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㉙ABCキャンプ編:恐怖!怪人獅子洞穴!

紀元前6世紀〜5世紀のころ、メディア・ペルシアの国をメディア人の※①ダリヨス王という人が治めていました。

「王国はいつも平和だなあ。これもすべて、お前のおかげだダニエル」


ダニエルは3人の大臣のひとりとして王さまの下で働いていました。彼には神さまの霊がついていました。

「王さま、ありがとうございます」

ダリヨス王を絵本ちゃん、ダニエルをろいこにキャスティングしたけど、2人とも問題なく演じてくれている。


「これからも、ペルシアのために尽くしてくれ。お前の信じる神さまに栄光があるように」


「ははーっ!これからも神さまの恵みがペルシアにありますように」

ろいこが真面目なキャラを演じていると笑いそうになる。ううん、本番中!しっかりしないと!


※①ダリヨス王⋯メディア人の王。実在した裏付けは聖書以外にない王さまです。

しかし聖書に間違いはありません。いつか証拠が発掘されるかもしれませんね。ペルシアは今のイランがあるところです。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


〜そのころ、他の2人の大臣は〜


「おのれいまいましいダニエルめ!どうしてくれようか!」

「奴ばかり王さまに気に入られてくやしい!」

「なにか落ち度を見つけておとしいれてくれよう!」

ダニエルを陥れようと、わるだくみをしていました。

カウンセラーのヒーローちゃんとヒビキさんが悪役を演じてくれた。

こころなしかヒーローちゃんがノリノリだ。悪役の方に適役だったとは・・・・

ナレーションは裏方にいる人がかわるがわる担当している。入れ替えが忙しくなっちゃうけど、ナレーションにバリエーションができて面白くなった。


しかし、ダニエルにはなんの落ち度も見つけられませんでした。彼には、全知全能のすばらしい神さまがついているからです。

「むううくやしい!ダニエルめ!」

「おのれおのれダニエル!こうなったら、ヤツの信じてる神さまというのを利用するまでだ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「ごきげんうるわしゅう、王さま。永遠に生きられますように」


「おう大臣」


「王さま、新しい法律を作りました。ご覧ください」


「ふむ、なになに?

『いまから30日間、王さま以外を祈願する者は、怪人獅子の洞穴(ほらあな)に投げ込まれる』か」

「いかがでしょう?この国に蔓延(はびこ)る、悪者を排除する法律です」

「いいじゃないか。制定しよう」

王さまは法律にハンコを押しました。

「素晴らしきかな。感謝します」



「アッハハハ!ダニエルめ!お前もこれで終わりだ!」



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ダニエルは日に3度、イスラエルの首都・エルサレムに向けて頭を下げて神さまを礼拝するのが日課でした。

ダニエルは窓を空け、エルサレムの方へ(こうべ)を垂れました。


ダニエルはむかし、イスラエルの国から連れてこられた奴隷でした。ダニエルは自分の生まれ故郷を忘れず、自分の信じる神さまを忘れることはありませんでした。


「天の父なる神さま、この素晴らしい朝を迎えられること、感謝します。どうかまたイスラエルに帰ることができますように」


「おいダニエル!」

突然ダニエルの家へ、大臣たちがやってきました。

「いま、誰に祈願したんだ!?」

「天の父なる神さまにだよ」

「なんということを!お前、法律を知らないのか!」

「法律?」


大臣は法律が書かれた紙を見ました。

『いまから30日間、王さま以外を祈願する者は、怪人獅子の洞穴(ほらあな)に投げ込まれる』

「なんだこれは!?こんな法律が許されるはずがない!」

「いいや、王さまにハンコを押してもらったぞ!見ろ!」

紙の右下には、確かに王さまのハンコがありました。


「シンプルに「王」って……」

「よくあんなハンコあったわね」

「しっ!これから出番だよ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「落ちろ!ダニエル!」

大臣はダニエルを怪人獅子のいる洞穴に蹴落としました。

プロジェクターに洞穴のイメージ映像が流れる。

「あのイメージ映像もヒーローちゃんの自前らしいぜ……」

「特撮オタクここに極まれりね」


ドシンッ!

