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あの花に水を。  作者: 増井 龍大
第三章

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28/37

きっかけ

川井の回想に入ります。

 20XX年4月。


 私は愚かだった。


 新年度最初の英語の授業で、教科書を忘れてしまった。しかし、まだ仲の良い友人と言えるような人はおらず、誰にも相談することができなかった。英語の担当教員に最初の授業から教科書を忘れたことを相談するのは、クラスメイトから問題児だと思われそうで、避けたかった。


「じゃあ、教科書の音読をしてみよう。隣の人とペアを作って、二人で丸読みして」


 その時のペアになったのが、石川千秋さんだった。石川さんとは最初のホームルールで話した程度で、ほとんど話したことが無かった。


「めっちゃ可愛い」


 私と目が合った瞬間、石川さんはまるで花を愛でるように優しく言葉をこぼした。

 私は教科書を忘れた事とそれを相談しなければならない事への緊張感で頭が一杯だったため、その第一声に戸惑ってしまった。


「ええっと、その……」


 私は反応に困っていると、石川さんは付け足すように言った。


「ああ、ごめんごめん。最初に話した時から、きれいな子だな~って思ってて、それが思わず口に出ちゃった」


 口角を上げて「あはは」と笑う石川さんはとっても楽しそうだった。

 私は先生にはもちろん、教室の誰にもバレないようにこそっりと石川さんに伝えた。


「その、実は教科書を忘れてしまって」

「教科書忘れたの? じゃあ、あたしの貸してあげるよ」


 石川さんは快く英語の教科書を見せてくれた。


「すみません。ありがとうございます」

「いいのいいの。困ったときは助け合いだからね」


 ニコッと笑いながら、教科書を差し出す石川さんを見て私は、彼女はなんていい人なのだろうと思った。


 私と石川さんが友達として、仲良くなったのはこれがきっかけだった。それからお互いが困った時に助け合ったり、困っていなくても一緒に居るような関係になっていった。


閲覧いただきありがとうございました。


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