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第7話 差別①

本日から、水・金・日更新です。


執筆状況によっては、別日にも更新します!!!!

 タク、ミク、カイト。ヤサイダーが言うには、この3人はどれも主人格ではないらしい。解離性同一性障害の人格は、通常主人格に欠けてる部分を補うために存在している。

 ヤサイダーが言うには彼の人格は"喜怒哀楽"を意味しているらしい。つまりは、主人格はそのような交流する上で必要な感情を持ってないということ。

 だからなのだろうか? 今主導権を握っているタクは、今ケイと話し合っている。どうやらギルド運営をしていく上での勉強をしているようだ。

 ケイも自分が障害者というのもあってか、全くタクの障害を気にしていないようだった。これもこれでいいと思うと、今後がなんだか怖くなる。

 俺が危険視しているのは、タクでもなくミクでもなく。カイトだ。あの性格――表面上ではあるが――だと、何をしでかすかわからない。

 解離性同一性障害者――以下、多重人格者の悩み。それは持っている人格の一人が犯罪者なのではというもの。かなり昔映画かなんかで多重人格者の一人の人格が事件を起こして裁判にかけられたという、ノンフィクション作品が映画化された。

 原作は相当古いものだが、令和にリメイクされて上映。それがさらに多重人格者に対する差別が増えた。

 最近は世代交代でだんだんとそういう発言を起こす人は減ってきた。だけど、完全に消えた訳ではない。

 子供は好奇心旺盛だ。すぐに相手のことを知ろうとする。幼少期過度な虐待やいじめを受け、それを補う人格を生成した人は、多くの人の狙いの的だ。

 それもそのはず。ハラスメント防止策や、いじめ虐待防止策などが発足してから、多重人格者の症例は2055年現在でも少なく、精神科などの病院でもレアケースとされている。

 だからか、主治医はその人が持っている人格を知りたがる。テレビもその人を追いかける。そう、多重人格者は行き場を失っている状態が続いているのだ。


 ――と、レイが熱心に説明していた。


「タクさん。主人格ってどんな人なの?」

「主のことか。最近見てないんだよね……。やっぱり新しい学校に行くのが怖いのかもしれないかな?」

「新しい学校? お兄ちゃんの学校ってこと?」

「そう、前の学校が酷くてね……。全部主目当てで、ボクとカイトが寄り付かないように対処してたんだけど……」


 タクの表情が暗くなる。この顔をするということは、俺らの想像以上のことが起きたのだろう。


「カケル君。アリアさん。ヤサイダーさん。あとヤマト君。君たちの学校にボクが行った時。他の人には内緒にして欲しいのだけれどいいかな?」

「「はい」」

「実は前の学校で殺人事件が起きたんだ。その時ボクは居残り勉強中でね……。他の人もいて、ボクがトイレに行こうと少し離れた時に事件が起こった。だから、犯人探しが始まって……」

「それでタクたちが犯人に仕立てあげられた。濡れ衣を着せられて居心地が悪くなって、俺たちの学校に1年生から入り直すことにしたってことか……」

「そう。カケル君は理解するのが早くて助かるよ」


 タクは事情を説明してくれた。これは彼が卒業するまで内緒にした方がいい。俺たち4人は顔を見合わせ同時に頷いた。彼を守ると。


「それはつらかったね……」

「後半はずっと不登校というか、学校からも拒絶されましたからね……。ほんと路地裏にひっそりと座り込んでる感覚でした。ずっと誰にも見つかりたくないと……」

「でも、それだと学校に対して恐怖症を発症するんじゃ……」

「はい。一度ありましたね……。特に学校生活だけが頼りだった主が非常にショックを受けてしまって……」


 タクは少しずつ答えていく。彼の言葉には嘘と思えるようなものが見当たらない。人格を探るのはあまりしたくないが、このタクは白か黒かといえば白だ。


「わかった。約束は守る。他のメンバーにも伝えておいてくれ」

「ありがとうございます。とても助かります」

「私もお手伝いします。ね、ヤマト君、お姉ちゃん!」

「もちろんでございます」

「ええ。では、あたしとアリアさんを高校に残れるよう手配しておきましょう」

「ありがとう。お姉ちゃん」


 これで上手く行けばいいんだが、この事件はテレビにも報道されたらしく。秘匿率は非常に高い。だから、俺はさらに不安になった。

 かなり脱線したことに気がついた俺は、案内所へと急ぐ。パーティ登録は済んでるので、ギルドパーティの代表1人が受注すればいいだけ。

 今回のクエストは俺が選んだものなので、俺が選択することになっている。


「メル! いるか?」

「あ、カケルさん。例のクエストですね。ちゃんと

他ギルドに取られないように、受注書類取っておきました!」

「すまないな。ほんと。俺のギルドに受付嬢がいるだけで、クエスト受注っも楽ちん楽ちん」

「少しキャラブレてません?」

「いや、なかったことにしてくれ」

「かしこまりました。では、手続きを開始しますね」


 ――"農場支援クエスト 1週間プラン"


 ――"承認しますか?"


 ――"Yes/No"


 ――"承認されました。受注契約書を発行します。詳細はクエストの進行中クエストをご確認ください"


「カケルさん。頑張ってください! それと、一緒に攻略する方々も!」

「ありがとう。ところで、メルは?」

「アタシはこの後も受付嬢としての仕事があるので……」

「わかった。無理すんなよ?」

「ありがとうございます。カケルさん!」

応援よろしくお願いします!!!!!!

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いよいよクエストへ。どうなるのか楽しみにしています!
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