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simple  作者: 遠藤 敦子
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 真鍋さん宛の手紙では、高校生になって新しい友達ができたことや楽しい女子校生活を送っていることを報告した。ついでに真鍋さんはいまどうしているかとも訊いてみる。すると、返事が返ってきた。

 真鍋さんからの次の手紙には、大学2年生になったことや授業とアルバイトで忙しくしていることが書かれている。2ヶ月だけ付き合った彼女と喧嘩別れになったことも書かれており、彼女にLINEもブロックされてしまったらしい。そこで私は「もっと良い人がいると思いますよ」と書き、返信した。

 それから私と真鍋さんは細々と手紙でのやりとりを続ける。お互い忙しくてやりとりできない時期もあったけれど、私が語学研修でアメリカのナッシュビルに行った際は写真とちょっとしたお土産--Nashvilleと書かれたバッヂ--も同封した。真鍋さんも長期休暇中にシンガポール旅行に行ったそうで、ユニバーサル・スタジオ・シンガポールで買ったキャラクターのシールもくれたのだ。高校2年生になって修学旅行でオーストラリアに行った際、私は真鍋さん宛の手紙にコアラのステッカーも入れておいた。手紙でやりとりしながら、旅行した際のお土産を交換するのも楽しみだったのだ。



 高校3年生になり、真鍋さんから就職先が決まったと手紙で報告を受けた。大学受験がないこともあり、私からそろそろ会って話したいと真鍋さんに話を持ちかける。しかし真鍋さんの言い分としては、

「女子高生に手を出してるって思われて誤解されたくないし、高校卒業してから会おうな」

とのことだった。真鍋さんに顔写真はもらっていたのでどんな人かわかっていたけれど、他に彼女ができる前に会いたい気持ちが膨らんでいたのだ。

 その後も真鍋さんと細々と手紙でのやりとりを続け、私は大学生になった。真鍋さんは社会人として働き出したけれど、ずっと今の会社にはいられないと言っている。

「次会う時は真鍋さんが笑ってますように」

と私は手紙に書き、その流れで会う約束に持ち込もうと考えた。

 真鍋さんから会うことを了承する旨の返事が届き、初めてLINEを交換する。そこでついに会う約束を取り付けた。夏休みにカフェで会おうという話になる。


 真鍋さんと初めて会う日がやってきた。写真でしか見たことがないけれど、私は緊張している。駅で合流することになったけれど、

「初めまして、真鍋です!」

と声をかけられて私はすぐに真鍋さんがわかった。それから一緒に歩いてカフェに向かう。

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