続いてのニュースです。
『続いてのニュースです。○○県○○市で高校生が自殺してしまうという悲惨な事件が起きてしまいました。原因が、学校内の人間関係にあったのでないかと言われています』
僕が家に帰って食事をしている時、リビングではそんなニュースが流れていた。
昨日の新聞に載っていたのと同じ事件。
行った事もない土地で起きた、何も関係のない事件のはずなのに、どうにも既視感があった。
父は何も話すことなく、そのニュースを眺めている。僕は父がそのニュースを見て何を思っているのか気になった。しかし、本人に聞くことはできなかった。
明日の行動に綻びが出るかもしれないと思った。ここまで準備したものが根底から覆されるような気がした。
「ごちそうさまでした」
「あら、もういいの?」
母が心配するように、ぼくの方を見る。
「うん、今日はそんなにお腹空いてないんだ」
僕はリビングから少しでも速く離れたかった。慣れた手つきで食器を水につけ、自分の部屋に向かう。
「おい」
リビングを出る直前、背後から声がした。同時に嫌な予感がした。聞かれたくないことを聞かれるような気がした。
「陽介、お前はこのニュースについてどう思う?」
僕は振り返って、鉄の仮面をかぶる。
「いじめた方が100%悪いと思うよ。同じクラスでその事件のことを、見て見ぬ振りしたやつも悪いと思う。それと、見ようともしなかった奴も」
「なぜそう思う?」
「もしも、誰かがいじめを止められていれば、その命は助かったかもしれないじゃないか。だから、同じ空間に居たのにその事件に関わらなかった人間も悪いと思うよ」
「そうか。傍観者も悪い、か」
父は何かに納得したように、テレビに視線を戻した。
本来なら、教員として、その事件をどう思うのか聞きたいところであったが、明日への影響を避けるために何も言わずにまた自分の部屋へと向かった。
テレビでは明日が満月と流れ星が重なる夜になるとお天気キャスターが明るく喋っていた。
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