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辛いことがあったならば

作者: 桔梗 椿

もしこの小説を読んでいる君が何か辛いことがあったならば、私はこの言葉を送ろう。


いつだって今の君が一番素敵で、そして、一番若い。


辛さは人それぞれだ。どんな哀しみがそこにあったか、今これを書いている私には計り知れない。しかし、これを読んでいるということは何かしらあったのだ。


一番君が辛かったことは何だろうか?

人間関係か、仕事か、生きることか。どんな理由があったとしても、今生きている君が素晴らしい。君は逃げる術をしっている。


よく、自殺した人は逃げた人だというが、私にはその勇気がなく、羨ましかった。こんなことを書いたならば、さぞ批判されることだろう。だが、生きるものとして「死」とは、恐ろしいものなのだ。その「死」を考える君を私は「勇気がある」と思う。私にはその勇気はない。


だが、生きていることは「死」よりも、何倍も素晴らしいのだ。今生きている君は、可能性しかない。もしかしたら、明日、夢が叶うかもしれない。辛いことが無くなるかもしれない。それは「生きている」から叶うことだ。「死」してしまえば、明日叶うはずの夢も、生きやすさも全てない。


だから「生きて欲しい」


私は満月の晩に、家の周りを10kmほど歩いた。

線路を二つ越えて、自分の知らない土地を歩いた。

自分の恋人が他の異性と居るのを見てしまったから。


歩きながら考えた。

誰も悪くなかった。

自分も恋人も他の異性も、誰も悪くなかった。

悪かったと言えば、タイミングだった。

恋人は私に謝った。私も謝った。

だからこれからこれは、笑い話だ。

あの日、悲しみに暮れて流した涙も、

胸の奥に仕舞った苦しみも、全て過去のものだ。

未来は自分で変えられる。


これを書いた理由は、私が辛くなった時、

読み返せるように、そして誰かが辛い時に寄り添えるように。


君の辛さは何だっただろうか。

辛くて悲しくてやるせない時は、月を見てほしい。

君を救ってくれるのは、君の友人や家族でも、無論私でもない。月が救ってくれる。


同じ様に、その晩に月を見上げている人がいる。

君はその人に寄り添っている。

私も寄り添っている。


明日に賭けてみないか?

変わらない現実があるなら、君が変わってみないか?


いつか同じ様に月を見上げた時に、笑っていて欲しい。

あんなこともあったなぁ、と笑っていて欲しい。

そしてまた、辛くて悲しくてどうしようもなく月を見上げた人に、寄り添ってあげて欲しい。


君は強い。

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