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第1話 暇人 ※全消し修正済み

0から書き直して大幅修正しました

 2055年1月16日、俺はとある夢を見て目を覚ました。それは動物たちが暮らす世界。森林や街などが広がる天国のような空間だった。ずっとここにいたい。そう思った時だった。


「へ、へ、へっくしょんっ!」


 俺の口から大きなくしゃみが飛び出した。その勢いで起きた俺は今の時間を見る。7時32分。思ったよりもちょうどいい時間だった。今の俺は1週間前からインフルに悩まされていた。学校にも行けてない。今日から新学期なのに、まさかこのタイミングでインフルになるとは思わなかった。

 いくらか回復してきていてくしゃみや咳も落ち着いてきたが、まだ身体のあちこちが痛い。こんな日々が続いたのは何年ぶりだろうか?

 部屋にあるゲームはもう遊び尽くして、もうゲームでは遊びたくないとまで思っている。だけど、そのせいでさらに暇になっていた。


『翔斗、起きてる?』

「さっき起きたとこ!」

『そう。ここに朝ごはん置いとくから。あと、翔斗のためにプレゼントも用意したから』

「母さんいつもありがとう」


 俺はお母さんが階段を下りるのを待つと、部屋のドアを開いて朝ごはんを受け取った。今日の朝ごはんはいつものお粥と梅干。それから鮭フレークだった。

 プレゼントはクリスマスじゃないのに綺麗に包装されていた。まずは朝ごはんから食べよう。

 俺の部屋にはベッドと固定式の机と移動式の机がある。床には大好きなアニメのカーペット。埃ひとつない空間で黙々と食べる。

 今日の梅干は南高梅だった。こんな高いものを用意してくれたのだから、明日は学校に行けるという合図だろう。やっとそこまで回復できたのは嬉しかった。


「ご馳走様。ライン送っておいてっと」


 ――ポロン


"『了解。回収しとくから外に置いといて』"


「ラジャーっと……。へっくしょん!」


 これで学校に行けるのかな? と考えながら、俺はお母さんが買ってきたプレゼントを開ける。見た目はアニメブルーレイのケースと同じ形。開けるとゲームのソフトが出てきた。その表紙には大きく『ビースト・オンライン』と書かれている。

 次に俺はケースの裏面を見た。そこには、


"ビースト・オンライン。

 30種類の動物から1種類を選択し、その能力を活かして戦うオープンワールドロールプレイングゲームです。

 ゲームをプレイするには、ディスクをパソコンに挿入し、事前にアバターを選択してください。ダイブギアとパソコンを連携させると遊べます。大自然に恵まれたフィールドで、冒険を楽しみましょう!"


 と大きく書かれていた。ダイブギアというのはフルダイブゲームで遊ぶためのデバイスで、Bluetoothでパソコンと繋げて使用する。ゲームによって、ゲーム内でアバター選択をする場合と、パソコンで事前選択があるがこのゲームは事前選択のようだ。

 俺は机の上に置かれたパソコンを起動する。


"*****h"


 パスワードを入力しディスクトレイを開くと、そこにビースト・オンラインのディスクを入れた。トレイを閉めると読み込みがスタートする。

 読み込みとダウンロードには20分ほどかかった。俺はその間ラジオ体操をしたりなど、時間をつぶした。

 読み込みが終わると自動でブラウザが開き、森林の背景が表示された。ローディングという文面が点滅している。

 しばらくしてアカウント作成ページに移動した。生年月日や性別。プレイヤー名などを要求されたので、全て入力する。プレイヤー名は翔斗から翔を取って"カケル"にすることにした。

 次にアバター選択に移る。そこには様々な動物の名前が書かれていた。本当は攻略サイトを見たいが、特に困ってることはなかった。

 狼や亀。熊にライオン。イノシシにサイ。チーターに亀など様々な動物がいる。その中にランダムというのが含まれていた。俺はカーソルをランダムの方に置く。この状態でものすごく悩んだらランダムを選ぶことにした。しかし、


「へっくしょんっ!」


 ――カチッ!


「え?」


 一瞬の出来事だった。


"【ランダム】が選択されました。自動でアバターを選択します。この操作はキャンセルできません"


 ランダムのところにカーソルを置かなければこうはならなかったはずなのに、まさか本当にランダムになってしまうとは。本当はもっとゆっくり考えたかったけど、キャンセルできないのなら仕方ない。俺はダイブギアを用意して、電源を入れる。

 頭にはめてベッドに横たわるを起動コマンドを唱える。


「ゲームアクティベート」


 その言葉でゲーム内へと誘った。2分ほどで最初の街に着く。街の名前はソルダムというようだ。ソルダムというのはプラムの一種で、昔ソルダム100パーセントジュースを飲んだことがある。甘酸っぱくてとても美味しかった。

 街は西洋風の家が建ち並んでいて、とても綺麗な世界が広がっていた。


「さて、アバターは……」


 俺はまず自分の両手を見る。そこには白くてふわふわで、だけどなぜか5つ指がついた手があった。次に目の前に噴水があったのでそこに向かう。水面をのぞき込むと、白毛で長い耳が特徴的なアバター。これは兎だろうか。


「まあいいか。まずはチュートリアルでもしよっと……」

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― 新着の感想 ―
丁寧な描写と主人公の心の動きが丁寧に描かれていて、楽しく拝読しました。くしゃみで選んだアバターとの旅?が楽しそうですね♪
「ゲームしとるからインフル直らんのや!」って昭和の人なら言うのだろうな(´艸`*) あ、ウサギはウイザードリィでは最恐ですw
Xから来ました! 翔斗、ゲームする気ないって言ってるのに、普通にゲームに吸い寄せられてて草なんよw
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