㉞ペンテコステ編:いなくなったヒツジ
夏休み明け。9月になった。
久しぶりの学校は、なんだかブルーな気分で登校。
「学校嫌だなあ〜」
「それなあ〜」
ろいこは夏合宿明けで疲れていた。合宿先で宿題も終わらせてきたみたいで、学校に向かう途中ちょっと見せてもらった。
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校内でヨシアと出会う。
「よっ」
久しぶりに会ったヨシアは、心なしか一回り大きくなった。
「ヨシア、背伸びた?」
「バーカ、夏休みの間にそんな伸びるかよ」
「でもインターハイは優勝したぜ」
「ホント?」
「ああ。次はウィンターカップだ」
バスケの試合はよく分からないけど、優勝はとても嬉しい!
「お祝いにお昼の購買奢ってあげよう!」
「ほう。一番高いヤツ買って貰うか。ドラゴンパフェ丼」
「それはムリ!」
「なんでもじゃねえのかよ」
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放課後、ろいこと体育館に向かった。
「夏休み明けの授業、クソしんど〜」
「部活でスッキリすっか。めりいもやりなよ、バスケ」
「や、私は運動オンチだし・・・」
「今日なら混ぜてくれるかもよ」
「なんで?」
「みんなブルーだし」
「あー・・・・」
体育館では、既にバスケ部の練習が始まっていた。
「ろいこっ!」
バスケ部の女子顧問が声を張り上げる。
「は、はいっ!」
急いで顧問のところへ向かうろいこ。
「アンタはたるんどる!シャキッとしな!」
「すいません!」
「よし!すぐ着替えな!」
「はい!」
女子顧問の先生は厳しいミセスって感じの人だ。こりゃ私が混ぜてもらえることは無いな・・・
ところ変わって男子の方も熱かった。
「ヨシア!お前は連綿の柱になれっ!」
「ウスッ!」
ゴリ先輩がヨシアを鼓舞している。ゴリラとイケメンの激しいプレーだ。
「そんなんじゃNBA行けねえぞお!」
他のチームメイトをヨシアを激励している。
ヨシアは期待されてるんだなあ・・・・
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部活後、ろいこと一緒にはれるや教会へ向かうことにした。
「明日とかにしない?ダルいわ〜」
「行けるうちに行っとこうよ。明日明日って伸ばしたら行かなくなっちゃうかも」
「はあ〜〜」
ろいこは大きなため息をついた。
電車とバスを乗り継ぎ、教会へ。
「おお、久しぶり……ではないか」
呼木さんとは夏休みの間も教会で会っている。
「夏休み明けで疲れたので来ました」
「だり〜〜」
ろいこは疲労困憊の様子だ。
「ろいこちゃん、疲れてるね。まあ座って」
呼木さんは椅子を用意してくれた。
「あざっす」
「今日はね、お客さんが来たんだよ」
「お客さん、誰ですか?」
「ヨシアくんのご両親だよ」
「えっ!?呼木さんに会いに!?」
「そうだよ」
驚いた。ヨシアのお父さん、以前は呼木さんをあんなにも嫌っていたのに。
「ヨシアくんのお母さん、マリアさんが夏休みの間に教会へ来るようになってね。段々八百さん(ヨシアのお父さん)も一緒に来るようになったんだ」
「まあ、まだ八百さんはキリスト教を嫌ってるんだけどね」
「これも神さまの導きだね」
すごいなあ。神さまはキリスト教を嫌う人でも変えてくれるんだ。
「ほえ〜すごいすごい」
ろいこは夢の中へ入りかけている。白目になって面白い体勢で爆睡しそうだ。写真撮ってやろ。
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私は呼木さんと聖書の話や映画など、色んな話をした。
「夏休みの間にいろいろ映画を見たんですよ。キャンプで見た『沈黙』に感銘を受けて」
「映画かあ、私の頃は無音の映画だったね」
「Zzzz」
「音がないんですか?」
「その代わり、講談師が前に出て声を入れるんだ。ああいう方法は、今じゃもう見られないだろうね」
「へえ〜」
「わたしが印象に残っている映画は『十戒』だね。レンタル屋でも見かけたら見てみるといいよ」
「モーセの話ですか?」
「そうそう。昔の映画だけど、とっても豪華なんだ。モーセが海を割って渡る場面は本当に壮観だったね」
「Zzzz」
「へえ〜」
さっきからろいこのイビキがうるさい。ので母子室に運んで寝かせてやった。
「そういえば、めりいちゃん。洗礼を受けるんだったね」
「毎週日曜日に勉強してます」
「そうですか。素晴らしいことです」
「聖書で『①見失った羊のたとえ(ルカ15:1〜7)』というのがありますね。
イエスさまは羊飼いで、私たちは迷える子羊。めりいちゃんは99頭の羊より、いま喜ばれているんだ。
①見失った子羊のたとえ⋯ひとりの羊飼いが、迷子になった1頭の羊を探す例え話。羊飼いは99頭の羊を置いて残りの1頭を必死で探す。
そして見つけた1頭のために仲間を集めてパーティーをする。
羊飼い=イエスさま、99頭の羊=もう既にクリスチャンになっている人、いなくなった1頭の羊=新しくクリスチャンになった人。1人クリスチャンが生まれることは、天国にとっては99人に勝る喜びがある、とイエスさまは言われています。
イエスさまの例え話は漫画にもなっているので、ぜひ読んでみてください。いのちのことば社からいろんな本が出てますよ!
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眠ったろいこを起こして、私は呼木さんに一礼して家に帰った。
久しぶりに呼木さんと話せて、私は心地いい。
ろいこは帰りのバスの中でも爆睡していた。帰宅後、さっき撮った写真をろいこに送り付けてやった。ろいこからは「ショックー」のギャルスタンプが返ってきた。
続く。
クリスマスまであと1週間!
教会では12月に入ると「待降節」といってクリスマスの準備期間に入ります。
今年1年、色んなことがありましたね。
トンガの大噴火、ロシアのウクライナ侵攻、パキスタン大洪水、安倍首相の暗殺、統一教会問題、円安スパイラル、北朝鮮のミサイル・・・・
僕もこの1年はいろいろありました。こうして小説を書いているのは神さまの導きにほかなりません。
今年のクリスマスはぜひ教会へ!




