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第10話 アーサーの頑張り屋

「『収穫量で競走!?』」


 セファンさんの発言にみんなの声が合わさる。こんなイベントはクエスト内容んい含まれていたか? てっきり、みんなで順々に収穫していくものだと思っていた。

 だけど、これに闘志を燃やしてる人が数名。バレンとフォルテだ。この2人はどこまでが良くてどこまでがダメなのかの線引ができない。

 類は友を呼ぶというものがあるが、その類に当てはまっているのかもわからない。そして、タクも何やらブツブツ呟いている。

 多重人格者も大変らしい。レイによれば人数が多いとノートを使用して筆談をするらしい。その筆跡は人格によって十人十色。みんなが同じ筆跡にするのは不可能に近いようだ。

 俺はというと、PVPや魔物戦以外での勝負事はあまりしたことが無いため、セファンの意図が掴めずにいた。

 セファンはこれで何をしたい。どういう理由でこのイベントを発生させた。ケイはメンバー決めで忙しそうにしているし。先に悟ったルグアさんはあまり理解出来てない人に向けて説明して回っている。

 俺もそろそろ行動した方がいいか? だけど行動するにも何をすればいいのかわからない。やっぱりカゴを持ってくるとか?

 だけど、この広さの畑だとカゴ一つでは足りないだろう。たとえ人数分あったとしても……。


「カケルくん」

「な、なんですかGVさん」

「なんか浮かない顔してたから、心配になってね……」

「いや。そんなはずは……」

「そんなことないって顔が言ってるよ。君、考えてることと逆のこと言うよね……」

「そ、そうですか……?」


 確かに気が上向では無いのは合っている。むしろ、不安の方が勝ってるくらいだ。


「ヤサイダーさん。ちょっといいかな?」


 タクがヤサイダーになにか問いかけている声が耳に入ってくる。


「何かしら?」

「その……。収穫バトル? それをカイトがしたいって言ってて。交代してあげてもいいですか?」

「なるほどねぇ。どうしようかしら……」


 ヤサイダーが間の抜けた発言をする。否定もせず肯定もせず、強要もすることなく。今回ばかりは中的な立ち回りをするようだ。


「仕方ないわね。ただ、ルール違反したら容赦はしないと伝えて」

「わかりました。では交代しますね……。ボクは裏の方で観察監視しておきます」

「わかったわ」


 タクの相談は解決したようだ。ほかのみんなもケイの行動力でだんだん3チームになってきた。最初はメンバーをギルド分けでアーサーのメンバーを入れる予定だったようだが、少し変えたようだ。

 俺はレイと同じグループ。メンバーにはルグアさんとアリアさん、アリスがいる。ヤマトはカイトと同じチーム。メンバーは少々偏り気味で、ラミアさんとバレンさん、アレンさんがいる。

 最後のチームはヤサイダーを筆頭に、フォルテさん。ファリナさん、GVさん。ケイ。多分これで全員だ。最後のチームがなんだか寂しい。

 これもケイなりの理由があるようで、どうやらバレンさんとフォルテさんは同じチームに入ることを拒絶したらしい。

 それにしてもアーサーラウンダーはやっぱり人数が多い。これをしっかりまとめているケイが凄いくらいだ。


「セファンさん。3チームに分けられました。ところでどうやって収穫する野菜を決めるんですか?」


 あまりにも素朴な疑問という言葉が似合いすぎる質問をケイが発した。この大所帯でもしっかりと全体を見ようとする彼の献身的な姿は神々しいくらいだ。

 自分より仲間が優先。これは俺が初めて彼に会って、そして今後の日程を調整する会議でも見られた光景だ。

 あの時も、自分は大丈夫とでも言うように仲間の予定をしっかり把握した上で練っていた。そして、アリスがロゼッタに襲われた時もヤサイダーの挑発に乗って、一発で仕留めた。

 ただ、そのあとがものすごく大変だったが……。彼の随所にそれなりの正義感というものがあるのだろう。それは正しい正義なのか、闇雲な正義かは定かではないが……。


『収穫してもらう野菜は最年少から決めてもらう。アリスだったか? この中では其方が最年少だと聞いたが……』

「はい。ミクさんを除くとわたしが最年少ですね……

。じゃ、じゃあ……。人参畑でお願いします……!」

『人参とな。承知した。次は……』


 セファンが少し口ごもる。一言で最年少と言えるのはアリスだけ、他は年齢がものすごく近い。ほとんどが高校生だからだ。大人組はと言っても5人しかいない。カイトの年齢はわからないが……。

 アリスと大人組5人で6人消滅。残りのメンバーが全員高校生。

 俺はレイに内緒でGVさん追加して貰った生成魔法を発動させて。くじ引きセットを作った。


「ならこれを使うのはどうだ?」

「くじ引きっすね。確かに無難」

「ですよね。アレンさん」

「っすね!」


 チームBからはバレンさんが代表で。チームCからはフォルテさんが代表をした。引いたのはBが大根畑。Cがキャベツ畑ということになった。

 移動はBチームはアレンさんが。CチームはGVさんが歪みを作ってくれた。セファンさんはと言うと、飛行魔法が使えるのか上空から観戦してくれるらしい。

 それなりに視力はいいのか? まあ、AIだからそこは問題ないか……。こうして、収穫祭ならぬ収穫バトルが始まった。

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