㊳ペンテコステ編:友よ
久しぶりの投稿になります。今までサボっててすみませんでした!
日曜日。私とろいこはI駅でヨシアと待ち合わせた。
「よっ」
ヨシアが駅の階段を降りてきた。二段飛ばしで。
「危ないって」
「慣れてるから大丈夫だし」
「子どもが見て真似したらどうすんの!」
「周り子どもいねーって」
休日なのでいつもより人が少ない。
「ラブラブですなあ2人は」
「そんなこと」「ない!」
シンクロした。合わせるつもりはなかったのに。
「礼拝始まるのは10時半からだけど、余裕持っていこう」
「つってももう30分前切ってるけどな」
ヨシアは左腕の腕時計を見せびらかす。
「わ〜おっしゃれ〜」
「言ってる場合か!急ぐぞ!」
私たちは駆け足で教会から向かった。え、ダッシュ!?
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運動部と帰宅部 (めりい)の運動差。走ってる2人と、あっという間に差を付けられる。
「駅から教会まで徒歩10分だからそんなに急がなくても〜。ぜえっぜえっ」
「アホか!集合30分前っていうだろ!」
「遅れたヨシアが悪いんじゃん!ぜえっ」
「あー俺が悪うございましたー」
「心がこもってない!ゼヒッ……!」
走ることに慣れてないため、私は走ってむせた。
「あーもう。少しペース落とそう、ヨシアくん」
「ったく、普段から走ってねーからだ」
「うるっさiゴホッゴホッ!」
少し走るペースを落として、私たちは教会へ向かった……
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汗だくになりながら教会へ着いた私たち。
「あーあー。タオル貸そうか?」
「ヒュー、ヒュー、ヒュー、ありがトッ……」
「か弱すぎんだろ……」
「黙れ……ッ!カヒュー、カヒュー」
「ハハハハ」
嗤うヨシアを睨んでやったが、まったく意に介してない。くやしい!
「おやおはよう。新しい人かい?」
教会のおじいちゃん、浅ェ野襄さんが挨拶する。
「おはよー襄さん」
「ウッス。おはよっス」
「めりいちゃん、汗だくじゃないか。大丈夫かい?」
「だいじょぶ……ですッ」
「熱があるんじゃないかえ?」
襄さんは何度も、おせっかいなぐらいに心配してくれた。お年寄りは、やさしいな。
「お年寄りに心配されるんじゃねえよ」
「クッ……!筋トレするもん……明日から」
「ハッ。その意気だ。今日からやれ今日から」
「ぐぬぬ……」
くやしいけど、以前のヨシアに戻ってきた気がする。それは嬉しいことだ。
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今日の礼拝ははれるや先生が出張だったので、別の先生が来るらしい。
配られた①週報を見ると、なんとヘビゴロウ先生の名前が!
「やあめりいちゃん、ひさしぶり!」
後ろから声が掛かる。
振り向くと、ヘビゴロウ先生がいた。
「ヘビゴロウ先生!」
「や!久しぶり!元気してた?」
「今日の説教は僕が担当するよ」
「誰?知り合いか?」
「ABCキャンプの賢龍先生!アダ名はヘビゴロウ先生っていうの!」
「へえ」
「その、ABCキャンプってのはなんなんだ?」
「夏休みの最初に、私とろいこは愛川バイブルキャンプ場に行って、3泊4日のキャンプをいろんな子と過ごしてきたんだよ。それでね───」
ABCキャンプであった事を、ヨシアにたくさん伝えた。
「間もなく礼拝が始まります。心を静め、共に主を待ち望みましょう」
司会のアナウンスがかかる。礼拝が始まる!
※①週報⋯教会のプログラムが書いてある紙。毎週礼拝ごとに用意されます。
※②教会では、牧師先生が出張で、別の教会の先生がやって来るという事もあります。いろんな先生の話を聞くのは、とても面白いですよ。
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どんな時でも
作詞作曲:中山勇太先生
どんな場所でもわたしは 賛美を決してやめることない
それはあなたがわたしを あいしてること知ってるから
どんな場所でもわたしは 賛美を決してやめることない
それはあなたがわたしを いっしょにいてまもってるから
いまも あなたが! 一番 必要
すべてを いやしてくれる お方
恵みにこたえ 手を上げ歌う
賛美を やめることはない いつも いつまでも
はれるや教会青年たちの特別賛美は、カッコよかった。ドラム担当のペドロさんはドラムスティックをクルクル回すのがカッチョイイ。ボーカル担当のエリさん。透き通るような声が好き。ピアノ担当のヨセフさんは……とにかくスゴイ!
