。彼女がもつ現実への未練とは何なのだろうか。どうして自殺したのだろうか。僕にはわからないことばかりだった。


 結局英単語を覚える気にはなれず、すぐに単語帳を閉じてベッドで横になった。

 明日のアラームだけは入れておかなければいけないと思い、五時半にアラームをセットする。


 これで心配はない。


 五時半に起床し、六時半に家を出れば、七時過ぎには学校に着く。そして何も無かったかのように鍵を返す。大丈夫だ。何も問題は無い。


 そう自分に言い聞かせて、瞼を閉じた。


閲覧いただきありがとうございました。


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