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③イケメン登場!?

めりいが老人に「もっと聖書のことを教えてください!」と頼んでから後日のはなし。


高校1年の5月。めりいとろいこの2人は将来のことなど考えず、公園でバスケットボールをしている少年たちを眺めながら、ただ漠然とボーっとしていた。


「───めりいはさ、将来の夢とかって、ある?」


ろいこが唐突に切り出してきた。そう、彼女たちは高校1年生である。帰宅部にしろ、公園で油を売らず塾なり自宅の机なり向かって勉強するのが普通なのだ。


「無いな〜。家から近い高校選んだだけで、将来なりたいものなんてないよ」


「てかこの話、高校の進路決める前にもしたよね?」


「いや、変わってるかと思ってさ」


「高校生になってから間もないのに心変わりなんてしないよ。今はゆったりとした高校生活に浸ってたいなあ」


「つか私以外に友達できた?めりいって不思議ちゃんだから他人と馴染めなさそうだよね」


「酷いな!まあ事実だから何も言い返せねえ・・・」


「じゃあ彼氏は?笑笑」


「友達よりワンランク上だわそんなん!早すぎ早すぎ!高校生活始まってすぐに出来るっかって……」


めりいはバスケットコートの方に、ひときわ大きな青年が来たのに気付いた。

私たちと同じ高校生だろうか?バスケをやるだけあって一際背丈が高い。そしてイケメンだ。

吉〇亮?山﨑〇人?彼のイケメンぶりをなんと喩えようか?とにかくイケメンだ。


「よしあ!ダンクシュートやれよ!」


「またか。飽きねーなお前らも」

バスケウェアに着替えたイケメンは小学生5人と1人で試合をするようだ。

小学生チームは控えに3人。イケメンが1回でもボールを奪われたら小学生チームの勝ちのようだ。


「時間はどうする?」

生意気な小学生が勝気な態度で聞いてきた。


「何分でもいいぜ。お前らが取れるまで付き合ったる」


「へー自信満々じゃん。小学生舐めんなよ?」

小学生は無限の可能性を秘めている。何より大人よりわんぱくに動ける無尽蔵のスタミナは何よりも驚異だ。


「舐めてねーよ。俺もどこまでやれるか、自分を試したい」

イケメンも小学生も闘志ギラギラだ。紅い炎が彼らを囲っているかのような幻が見えるかと思うほど、彼らはやる気に満ち満ちている。


いつの間にか食い入るように観戦しているめりいとろいこ。将来や学校の話など何処へやら。今はただ、試合の行方が2人の興味であった。


控えにいる小学生がブザーを鳴らすと、センターの生意気ボーイが突っ込んでいった。

「貰ったあ!!!!」

生意気ボーイの手のひらがボールに触れる。

が、流石はプロ─────。ボールがイケメンの手に吸い付くように引き寄せられ、ひらりと交わしていく。


コート右にいたふとっちょの少年とヤンキー面の少年はイケメンの壁になるように立ち塞がる。

が、その2人もイケメンにあっさりかわされる。


残るはのっぽのディフェンス2人だ。小学生にしては大柄で、いかにもプロにいそうな顔立ちであった。

イケメンとの身長差も、あまり無いぐらいだ。

これは防がれるだろう。


「悪いな。」


刹那、のっぽの2人が飛び上がるより早く、そして高く

跳躍した。

まるで『天使』が降臨して人間とバスケをしているかのような一瞬の出来事。


ダアァン!!!!


ゴールネットが揺れる。イケメンは華麗なるダンクシュートを宣言通り決めてみせた。


「すげ〜・・・・」

めりいとろいこは空いた口が塞がらなかった。

しばし、時間が止まったような気さえした。


「ッ・・・!すげえ!すげえすげえ!

すげぇけど、まだ1点!まだまだこれからだ!」


「お前ら戦略が無いんだよ。本気でボール取りたいならチームバランス考えろ」


「敵に塩を送るのかよ!?」


「もっと強くなってくれなきゃ練習になんねーんだよ。NBAばりに強くなれ、少年」


「やってやろーじゃねーかこのヤロー!」

小学生相手にも全力で立ち向かう、大人気のないイケメンだが、それがいい。手加減を知らない強者の姿に、めりいとろいこは釘付けになっていた。


とそこへ、老人がやってくる。めりいとろいこは試合の行くすえが気になったが、老人の方へ向かう。


「おやこんにちは。いい天気だね」


「こんにちはお爺さん。もっと聖書について教えてください」


「気が早いな!」


バスケに熱中している小学生と男子高生?、聖書の話をしている老人と女子高生───。

異色な組み合わせである。


ベンチに座る老人と女子高生2人。

「さてと、自己紹介がまだだった。

私は呼木(よぶき)。聖書の勉強をしていた者だ。

これから聖書のことを教えるのに、お互い自己紹介しなきゃね」

ろいこはまだ老人に不信感を持っていた。めりいが受け入れたから近くにいるが、もし老人が何か悪いことをしようものなら、速攻で交番に駆け込むぐらいの警戒心は持っていた。


「私はめりいと言います。そっちは親友のろいこです」

「警戒心無さすぎだろ!」「あっ」

思わず突っ込んでしまったろいこ


「ああそうだよね。ごめん。ホームレスは怪し過ぎるよね。ごめんね。教会(きょうかい)で子供たちと接するようにしてしまった」


「きょーかい?」

聞きなれぬ単語が出てきた。

この老人は未知の単語をたくさん知っている。


「教会っていうのは、キリスト教の神さまを信じている人達の集まりだ。

『二人または三人がその名によって集まるところには、私もその中にいる-マタイ18章20節』

と聖書に書かれているね。

十字(クロス)の立った建物を見たことは無いかい?あれが教会という建物さ」


「病院も教会なんですか?」

めりいが質問した。


「いや、病院の赤十字は違うかな・・・

けど、聖書の神さまはお医者さまなんだよ。僕たちの傷を癒すことのできる、唯一無二のお方だ」


「傷?アタシ傷ねーけど?」

ろいこが腕をまくり健康さをアピールしてきた。いざとなったら殴ってやるぞという警戒心剥き出しで。


「心の傷さ。君たちもあるだろう?」

呼木は帽子をさすり、公園のベンチから見える川を遠い目で眺めた。

彼は訳ありでホームレスになっているのだ。というのが察せられるほど、重い表情に変わる。


「地雷踏んじゃったかな・・・」

ろいこが申し訳なさそうにする。根はいい子だ。


「さっきからなんの話をしてるんだ?」


急にさっきのイケメンが割り込んできた。

イケメンは汗だくになりながらも、余裕そうだ。

後ろで小学生たちがみんなバタンキューとしていた。


「俺、ヨシアってんだ。

親父が神主やっててさ、宗教?とかの話に興味あんだ。俺も混ぜてくれよ」


続く。




バスケのルールあまり詳しくないけど書いてみました。

スラムダンクの映画楽しみですね!

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