㉚ABCキャンプ編:キャンプファイヤー
夜にはキャンプファイヤーをやるらしい!
外ではグランドワーカーとヘビゴロウ先生がキャンプファイヤーの準備をしている。
「バスケやろうぜ!」
「サッカーやろうぜ!」
「卓球やりませんか?」
部活の勧誘みたいにみんなから遊びの誘いが来る。
さて、フリータイムはどれに行こう……?
絵本ちゃんにどこ行きたいか聞いてみよう。
「えっと、亀さんが卓球強いんだって……」
見るからに亀さんはやりそうだ。
既にヒーローちゃんと打ち合いを始めていた。
「なにっCドライブ!」
「卓球部に遠慮は要らんでしょう!」
もはや温泉卓球とかの分を越えている。2人は専用のラケットを持ってきてるようで、やる気が段違いだ。
「哈哈哈……
なにせ私は仲間内から※①王皓ならぬ“亀皓”と呼ばれてましたからね、私は」
「仲間内かよ」
「不要客気!ギアをひとつ上げていくぞっ!」
「オオっ!」
後ろに龍とか虎のオーラが見えそうな勝負を繰り広げるヒーローちゃんと亀さん。
チャペルの床はウールで出来ているけど、2人があまり激しく動くと剥げそうだ…
※①王皓⋯かつての世界最強卓球選手です。ふくよかな体からは想像もつかない速さで強豪たちを圧倒しました。「卓球のサモ・ハン」で覚えておいてください。
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「じゃあ、私たちは軽くやろうか……」
「うん……よろしく、お願いします」
ヒーローちゃんと亀さんは本気で打ち合ったので食堂のドリンクを飲みに行った。
私たちは特になにも考えず、ただ打ち合った。
お互い素人なのでラリーはあまり続かない。でも楽しかった。
「絵本ちゃんと会えて良かった」
「私も……ヒツジ先輩に会えてよかったよ」
「キャンプ終わってスマホが戻ってきたらLINE交換しようね」
「うん!」
年下の、かわいい友人ができた。
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夕食後、キャンプファイヤーの時間になった。
外ではキャンプの炎が燃え盛っていた。
「雨にならなくて良かったですね!祈りが叶えられて良かった!ハレルヤ!」
ヘビゴロウ先生はすでに準備し終えている。炎の灯りに照らされて、ヘビ柄のTシャツがきらびやかに反射する。
「♪燃えろよ燃えろよ〜 炎よ燃えろ〜 火の粉を巻き上げ 天まで焦がせ〜」
「天までは届かねっしょ〜」
「アハハ〜」
ろいことギャル先輩はすっかり仲良くなっている。
私と絵本ちゃんはろいこの隣に座ることにした。
「すっかりラブラブだねぇ」
「ラブラブって……そういうんじゃないよ」
「ろいここそ、ギャル先輩と仲良いじゃん」
「へへっ、いろいろコスメとかの情報教えてくれるんだ〜」
「2人にもあーしのメイクやってあげようか?」
「えっ、いいんですか?」
「キャンプ後にやったげよう〜」
「さて、みんな揃いましたかね。今日のP&G(Pray&Gospel)はキャンプファイヤーです。やっぱキャンプはこれがないと!」
ごうごうと燃える炎は、周りを焔色に染める。パチ、パチと爆ぜる音が心地よい。
「まずは賛美をしましょう」
※①にぎっていた
♪にぎっていた 全てをはなし 御前に進みゆく
愛していた 全てをはなし 主だけ愛す
主こそ 私の岩 嵐の日の 我が隠れ家
深い海のような その愛に立つ
宿泊訓練でも1度キャンプファイヤーをやった事あるけど、ABCキャンプのそれはひと味違う!キャンプファイヤーのてっぺんを見上げ、神さまに賛美を捧げるのはとても良い気持ちになる!