「ボキャブラリー死んでんのかお前……」
ヨシアから辛口レビューが下された。私はボキャ貧らしい。しょぼん。
「じゃあヨシアのレビューも聞かせてよ!」
「みんな上手いな。以上」
「ざっくり!」
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ヘビゴロウ先生の説教の時間になった。
「みなさんおはよーございます。
まずはじめに、今年の夏キャンプの様子を送りたいと思います」
ヘビゴロウ先生はプロジェクターに映像を映し出した。この前YouTubeに配信されていた、ABCキャンプのPVが画面に映る。
「当教会からは、めりいちゃん、ろいこちゃんが来てくれました!」
PVではちょくちょく私たちが写ってる。
「おっ、あたしがダンク決めた瞬間撮られてる!」
「へそ丸出しじゃんろいこ」
「恥ずっ!」
「あっ」
映像の中に、私と絵本ちゃんの様子も映し出されていた。いつの間に撮影されてたんだろ……
「らんりちゃんとラブラブじゃん、めりい?」
「・・・ろいことともラブだよ」
「ヒューーっ!男前!」
「へえ、楽しそうじゃん」
ヨシアが映像を見ながら一言。
「来年は行きてえな。余裕があったらな」
「うん!是非!人生変わるよ!」
「行ったら変わるインドみてえだな」
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「如何でしたでしょうか?
子供たちが楽しそうでしたね。小学生のキャンプも中高生の前にありましたが、みんな楽しそうだったと聞きます。
聖書ではこうあります。
『使徒の働き2:17
神は言われる。終わりの日に、わたしは
すべての人にわたしの霊を注ぐ。あなたがたの息子や娘は預言し、青年は幻を見、老人は夢を見る』
みなさん、もうすぐこの世は患難が来ます。そうイエス・キリストが言われてから2000年経ちますが、油断しないように。盗っ人のように私は来る(マタイ24:43)。と、イエスさまは言われました。
泥棒は怪盗ルパンのように予告なんてしません。人の留守を狙って、驚くべき早さで犯行を終わらせるのが窃盗犯です。
人々が油断している時に、神さまは来られるのです。油断しないで下さい。いつも信仰の目を覚ましていてください(マタイ25:13)。今朝ここに集われたみなさんが、信仰の道に堅く立ってくれることを、切に祈るばかりです……」
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説教が終わった。
献金の時間になった。
「献金?なんだそりゃ?」
「神社でいうお賽銭みたいなものだよ。まあまだヨシアは払わなくてもいいよ」
「お願い事のために払うのか?」
「違うよ。神さまのためにすすんでお金を払うんだよ」
「進んで?神さまのために?」
私は洗礼のために毎週礼拝後に聖書や教会の勉強を受けていた。 だから以前と違って色々答えられるようになった。
「ま、払っとくよ。いくら?」
「みんな100円出してるよ」
「ふーん」
ヨシアは100円+5円を献金した。
「5円(ご縁)は縁起がいいからな」ニカッ
会計の人、後で大変だろうなあ・・・
※①献金⋯厳密に言えば、献金はお賽銭とは違います。
献金は神さまのために、受動的にお金を払う行為です。お金は教会の運営や貧しい人への募金など、正しいことのために用いられます。カルト教団のお布施が大問題になっていますが、不安をあおってお金を集るのは、キリストの道に反した愚劣な行為です。
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礼拝後、ヘビゴロウ先生と話した。
「見てコレ!私の家族!」
ヘビゴロウ先生のヘビ柄スマホには、女性と2人の女の子が写っている。
「わあ、奥さんと、お子さんが2人!」
「ルツとナオミだよ」
「かわい〜〜」
ろいこも顔を覗かせる。
「2人とも、元気そうでなによりだよ」
「いや、部活でこってり絞られてます」
ろいこは顔をしょぼんとさせた。
「まあ、学生時代はドンドンスポーツに打ち込みなさい。大人になるとやりづらくなるから」
「俺は大人になってもバスケやり続けるッスけどね」
「キミは?」
「扶桑ヨシアっす。2人に連れて来られました」
「そうかそうか!よく来たね!」
「ウッス」
「ヘビゴロウくん?」
後ろで声がした。振り向けば、呼木さんが。
「呼木さん……!」
ヘビゴロウ先生は声を震わせると、先生は呼木さんをひしっと抱いた。周りのみんなはギョッとした。
「良かったです……!生きてて……!」
「ええ、連絡出来ずじまいで、申し訳なかった」
「いいんです。先生がご無事なら」
ヘビゴロウ先生は私たちと初めて会った時、呼木さんを「一緒に日本中、いや世界中でクリスチャンを増やそう」と誓い合った仲だと聞いた。師弟、というより兄弟に近い間柄なのかな……
いまは2人の再会を喜びたい。ハレルヤ。
※①ルツとナオミ⋯旧約聖書ルツ記。ルツはルツ記の主人公で、ナオミはルツの前夫エリメレクの妻の名前です(古代パレスチナは一夫多妻制だった)。
ルツとボアズの恋愛話をABCキャンプ編でやりたかったですね……。まあ各自動画とかで調べてください。すいません。朝ドラでやったら面白そうな話です。
「ただいまルツ」如何ですか?●HKさん?
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つづく。




