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ドリンクバーを二つで
ファミレスに行くと、僕たちはボックス席に対面で座った。
「何も頼まないのは変だから、とりあえず、ドリンクバーを二つ頼むよ。後何か頼みたいものある?」
僕はメニューを渡しながら聞くが、川井は受け取らず首を横に振るだけだった。僕は仕方なくメニューを戻し、店員を呼ぶボタンを押した。
「ご注文をお伺いいたします」
「ドリンクバーを二つで」
「承知いたました。以上でよろしいですか?」
「はい、それでお願いします」
店員は「かしこまりました」と言って、キッチンに消えていった。
「何飲む?」
「ウーロン茶でお願いします」
僕はドリンクバーで二つのコップにウーロン茶を注ぎ、席に戻った。川井は少し俯いている。
「話の続きをしていいですか?」
僕が頷くと、川井はどこか遠くを見るようにウーロン茶を眺めていた。
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