※①にぎっていた⋯https://youtu.be/Us8iI7UPFlQ
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『わたしが来たのは、地上に火を投ずるためである。その火が既に燃えていたらと、どんなに願っていることか。
しかし、わたしには受けねばならない洗礼がある。それが終わるまで、わたしはどんなに苦しむことだろう。
あなたがたは、わたしが地上に平和をもたらすために来たと思うのか。そうではない。言っておくが、むしろ分裂だ。
今から後、一つの家に五人いるならば、三人は二人と、二人は三人と対立して分かれるからである。
父は子と、子は父と、母は娘と、娘は母と、しゅうとめは嫁と、嫁はしゅうとめと、対立して分かれる
(ルカ12:49〜53)』
イエスさまはこのキャンプファイヤーの火より、はるかに大きな炎をこの世に投じられました。
火は悪いもの一切を灰になるまで焼き尽くすことができます。火が燃えたぎっている限りは何もかもが燃やされます。
ヘビゴロウ先生は丸めた紙をキャンプファイヤーの火に投げ入れた。紙は直ちにメラメラと焼え、たちまち見えなくなってしまった。
「人間の罪も、このようになるのです」
イエスさまが「既に燃えていたら〜」とおっしゃるのは、罪だらけのこの世界を嘆かれてのことです。
都会では性風俗、暴力、金、欺瞞とまさに
今日スキットで※①シャロームグループがやっていた「ソドムとゴモラ」よりもひどい惨状がそこにはあります。
個人間でも、近所トラブルや陰口、悪口が絶えません。皆さんの中で悪口を吐いたことのない人がいますか?
誰もが自分が罪を犯しているという自覚がないのです。
イエスさまが来られた当時も火は失せていました。ローマが各地を力でねじ伏せ、ユダヤの権力者たちは自分たちだけが儲けるようにし、民もひたらすらメシアの到来を待ち続ける「ディストピア(理想郷の反対)」が、そこにはありました。
火が消えているからこそ、イエスさまは十字架に架かるしか無かったのです。つまり、罪ある私たちがイエスさまを十字架につけたに等しい。
なら私たちはどうすればいいのか?
1日目と2日目に話した通り、神さまはイエスさまをこの世に送り、十字架につけ死なせ、3日後にキリストが蘇ることで罪の救いは完成されました。
私たちは他の誰でもない、イエスさまだけが救世主と信じればいいのです!
『ヨハネの福音書 3:16
神は、実に、そのひとり子をお与えになったほどに世を愛された。それは御子を信じる者が、一人として滅びることなく、永遠のいのちを持つためである』
という言葉をよく覚えておきましょう。一緒に読みましょう。サンハイ、
私たちはヨハネ3章16節を音読した。
この箇所は以前呼木さんにも「大事な箇所」と教えられた。
イエスさまの救いが、誰ひとりとして漏れることがないように。ノアが方舟に無垢な動物と家族を乗せたように、私たちもイエスさまの方舟に乗れるよう、イエスさまの愛を忘れちゃいけないんだよ。と
呼木さんは教えてくれた。
※①シャローム⋯ヘブライ語で「平和」。イスラエルで使われるこんにちはの挨拶ですね。シャローム・アヘイレムで「あなたに平和がありますように」という丁寧な挨拶になります。
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ヘビゴロウ先生は続けた。
「しかしイエスさまを信じていると、平和が来るんじゃありません。むしろ分裂が起こるというのです」
「どうしてー?イエスさまって平和が好きなんじゃないのー?」
「ろいこさん。いい質問ですね。そうなんです。イエスさまは平和が好きなんです。しかし、人間はどうでしょうか?」
「争い憎しみ合い、他人を蔑むことを止めようとはしない。SNSなんてやると、よく誹謗中傷が絶えませんね。人は歴史を繰り返して、失敗を重ねて、進歩してきましたが、根本的に罪を持つ生き物なのでどうやっても争いは止みません」
「善悪の知識の実を食べてしまったばかりに賢くなり、『神さまっていらないんじゃね?』『自分たちだけで成り上がろう!』『好きに生きていこう!』と愚かな生活を辞めようとはしません」
「だからこそ、神さまを信じようとする私たちとすれ違いが生ずるのです」
「一つの家に五人いるならば、三人は二人と、二人は三人と対立して分かれるからである。
