1話 私、魔法少女になります!
こんばんは!今回は前々から書きたかったオリジナル魔法少女ものを書きます!
この物語の中ボスはお気に入りキャラなので早く出したいですね!
「はぁ…はぁ…」
その少女はなにかに追われていた
「誰か…誰かいないの…?」
少女は周りを走りながら見渡すが周囲に人の気配はない
「誰か助け−−っ!?」
少女が角を曲がると目の前に少女を追いかけていた黒い何かがいた
「ひっ!?」
少女は恐怖から尻餅をつき動けなくなってしまった
その黒い何かはそんな少女に一瞬で近づき少女に刃物を振りかざし−−
「はっ!?」
真夏のとある夜、私、白崎零は自分が何者かに追いかけられ殺されかける夢で起きた
「今のは…夢?…それにしてはリアルだったような…」
「目覚めましたか?」
冷や汗をかきながらバクバクなる胸を押さえていると声が聞こえてきた
「え?だ、だだ誰ですか!?」
慌てて窓のほうを見ると小さな猫のようなものが浮かんでるのが見えた
「な、なに!?幽霊!?」
「そんなものと一緒にしないでください」
そう言ってその生き物(?)は私のそばに近づいてきた
「私はにゃもん、とある星から遣わされた魔法少女用のマスコットキャラクターです」
「魔法…少女?」
魔法少女 それは魔法の力を手に入れた少女でありよくアニメなどで悪党や怪人達と戦って街の平和を守る正義のヒロインである
「はい、今白崎零さんが思っている魔法少女で間違いないかと」
こくんとにゃもんは肯定し本題に入る
「単刀直入に言いましょう白崎零さん魔法少女になって戦ってください」
「ええ!?」
なんとなく予想はできた言葉だったがそれでも衝撃は十分だった
「私が?」
「零さんがです」
「魔法少女に?」
「魔法少女にです」
「いやちょっと待って!こういうのは慎重に…いこう!最近の魔法少女物はかなりショッキングなものも多いし」
「もちろん待ちますよ急いでるわけではありませんので」
んん~と悩んだ末一つの質問をする
「魔法少女ってことは戦う相手がいるんだよね?もしかして悪い怪人とかが地球に侵略に来るの?それとも日常に巣食う悪党を懲らしめるとか?」
「いえ違います」
目をキラキラさせる私に無情にも首を横に振り否定するにゃもん
「え?」
「貴女に戦ってもらう相手とは――他の魔法少女です」
「は?」
「貴女に戦ってもらう相手とは―」
「いやいや理解できなかったわけじゃないよ!?理解できたから、は?なの!」
「そうですか?」
その私の反応に首を傾げるにゃもん
「えっと…なんで魔法少女と魔法少女を戦わせるの?その魔法少女が悪いことでもしたの?」
当然の疑問ににゃもんは首を横に振る
「中にはそんな魔法少女もいますが全員が全員悪いわけではありませんね」
「じゃ、じゃあなんで?」
「理由は――我が星での娯楽ですね」
「ん?」
その意外過ぎる理由に目が点になる零
「理由は――我が」
「分かってる!わかってるから!?」
「そうですか」
「ご、娯楽って…」
「言葉の通りです、まず魔法少女に観客が賭け金を投資、その魔法少女がほかの魔法少女を殺したり一定期間生き残ったりすれば投資した賭け金は増えていくそういうゲームが我が星では流行っています」
「…悪趣味なゲームね」
かなり嫌悪を含んだ視線をにゃもんに向ける零
「地球人の闘技場と大して変わりませんそもそもこのゲームはその闘技場を元に作られたものですので」
「闘技場なんてどんだけ前の話よ!?」
「古いからと言ってないがしろにするのは良くないかと」
「そうだけどさ!?」
イライラする零ににゃもんは再び問いかける
「では魔法少女になってくれますか?」
「何がではなの!?ならないわよ!?」
「なんと!?」
「なんで意外ですみたいな顔してるの!?むしろあの説明でよし!魔法少女になる!って人いないでしょ!?」
「一応何人かは」
「居たんだ!?」
驚愕の事実に素っ頓狂な声が出る
「はい、合法で殺し合いができるって嬉しそうでしたよ」
「私をそんな人たちと一緒にしないで!?その人たちは変な部類の人たちだから!」
「どうしてもなってくれないんですか?」
可愛い部類だろう顔でそう言ってくる極悪猫もどき
「例えいくら頼まれても無理なものは無理よ!他当たって」
「そうですか…どうしても魔法少女になってくれませんか」
「当たり前でしょ!私は殺し合いとかまっぴらごめんだし!」
「わかりました、では残念ですが貴女の生涯は明日までになりますね」
「ワッツ?」
あれ?なんか恐ろしいセリフが聞こえたぞ?
