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㊱ペンテコステ編:エホバの証人

モーセと名乗る謎の青年。手には聖書を持っている。

私たちより少し年上みたいだ。格好はとても地味だ。


「同じクリスチャンですか?」

(めりい)は話しかける。

「ええ。私もエホバを信じています」

モーセと名乗る青年はニッコリと返した。

「そうですか!あっ!そろそろ寿司屋に行かないと!予約してるんだった!失礼します!」

ペドロさんはそう言うと私とろいこの肩を掴み、その場を後にした。

「あっ、ちょっと待って……」

モーセさんは手を伸ばした。

が、ペドロさんの足は速く、そそくさと離れていった。


「あの子たちの名前、聞きそびれちゃった……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ペドロさんは別のところでトラクト配布(チラシくばり)をしていたはれるや牧師と合流した。

「ペドロさん、どうしちゃったの!?」

「あの人、なんか用あったみたいだけど?」

「・・・・はれるや牧師、〈エホバの証人〉の人がいました」

「そうですか。とにかく寿司屋に行きましょう」

「えっ?えほばのしょうにん?」

訳が分からなかった。ペドロさんが私たちを連れた理由も、エホバの証人という名前も。


あのモーセと名乗った人、偽名みたいだけどなんでモーセの名前を使ったんだろう?私たちと同じクリスチャンなのかな?

色々気になるけど私たちは近くの寿司屋へ向かった。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


回転寿司屋に到着した!寿司屋に行くのも久しぶりな気がする!

「なんでも頼んでいいんすか!?」

「ええどうぞ。でもお金が少ないから、10皿までね」

「よっしゃ!あざーす!」

「ワビッ!サビッ!」

ペドロさんは給湯口で手を洗おうとした。のでみんなで慌てて止めた。

「ストップ!ストップ!それお湯!ハウチ!」

「紛らわしい形してますねーもー」

「あっぶないなーもー……」


「あの、さっきのエホバの証人って、なんですか?」

「……最近、①統一教会の問題が、浮き彫りになってきてますね」

「とーいつきょおかい?なんそれ?」

「ニュース見てないのろいこ!?」

「見ねえよ。だってつまんねーし」

「ま、まあとにかく統一教会というカルト団体がいま日本の社会問題になっているのですよ」

「彼らはキリスト教を名乗っていますがとんでもない。悪どいカルト集団ですよ」

「で、さっきめりいちゃんとろいこちゃんが会った人、あの人もカルトです」

「どうしてカルトって分かったんですか?」

「クリスチャンなら神さまのことを〈エホバ〉とは呼びませんから。みだりに神の名を呼んではならない(出エジプト20:7。モーセの十戒のひとつ)と言われてますからね」

「へえ〜」


「めりいさんもろいこさんも、カルトには気をつけてくださいね」

「うい〜す」

ろいこはいつの間にか寿司を5皿平らげていた。

「いつの間に……」

「めりいの分も取ってあるよん。ウニ好きでしょ」

「いや嫌いなんだけど!?」

「好き嫌いは良くないぞー」

私は苦手なウニを食べる羽目になった。

めりいの気分がワンランクダウンした!


①統一教会問題⋯22年7月、安倍首相を暗殺した山上徹也容疑者から浮き彫りになった統一教会問題。日本を根底から揺るがす大問題です。

僕もクリスチャンですので一時期この問題に関してとても苦しめられました。でもハッキリ言わせてください。統一教会とキリスト教はなんの関わりもない。彼らはカルトだ。無垢な人々を騙し、金を巻き上げ、家族を破滅させた。こんな極悪非道な行いはキリストに裁かれるべきだ。

こういう事件が起こる前から統一教会の問題は、僕らの教会でも問題になっていましたが、キリスト教会にとってもとても大きな問題になりました。神さま、どうか御心が天でも地でも、なされますように(主の祈り引用)。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



次の日、駅のホームでろいこが来るのを待っていた。

「ろいこ、遅いなあ……」

ラインにメッセージを送ったけど、未読。朝の準備でバタバタしてるかな……

「はあ……」

独りだとやっぱり寂しい。たまにこういう時もあるけど、1人で通学するのは、寂しい。


「ん?」

電車が来るのを待っていると、隣にヤギのストラップを付けたカバンを持った子がいた。あのぶつかって来た子だ!

「ヤギの子!」

「あ?」

私は彼女に声を掛けてみた。

「私のこと覚えてる!?」

「は?誰だよアンタ?知らねーし……」

「ええ、昨日の日曜日ぶつかってきたじゃん」

「あ、ああ、その人か……」

「で?なんか用?」

「うーん、話し相手になってくれると、嬉しいなあって……」

「ハア!?」


ABCキャンプに行って、私は昔より社交的になれた。これも一重に神さまのおかげだ。

「なんなのアンタ。馴れ馴れしいんだよ」

「そんなこと言わないで、なんか話そ?」

「いやだよ。1人でいろよ」

「ヤギの話しよ?ヤギ好きなの?」

「はっ?なんでヤギ……」

「そのストラップ……」

「あっ」

ヤギの子はヤギのストラップを手で隠してしまった。


「見んじゃねえ!」

ヤギの子は大声を張り上げた。


「あっ、ごめんね……また、話そうね」

私は彼女から距離を取った。人と話すのは、やっぱまだ難しい……


さみしいのでABCキャンプのグループラインにメッセージしてみた。

「今朝はろいこがいなくてさみしい……ヒツジはさみしいと死んじゃうんだ……」

2分後、返信が来た。

「それ、ウサギじゃないの……?」

烈っちゃん先輩からだ!

「10月の爆裂賛美まで、きばんなさいよ!」

「お祈りしてるわ」

さみしい時、こういうクリスチャン仲間がいるのはとてもありがたいことだ。

「ありがとう烈っちゃん先輩!」

烈っちゃんからスタンプが送られてきた。デフォルトの、にっこりスタンプだ。


突然、後ろから頭を叩かれた。

「おまた〜?ヒツジちゃん」

「ろいこ!」

さみしい時間を過ごしたけど、ろいこが来てくれて良かった!


『二人または三人がその名によって集まるところには、私もその中にいるマタイの福音書18:20』


続く。


僕は生まれた頃から両親に教会へ連れられてきました。

強制されてきたわけじゃないです。教会を離れようと思えば離れられることもできました。しかし、僕は今や自分の意思で礼拝に参加しています(コロナ禍なのでYouTubeを介してですが)。

自分の意思で、誰彼に指図されて、支配されて教会に行くんじゃ苦しいものです。


あなたもぜひ、クリスマスは教会に来てください。教会のクリスマスは、正月まで続いてます!

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