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第9話 農場に招かれて

 レイとレミスの活躍で、農場へ入ることを許された俺たちは、大所帯で農場へ向かった。空を見上げると、少し薄紫色をした世界が広がっていた。

 しばらく歩いて農場に着くと、俺たちを追い返した張本人のドワーフが、女性のドワーフも連れて立っていた。


『皆様。先程は勘違いしてしまい申し訳ございませんでした。本日はワシの農場へようこそ。ワシの名はサファン。そして、こちらがワシの奥さんのメアンと言います』

「メアンです。どうぞわからないことがあればなんでも聞いてください」


 思ったよりも優しそうだった。どうやってレイたちは説得したのだろうか? そこが気になってしまう。

 全員が揃うと、まずは自己紹介が始まった。最初にミネラルバ。次にロゼッタ。アーサーラウンダーは一番人数が多いので、俺とケイ。レイ。GVさんの4人だけが代表として挨拶する。


『では、いくらか落ち着いたようだな。では、ワシらの農場へと案内しよう』

「お願いします」

『まずここには。キャベツ畑と人参畑。大根畑がある。ワシらを説得しに来た……。レイとやら、どこを先に見たいかね?』

「え、ぼく?」

『うむ』


 セファンというドワーフに指名され、おどおどするレイ。俺のおばあちゃんも昔農協と組んで農場を運営していた。俺も時々お手伝いに行ったくらいだ。

 だが、レイがおばあちゃんの家に行ったのは1回だけ。おばあちゃんの畑には一度も行ったことがない。つまり、レイにとって畑はテレビの中のものなので、いくらゲームでも実際の畑を見るのはこれ初めてだ。

 レイは人参畑でもキャベツ畑でも大根畑でもどこでもいいのだろう。畑を見られればそれでいいはずなのだから。

 調理された状態でしか見たことがない野菜。レイにこれを経験させたい。このクエストにはレイに経験させたいことがたくさん詰まっている。


「お兄ちゃん。ぼくがほんとに選んでいいの?」

「いいぞ。どうやらセファンとメアンはAI みたいだからな。ちゃんと正確に認識してくれるはずだ」

「そう? じゃ、じゃあ、セファンさん。大根畑でお願いします」

『大根畑とな。ではこっちだ。ついて来たまえ』


 セファンは3方向に枝分かれした道の、左の道を進み始める。木々の並木道を通った先に、緑いっぱいのエリアが見えてくる。

 どんどんその緑が1枚1枚の大きな葉になっていく。綺麗に並べて植えてあるそれは、正しく大根だった。

 地面から少し顔を出す根の部分。そこは淡く黄緑色になっていて、少し旬を過ぎたもののように見えた。


「セファンさん。ここの大根畑旬すぎてますよね? 顔出してる部分が緑色ということは、少し辛みを含んでいると思うのですが……」

『そうじゃな……。カケルの言う通りだ。実を言うと、ほかの畑もそんな感じでな。さすがにこの広さの畑はワシら2人だけでは手が行き届かない』

「そうですよね……。ところで、この敷地はどれくらいの広さなんですか?」

『広さか……。だいたいスターの街5、6個分くらいだろう。約1800棟近くの建物が入る広さじゃな……』


 やっぱりゲーム内ではゲーム内での情報でしか測れないらしい。スターの街5、6個分ということは、東京ドーム何個分だ?

 たしか、ケイの自宅の敷地は関西万博会場と同じ広さがあると言っていた。本当は上空から見れればいいのだが……。

 俺は全員ついて来ているか確認する。ミネラルバは2人だけなのですぐに見つけた。次にロゼッタ。当然ながら1人腕組みヤサイダーがいる。最後に一番人数確認が大変なアーサー。ケイと2人がかりで人数をチェックした。

 全員いることをしっかり把握したあと、俺はセファンの方に向き直す。隣に立つレイは目をまん丸くさせて『これが畑なんだ』と感嘆の声を上げていた。


「これ、全部セファンさんの畑?」

「そうみたいだな」

「ものすごく広いね……。ゲーム内ではあるけれど、こんなに広い畑は初めてだよ」

「だろうな。たしかにおばあちゃんの畑よりも明らかに大きい」

「おばあちゃん? おばあちゃんの畑はどれくらいだったの?」

「んーとな。東京ドーム1個分くらいだったかな? それよりも小さかったかもしれない」


 俺の解答にレイはうんうんと頷く。なんとなくだけど伝わったらしい。そもそも限られた場所しか知らないレイが東京ドームの広さを正しく理解出来たのかは不明だが……。

 セファンは次にどこ行きたいとまたレイに問いかける。するとレイはキャベツ畑に行きたいと答えて、来た道を引き返し次は真ん中の道を進んだ。

 その先には実りに実ったキャベツの玉。いや丘が広がっていた。だけどこちらもパンクしたものが多くリアルだと商品化は難しそうなくらいの大きさになっていた。

 消去法で最後に残った人参畑、そこにも出向くと、細く華奢な葉が萎れたように垂れ下がっていた。整備が行き届いてないのはどうやら事実らしい。

 ここまでリアルを追求しなくてもいいのに、運営の変なところへのこだわりは本当に極端だ。だけど、これのおかげでレイに様々な経験をさせることができる。

 とここで、セファンが俺たちの方を向いた。


『これからみんなには、これらの野菜の収穫をお願いしたい。ただ収穫する訳ではないぞ? 3チームに分かれて収穫量で競ってもらいたい』

応援よろしくお願いします!!!!!!!


前回、とあるコメント残したらめっちゃ増えたので今回もやるよーーーーーー!!!!!!!


ブクマ増えろーーーーーー!!!!!!!!


ブクマしてくれた人は感想でブクマした理由を書いて暮れると、作者が飛んで返信します!!!!

特に初見感想は絶対返信します!!!!!!

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