「あれ?言ってませんでしたっけ?零さん実は明日死亡する予定なんですよ?」
「聞いてないよ!?」
何当たり前のように私の死亡時日把握してんのこの猫もどき!?
「ふふふ、我が国の技術をもってすれば人の死亡日を把握することなんて朝飯前なんですよ」
「え?マジで私明日死ぬの?」
「はい、間違いなく!」
「無駄に自信満々!?」
ええ…私まだ花の中学生なんだよ…まだやり残したこともあるし彼氏もできたことないのに…
「やだよ~私まだ死にたくないよ~」
「なら魔法少女になりましょう」
しくしく泣いているとにゃもんが営業のスパートをかけてきた
「魔法少女になったらそんじょそこらのことでは死ななくなります、さらにその事故要因を排除するサポートをいたしますよ」
「…本当に?」
「はい、普通の人より頑丈になりますよ散弾を0距離で食らうようなことがない限り致命傷にはなりません」
「でも殺し合いしないといけないしな~」
「ああ、その件ですが別に進んで殺し合いはしなくていいですよ」
「どういうこと?」
急な手のひら返しに顔を上げた
「このゲーム先ほども言いましたが別に殺した数だけじゃなくて生き残った期間もポイントに入るんです、それにゲーム内にも必ず殺し合いをしろという記述がないんですね」
それ殺し合いゲームとして大丈夫なの?
「なるほど…あれ?私達の死亡日程がわかるんだったらこのゲーム意味なくない?」
私はふと浮かんだ疑問を口に出す
「それなんですが私たちがわかるのは『普通の人間』の死亡時刻であって魔法少女という私たちが干渉した超人の死亡日は完全未知数なのですよ」
「なるほどね…だからギャンブルが成立すると」
「そういうわけですでは改めて言います死ぬんだったら魔法少女になって戦って死んでください」
「言葉が最悪になった!?」
こいつ全く本音隠さねえな!?
「え?殺し合いしなくていいんじゃないの!?」
「別にいいですけどその場合いい的になって袋叩きになるだけですよ?」
「魔法少女ってそんなに血の気が多いの!?」
「いえいえ、ただやられる前にやってやるの精神で皆さん動いているだけですよ」
「どっちにしろだよ…」
断ったら明日我が人生終了、魔法少女になったら私多分人殺せないから袋叩きにあって人生終了…あれ?私詰んでない?
「どうすれば…」
「魔法少女になれば報酬も出ますよ~」
そこへさらに畳み掛けてくる猫もどき
「有休も取りやすく18歳まで頑張れば定年退職が待っている!」
うるさい!今考えて…ん?
「ちょっと待って!?今なんて言った!?」
「え?有休取りやすい」
「その次!」
「18歳まで頑張れば定年退職?」
「魔法少女に定年退職ってあるの?」
意外な設定に食いつく私
「それはそうですよ20超えた魔法少女なんていないでしょう?」
「いやそうなんだけど…え?18超えたら用済みスプラッターとかじゃなく?」
「18まで戦った戦士にそんなひどいことしませんよ普通に戦いから日常に復帰です」
…よし考えがまとまった
「にゃもん…私魔法少女になるよ」
「ほう?よろしいので?」
「そして18まで生き残って普通の日常に戻ってやる!」
そう宣言した私の体を光が包む
「契約完了だ白崎零、君の素晴らしい活躍を祈っているよ」
その言葉とともに私、白崎零の魔法少女としての生活が始まった
魔法少女インフェルノ一章 私の始まり編 第一話 私、魔法少女になります! を見ていただきありがとうございます!この物語に出てくる中ボスを書きたくて書き始めました!
まだまだ未熟ですができるだけ仕上げられるようにがんばります!
以上私でした!