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第88話 俺の両親

 ゲームからログアウトして現実世界に戻ってきた俺は、どっと押し寄せる疲労に浸っていた。学校は早退してしまったけど、無事美玲も見つかった。今頃大盛ご飯を食べている頃だろう。

 俺はパソコンの電源を落として、階段を下りる。リビングに行くとそこには父さんと母さんがテーブルの椅子に座っていた。

 何やら大事な話をしているようだ。


「なぁ、翠。テレビ見たか?」

「見た見た。また"あの事件"の予兆が出ているって噂!」

「そうだ。せっかく謎の3人組が救ってくれたんに……。ほんとおっかなくて困ったもんだ」

「はい。また惨劇が起こらなければいいんだけど……。あの無能ナマケモノ馬鹿は元気しているかな?」

「あはは。この話題出すといつも言ってるよな。翠は」

「そうですね。彰吾」


 父・飛鳥彰吾47歳。母・飛鳥翠45歳。2人は異世界で出会ったらしい。その異世界がどんな世界かも教えてくれなかった。教えてくれるはずもない。ただ異世界は今観光スポットになってるという噂だ。

 俺もいつかは行ってみたいけど行き方が分からなかった。結人さんに頼めば連れて行ってくれるかな? あとで聞いてみることにしよう。


「父さん、母さん何話してるんだ?」

「翔斗には関係ないことよ。さ、夕食にしましょ」

「は、はぁ……」


 そう言ってお母さんはキッチンの方に向かってご飯をよそり始めた。今日はあるもので済ませるみたいだ。

 そういえば景斗さんの家に行った時、お土産に塩漬けの筋子と、明太子、たらこをもらったんだった。俺は亜空間を開く、だんだん上手くイメージができるようになったから、スムーズに開くことができた。


「母さん。この前東京に行ったって言ってただろ? その時のお土産」

「これ……誰からもらってきたのよ?」

「え、えーと……。藁科結人さんって方がお土産に持っていってって……」

「藁科結人……。まさか! そこに無能ナマケモノ・ヘタレカタツムリ・発狂イケメン馬鹿はいなかった?」

「あの……。ちょっと何言っているのかわからないんだけど……」


 母さんがここまで興奮するとは思わなかった。


「亜蓮のこと、宮鳥亜蓮。あと宮鳥明理もいなかった?」

「ッ!?」


 つながった。全てがつながった。だけど、あの場にその2人はいなかった。俺は首を横にり否定する。すると、母さんは少ししょんぼりした表情を見せた。

 だけど、なんで2人の名前を知っているのだろう。あの2人は3龍傑のメンバー。名前は公には公開されていないはずだ。

 もしかして、親交があったとか? そんなはずがない。もしあったなら、その時のことを教えてほしい。でも、そんなことを軽々しく話す人じゃない。

 俺は紋章を使おうか悩んだ。でも、もう疲労で紋章を使う気力がない。結人さんの記憶を見たことで整理もできてない。

 それを知りたい欲が勝り、俺は母さんの目の前に立った。


「母さん。ちょっと俺の目をじっと見てもらえるかな?」

「な、なによ……」

「いいから」


 俺は視線が合ったのを確認すると紋章を発動させた。簡単に覗き見ると、そこはみたことのない世界だった。都会とも田舎とも違う、平原だ。だけど、空が現実世界よりも遠い。


『あんた、しれっとしないでちょうだい? アタシも、さっきから言ってるのに……』

『しれっとしてたんじゃなくて、こっちが困ってただけっすよ!』

『困るも何も、何か反応してちょうだいよ。ルグアのところ行くんじゃなかったの。もしや忘れてしまったのかしら?』


 そうか。だから知ってたのか。やっと理解できた。俺は紋章を解除して元の世界に戻る。俺の前に立っていた母さんは目を丸くさせていた。


「なによ。その紋章は……」

「ごめん。結人さんに頼んで使えるようにしてもらったんだ。効果は使用者と視線を合わせている人の記憶を見るって感じ」


 母さんは頭にハテナを浮べた顔をした。そりゃそうだ。俺だってこの紋章のことを理解できてない。

 まだ4回くらいしか使ってないし、今後どう使っていくかも考えなければならない。景斗みたいに1日の使用回数も考えた方がよさそうだ。

 今日の使い方だとあっという間に頭の中がいっぱいになる。覗く時間も決めておこう。それから、今回見た母さんの記憶は言わないことにした。

 まさか、昔の母さんが美玲と同じような話し方とは思わなかったからだ。その後無言の食事を済ませ、お風呂に入った俺は、再び自室に戻った。たまには景斗さんの家で寝たいと思ったからだ。

 メールを送ったら速攻で返信が来た。許可はもらえたので紫の短剣を取り出して発動させる。すると、歪みが出来上がった。

 パソコンとダイブギアを持ってそこに入ると、本当に景斗さんの家の庭に到着した。するとまた別の歪みができる。入ると景斗の家のリビングに到着した。


「また来ちゃいました」

「いいよいいよ。翔斗くんに話したいことがあったからね」

「結人さんありがとうございます」

「どうも。あ、明理たち帰ってきてるよ。今景斗の部屋にいるから顔合わせしてきたらどうかな?」

「わかりました。行ってきます」

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― 新着の感想 ―
両親登場ですね。今後どうなるのか気になります!
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