父は子と、子は父と、母は娘と、娘は母と、しゅうとめは嫁と、嫁はしゅうとめと、対立して分かれる」とイエスさまが言われています。
わたしの過去については昨日話しましたね?イエスさまを信じようとしたからこそ、私は父と喧嘩した。
今回キャンプへ来るに当たって、両親と喧嘩した人もいるでしょう。
イエスさまを信じるということは闘いなのです。
私は、重い気分になった。てっきり、神さまを信じていればずっと幸せでいられると思っていた。
事実、キャンプ中はずっと楽しかった。神さまを信じるって、そんな大変なのか。じゃあなんで信じるんだろうか?分からなくなって来た。苦しむぐらいなら……
「信じることが家族の分裂に繋がるなら、闘うことになるのなら、イエスさまを信じることなんてやめてしまえばいいのに?」
そう思った人はいませんか?それはサタンの唆しです。
ヨブも神さまを信じ続けることでサタンに目をつけられ、この世で考えられうる限り最悪の苦しみを受けました。しかし、ヨブは神さまを恨みつらうことなく、一心に信じ続けました。
その結果、ヨブには以前失ったもの(家畜や家族)より多くのものが与えられました。
神さまを信じ続けることは、自分を生かすこと。
みなさんも、辛いことがあっても、バカにされても、家族と対立しようとも神さまを信じ続けましょう。それが、自分を生かすことになるのですから。
神さま、イエスさま、聖霊さま。※①三位一体の神さまを信じ続ければ、永遠の命が得られると聖書には記されています。
私たちは神さまを信じて、共に天国へ、神の国へ行きましょう。
私はハッとした。
そうだ、ヨブだ。ヨブのように生きるんだ。
ヨブは何があっても信仰を棄てなかった。何があってもだ。
わたしも、ヨブのように生きてみたい。たとえこの先苦しいことがあっても
※①三位一体⋯おさらいです。神さまというお方は「3つで1つ」のお方です。①全知全能の父なる神さま②神の子イエスさま③信じる人の心に与えられる聖霊さまの3つで1つです。ポケモンでいえばドードリオではなくダグトリオみたいなもの、と覚えておいてください。
この方以外には神はいません。
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ヘビゴロウ先生の話の後、キャンプファイヤーの火はグランドワーカーが持ってきた消火栓によって消し止められた。
「この世の火はどんなに激しく燃えても一瞬ですからねえ。誰彼が消してしまえば消えます」
「しかし、イエスさまが投じられた火は、いつまでも私たちクリスチャンの心に燃えています」
「燃えた火を、私たちは他の人に移していくのです」
私たちはキャンドルライトを手渡された。そして、キャンプファイヤーの僅かに残された火を、ヘビゴロウ先生はロウソクに移した。
「こうやって移していくんですよ」
ヘビゴロウ先生はまず私たちのキャンドルライトに火を移した。
「その火を、右隣へ移していってください」
私は手渡された火を、右隣の絵本ちゃんのキャンドルライトへ移す。私は火が怖いので、慎重に……
「ふえぇ……」
絵本ちゃんもおっかなびっくりな様子で、さらに右隣の人へ火を移す。
全員に渡し終えると、キャンドルライトのリングが出来上がった。
「綺麗……」
うっとりするほど、幻想的な夏の1ページ。良い思い出ができた。
「みなさん、キャンドルの火は消えますが、忘れないでください。心に灯された、キリストの火は消えないことを」
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風呂に入り、就寝の時間。
私は今日のことを振り返りながら寝ることにした。
「キリストの火、かあ……」
いろいろ考え事をしていると、絵本ちゃんが立ち上がる。
「トイレかな?」
暗くてよく見えなかったけど、手にはタオルを持っている。
「死にたい、死にたい……」
絵本ちゃんがそう呟くのを、私は聞いた。
絵本ちゃんはトイレに向かっていったので、私はこっそり後をつけることにした。
女子トイレに入ると、絵本ちゃんは個室ドアの鍵を閉めた。
「いまが楽しいうちに……死んでおこう……」
たしかに絵本ちゃんがそう言うのを私は聞いた。
大変だ。止めなければ!
「絵本ちゃん!」
続く。
本作を見たあなたが、どうか聖書を手を取り、教会を向かうことを、心より神さまに祈っています。
どうか教会へ、行ってみませんか?
牧師先生はみんな優しいので、気軽に行ってみてください!




