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⑧雨降ってまた雨降って!?

前回のあらすじ


聖書をゲットしためりい。

彼女の大冒険は続く────!

「聖書、ゲットだぜ!」

心に風が吹き抜けためりいは、まさに物語の主人公のような心持ちであった。


彼女は本好きであった。がなにぶん頭が良くないので作者の意図だとかむつかしい用語についてはチンプンカンプンのままにしていた。

最近はライトノベルを買ってみたものの、挿し絵を見るだけに留めている始末である。作者泣くよ・・・


後日、ろいこにも聖書を見せてやろうと思い立つ。

「呼木さんにも見せたいなあ・・・・

ヨシアにも見せつけてやる!ひひっ」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「うーん、ごめん、やっぱ訳分かんねーわ」

ろいこは聖書を手に取ってみたが、文字の羅列を見ただけで脳が理解を拒んでしまった。名前がアンドロイドなのに、どうにも人間くさい。

「やっぱ難しーよねー」

「作者はなんで分かりやすくしないんだろう」

聖書の作者に失礼である。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

昼休み、因縁のヨシアに会いに、体育館へ行った。

「まだ6日目だぜ?休戦協定か?」

めりいはドヤ顔でピンクを聖書を見せつけてやった。

どやあ!!!

「聖書買ったんだお前。どれ、見せてくれよ」

「いや!1回100円ね!」

「はあ?金とんのかよクソッタレ!」

「喧嘩はやめなよー?」

ろいこが仲裁に入る。平和な仲介者がいなければ戦いは終わらせられないだろう。


「ふーん、色々書いてあるな」

「神道にはこういう聖書みたいのは無いの?」

「無いな。仏教なら経典みたいのはあるけども、神道は信心が大事だと思うからさ」

「八百万の神々はご飯粒にも宿ってるんだ。お守りにも神さまが入ってるんだぜ」

「神さまって分裂できるもんなの?」

「出来るよ。全国の神社にそれぞれ分身体を飛ばしているのさ。師走(12月)になるとみんな島根の方に行くんだぜ」

ろいこがにっこり微笑む。

「なにろいこ?」

「いやあ、2人とも仲良くなったなあって」

「はあ?」

めりいは納得のいかない顔だ。


「悪かったよめりい。バカバカ言ってさ」

ヨシアは左手を頭の後ろに置いて頭を下げる。右手はごっつぁんの手刀を切った。

「・・・・私も大人げなかった。ごめん」

「おお?めりいが謝るのは珍しいね」

ろいこが感心する。

「私の時も謝って欲しかったねえ」

「あの時はろいこが悪いじゃん」

「えぇ〜〜」

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

放課後、公園に寄る3人。

呼木さんを見つけると、めりいはすぐさま謝りに行き、6日間来なかったいきさつを説明した。

「いやあ、事情は2人から聞いてたから大丈夫だよ」

呼木さんは優しく帽子を擦る。

「それで、聖書を読んだ感想はどうかな?」

「それがチンプンカンプンで・・・」

「聖書を作った作者は不親切っすよ!」

ろいこが声を上げる。

「コラコラ。そう言うもんじゃない。聖書の作者は〈神さま〉なんだよ」

「ええっ!?」

「・・・それっておかしくねーか?聖書はモーセを初め色んな人物が編纂して、マルティン・ルターが現在のプロテスタント聖書を作ったって聞いてるぜ」

「それらの人すべてを遣わして、聖書を書かせた方を知ってるかい?それが神さまなんだよ」

「神さまは人間の理解を超えたお方だ。聖書が記されてから何千年と時間は経つが、いつまでも言葉は残されているね」

「この天地は滅びます。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません (ルカ21:33) と聖書に書いてあるとおりだね」

「ふーん」


ヨシアはバスケの練習に入った。またあの小学生チームがやってきて、ヨシアに付き合う。

「大会行くんだろ?全国優勝してくれよな!」

「お前たちこそ、全国勝てよな!」

互いに切磋琢磨する両者。ヨシアは小学生たちの練習に付き合ってあげていたのだ。

その証拠に、小学生たちにテクニックを教えてあげている。まるでコーチのようだ。

「バスケYouTuberになれよヨシアにーちゃん!」

「はは、考えとくわ。てかにーちゃん呼びは初めてだな、お前」

「うちの鬼コーチよりも優しいからな!認めてやる!」


めりいとろいこと呼木は、ベンチで練習風景を眺める。

「懐かしいね。私もああやって子供たちと触れ合った時期がありました」

「教会にいた頃ですか?」

「うん」

呼木さんはそれ以上なにも話さなかった。教会で良くないことがあったのだろう。見て見ぬふりをする(なさけ)がめりいにも存在した。


ヨシアが小学生チームが帰るのを見送ると、めりい達の方へやってきた。

「呼木のじーさんとめりい、ろいこ。明日俺んちこねーか?」

「ええっ」2人は驚いた。呼木も驚いた。

「でも私、金持ってませんよ?」

呼木は敬語に戻る。申し訳なさそうに帽子を擦る。

「呼木のじーさんの分は俺が出すよ。お前ら2人は電車の定期券があるから大丈夫だな?」

「あ、うん」

阿吽の呼吸で頷く2人。


「じゃあ決まりだな。明日の放課後、よろしくな」

一方的に予定を組まれた。が男の子の部屋に誘われるなんて、めりいは初体験であった。


続く。

毎日連載やってましたが、昨日休みました。すいません。

しりしりと頑張り、定期的にあげていこうと思うので、応援よろしくお願いします!

いいねとか評価してくださると泣いて喜びます。

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