「いたた……」

チャペルのカーテンが閉められ、照明が半分落とされる。

ダニエルはあたりを見渡すと、あたりは真っ暗でした。

いいえ!暗闇に光が灯りました。その光の正体は、世にも恐ろしい怪人獅子でした。

怪人獅子はダニエルを取り囲みました。

「グルルルル……ッ!!」


チャペル中に歓喜の声が起こる。

「こんな衣装よくあったわね……」

「ヒーローちゃん、コスプレイヤーとして特撮オタク界隈ではまあまあ知られてるらしいぜ。本人がそう言ってた」

「しっ!怪人獅子が喋ってちゃダメだろ!」


「ウ゛オ゛ウ゛ッッッ!!!!」

勇次郎は雄叫びをあげた。あのポーズは、ライオンの構えだろうか?背後から見ても迫力を感じた。


ダニエルは、洞穴の入口に向かって祈りました。

「神さま、どうか助けてください。」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


そのころ、大臣たちが王のもとに押しかけて来て、王に言いました。

「王よ。王が制定したいかなる禁令や法令も、決して変更されることはないということが、メディアとペルシアの国法律であることをご承知ください」


王さまは顔が真っ青になりました。まさか自分が決定した法律が、信頼しているダニエルを死なせることになるんだなんて。


「おまえがいつも仕えている神が、おまえをお救いになるように」

王さまは食事もせず、部屋に閉じこもり、一日中ダニエルのために祈っていた。王さまといえど、ひとりの人間。一度した過ちを、取り消すことはできない。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


明け方になると、王さまはいの一番に従者の猿先輩と一緒に怪人獅子洞穴に向かった。


「ダニエール!!生きてるかー!!」

王さまは洞穴に向かって叫びました。

絵本ちゃんの演技は完全にダリヨス王になりきってきた。感情がこもっていて、(めりい)は身が震えた。


よし……私の出番だ!


〜時はさかのぼり、ダニエルが洞穴に落とされたころ〜


「グアアアアアッッ!!!」

怪人獅子たちは一斉にダニエルに襲いかかった。だが、謎の白い仮面男にはばまれる。

「グオオッ!!!???」


「私は天使マン。さあ、お前の罪を数えろ!!」

ヒビキさんがヒーローちゃんの肩を肩を叩いた。

「仮面ライダーのネタ入れてんじゃねえよ……」

「いいの!脚本のめりいちゃんにも許可貰ってるし!本当はバイクをチャペルに持ってきたかったなあ」

「ええ……」


天使マンは怪人獅子の爪を受け流し、噛みついてきた怪人には掌底をお見舞いする。

「グワアッグワアッ」

「よし、行くぞ必殺技!!」

「はあああああああああああああっ!!」

天使マンは拳に込めた力を一気に放つ……!


「アガペー・ホーリーフラッシュ!!!」

怪人たちは天使マンの光に圧倒され、倒れてしまった。


「あのポーズはクウガじゃないか……」

「私の好きな仮面ライダーだからね!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ダリヨス王は悲痛な金切り声でダニエルを呼ばわりました。

「ダニエルーーーー!!!頼む!!返事してくれ!!生きててくれえ!!!」


ダニエル書6:20

その穴に近づくと、王はダニエルに悲痛な声で呼びかけ、こうダニエルに言った。「生ける神のしもべダニエルよ。おまえがいつも仕えている神は、おまえを獅子から救うことができたか」


ダニエルは、天使マンに肩を借りられ、洞穴から出てきました。

盛り上がるBGMが流れる。


「おお……!!生きていたのか!ダニエル!」


「わたしの神が御使いを送り、獅子の口をふさいでくださったので、獅子は私に何の危害も加えませんでした。それは、神の前に私が潔白であることが認められたからです。王よ、あなたに対しても、わたしは何も悪いことはしていません」

天使マンは静かにガッツポーズをした。

「これはウルトラマンっぽいな……」

「シュワッチ!とかボイス入れたかったねえ」


大臣たちも洞穴に遅れてやって来ました。

「な、なぜ生きているダニエル……!」

「私の神さまが御使いを送って守って下さったのだ」

「ク、クソぉ!!ダニエルめ!!」


「なんということをしてくれたのだ!!お前たち!!」

王さまはワナワナと手を震わし、大臣たちを叱った。

「お、王さま。お許しを!ダニエルは悪者です!すべては王のために!」

「お前たちにも神がついているというのなら、怪人獅子洞穴に入れられても死なないだろう!」

「ぎゃあっ!それだけは勘弁を!」

「許しは請わぬ!」

猿先輩は大臣たちを洞穴へ投げ込んだ。怪人獅子たちは、フラッシュを食らって目眩を起こしていたが、しばらくして目を覚ましていた。そして、大臣たちを骨まで残らず食べてしまった。

「アマゾォン……」


「みんなも神さまを信じていけば、絶望的な場所から救われるんだぜ!!」

背景のプロジェクターで爆発エフェクトが掛かる。

ライブで使われるスモークが噴き出す。

まさしく特撮の様式美を守った、フィナーレだ!!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


チャペルに、スタンディングオベーションが巻き起こった!!

やりきった、やりきった!私は満足感で感極まって泣きそうになった。主演をやるなんて初めての経験だったから、余計に、、、


「面白かったぞー!」「迫真の演技力だったよー!」

パチパチパチパチパチパチパチパチ……


「みんなお疲れー!」

ヒーローちゃんは私たちをひとりひとりハグしてくれた。苦しかったけど、とても嬉しかった。


「素晴らしいスキットありがとうございました!!

さて続いては────」


他のグループのスキットを見た。

「中風の人を救うイエスさま(マルコ2章)」

「ソドムとゴモラ。バルス!(創世記19章)」

「シナイ山から降りてきたモーセ(出エジプト記20章、申命記5章)」

の3つだ。どのグループも、私たちのやったスキットと違い、それぞれの色があって面白かった!

「こりゃ大賞は誰になるか分からねえぞお……」

「大丈夫、神さま!どうか最優秀を!」

チャペルに集まったみんなは必死に神さまに祈っていた。神さまは審査員を通じて、どういう結果を下されるのだろうか……!?


「さて発表します!最優秀賞は……」


「ちいろば&めりいグループの『恐怖!怪人獅子洞穴!』」


「やったあああああ!!!!」

「ちくそおおおおお!!!!」

私たちの歓声と他グループの悔しい叫びが重なる。


「一応トロフィーを作りましたが、どうぞ」

ヘビゴロウ先生が折り紙で作った、ABCトニー賞(演劇賞)のトロフィーを、私は受け取った。


「『わたしは悪人が死ぬのを喜ばない。むしろ、悪人がその道から立ち帰って生きることを喜ぶ(エゼキエル33:11)』と聖書にはありますが、ヒーローが怪人にトドメを刺さなくて良かったですね!

テーマをしっかり守っているのが立派です!」


「審査員からコメントを!」

「素晴らしかった……いいセンスだ」大佐は腕組みをしてクールに呟く。

「ブラボー!ブラボー!」

ペドロさんはブラボーbotと化している。

「良かったですねー。特にダリヨス王の演技が神がかってました。聖霊さまの導きですね」

「ヨッシーさんの話は長くなりそうなので割愛させて頂きます」

「ちょっとちょっと!」

あさりちゃんはカメラマンとしてスキットの一部始終を撮影していた。

「あとでYouTubeにアップロードするね〜」

「ええっーーーー!?」

聞いてないよ!!恥ずかしー!!

「大丈夫、限定公開だから」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


果たして、最優秀賞のご褒美は亀さんが作ったケーキだった。

「おいしーーー!!」

「みんな面白かったよーー!!らんりちゃんの演技が良かったね!勇次郎くんもライオンになりきってたよ!」

「押忍!」

「アタシは!?アタシは!?」

「ろいこちゃんもクールな演技だったよ!」

「うしっ!あざっす!」


「良かったね絵本ちゃん!」

「うん……ありがとう!ヒツジ先輩!!」

絵本ちゃんが褒められて、私はとても誇らしい気持ちになった。

「はっはー!らんりちゃん!友達ができて良かったね!」

「う、うん。ありがとう」

「あれ、猿先輩と絵本ちゃんって知り合い?」

「同じ教会の仲間だよー。今まであまり関わりなかったけどねー」

「そうなんですか」

「あんならんりちゃんは初めて見たよ〜。教会のみんなが見たら喜ぶよー!」

「あ、ありがとうございまひゅ!」

絵本ちゃんはお礼を言うのに慣れてないのか舌を噛んだ。

「ああーっ噛んじゃったー!」


この劇はみんなの演技力があったからこそ、上手くいった。衣装や演出などのバックアップしてくれたヒーローちゃん、そして、勝たせてくれた神さまに感謝だ!!


もう一度絵本ちゃんに声を掛けようとした。しかし、絵本ちゃんの顔はどこか辛そうだった。


続く。

仮面ライダーの曲を聴きながら執筆しました!

自分の好きな仮面ライダーは響鬼とカブトです!


皆さんの好きな仮面ライダーはなんですか!

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