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㉑ABCキャンプ編:はじまりの賛美を!

ヘビ柄Tシャツのおじさんが講師の先生だったなんて・・・・


なにが起こるか3泊4日───!?

C駅に着いた。

電車の中で(めりい)とろいこは賢龍先生とお互いの話をした。

「ABCキャンプにはどうして来るようになったのかな?」

「うちの牧師先生に誘われてきました」

「へえ、なんて名前の?」

「はれるや牧師っす」

「あと呼木さんっていう人に」

「なに!?呼木さんだって!?」

「えっ」

呼木さんは元牧師だったからか牧師同士の知り合いが多いみたいだ。でもこの驚き方は知り合い以上の関係じゃないだろうか。

「間違いじゃなければ、呼木さんって人は帽子を掛けてて、眼鏡をしている・・・」

「そうですそうです」

「やっぱり!私は呼木先生と『日本中、世界中にクリスチャンの種を撒こう』と誓い合った中なんだ。

呼木さんの方が先輩だけどね」

「へえ〜はれるや牧師といい、呼木さんって知り合い多いんだな」

ろいこはうんうんと頷いた。

「それで、いま先生はどうされてるのかな?」

「はれるや牧師の元でお世話になってます」

「そうか・・・やはりあんなことがあったから」

「!! 呼木さんになにがあったんですか!」

まもなく、C駅、C駅に到着します。

「おっと、もう着くみたいだよ」

間の悪いところで電車は駅に到着した。


電車から降りるとき、賢龍先生が一言。

「さっきの質問だけどね、呼木牧師は火事に遭ったんだ」

「えっ」

私とろいこは固まった。

「詳しい話は知らないけどね。奥さんを亡くしたと聞いたよ」

「火災の後に彼のところへ尋ねたけど、もう行方をくらましたらしくてね、でもまさかキミ達の教会にいたなんて……良かった……本当に」

賢龍先生は涙を流していた。いなくなったと思った仲間が生きていたという喜びは私たちには計り知れない。

「あっこの話は先生には秘密にしてくれるかな。また予定が開いたら先生に会いにゆくよ」

「牧師はなにかと忙しいんだ・・・」

照れくさそうに笑って、手で首を抑える。

「あ、あと僕のことはヘビゴロウと呼んでくれよ」

「えっ、なんでさ」

「それはまた後で!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


私たちは3人で駅からキャンプ場へ向かった。

スマホでマップを見るとキャンプ場は山の中にあるみたいだ。

「うへー坂を登るのかよ」

「まあまあ、筋トレと思えばいいじゃないか」

賢龍先生……もといヘビゴロウ先生はいいガタイをしている。

「なにかスポーツとかやられてるんですか?」

「学生時代に登山部でね。ヘビの調査をしたかったから登山部に入ってヘビを探しに行ったよ。生物部とかヘビ部なんてあればそっちに行ってたけどね」

「ははあ。ヘビ好きだからヘビゴロウって呼んでねってことか」

「いけね!キャンプの自己紹介で言うつもりだったから、内密に……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


長い坂を超えると、そこにキャンプ場があった。

二階建ての、白い建物だ。

「じゃあ、入口で受付があるみたいだから済ませようか」

扉を開けると、ウッドの良い香りが漂う。やっとキャンプ場に来たんだなあという雰囲気だ。

「あーようこそABCキャンプ場へ!」

細川茂樹そっくりの人が声を掛けてくれた。

「やあやあ、よろしくね」

おかっぱ頭の青年も声を掛けてきた。

「どもども〜」

ろいこは初対面の相手でも気軽に話せる。すごいなあ。

私たちは受付を済まると、細川茂樹とおかっぱの2人に

隣のチャペルルームへ案内された。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


チャペルルームは広い部屋だ。床はウールになっていて、なにより目を引いたのはバンドで使うような楽器が揃っていたことだ。

「驚いたかい?まだまだ仕掛けがあるんだけどね」

そう言うとおかっぱはバンドメンバー4人を呼び寄せた。

「セッションするか」

「何回目だよおカッパ!人が来る度に誘いやがって!」

「しー!しー!それを言うなレッツ!」

「見てみたい!!!」

ろいこはすぐさま食いついた。

「えっと、あなたは……」

「ろいこでーす!」

「まあ、ろいこさんのためにもう一度やってやるか」

「おお!」

5人のバンドメンバーはそれぞれ位置についた。


「いやー動画では見ていたけど、生で歌うとこ見てみたくてね〜」

うちの教会にも楽器はある。青年が楽器を演奏するのだが、ヨセフさんがボーカル、ペドロさんがドラム、エリちゃんがキーボード担当で1ヶ月に1度曲を披露してくれる。教会の讃美歌はコーラスだけではない。多種多様な楽器を奏で、それぞれ自分の※1賜物(たまもの)を活かして神さまを賛美するのが教会のあるべき姿だとはれるや先生は言っていた。

「せーーの」 チャンチャンチャンチャン

ドラムの人が音頭を取る。


(セレブレイト・ジーザス※2)

♪唄おう 声を合わせて

イエスを祝うために 勝利に胸おどらせ

イエスの誉れを見よ


イエスは よみがえられた

かがやく その姿 喜び 賛美しよう

とこしえまで ともにおられる主イエスを


※1賜物⋯神さまからボクらに与えられた特技。皆さんはどんな特技を持ってますか?コメ欄で教えてくだされば幸いです!

※2セレブレイト・ジーザス⋯作中で歌われる曲はすべて実際に教会で歌われています!ぜんぶいい曲なのでぜひ調べてください!!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


生の演奏は凄かった……!終わったとき私は拍手をせずにはいられなかった。

「どうだったかな?」

「すごい!すごかったです!」

「ハッハハ。オレのギターさばきが凄かったからかな」

「みんなすごかったね!」

「ガックシ!」

おカッパはずっこけた。


「みんな集まったみたいだね!!!!」

突然誰かがマイクを手に取った。ヘビゴロウ先生だ!

「ゴスペルバンドの皆さん、セッションありがとう」

「私はここのキャンプ場来るの初めてですが、モーレツに感動しております!!」

「なんだあの人……」「ヘビ柄のTシャツ?」

「私は講師の賢龍と言います!ヘビゴロウ先生と呼んでください!」

「次にバンドメンバーの皆さん!簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか!!」

「あっ、はい」

「ボーカルの石鹸体(さぼんてい)(れつ)です。よろしくお願いします」

「リードギター担当の黒木ミツチだ!おカッパなんて呼ぶなよ!」

「ベースの大佐です。カウンセラー(グループのリーダー)です」

「はっは〜ハレルヤ〜!湊義也です!みんなから猿って呼ばれてまぁす!」

「ヨシヤ先輩!ポジション!」

「あっ、僕はドラムだよ〜。よろしくね〜」

「キーボード担当のアンジェラです。女子のカウンセラー担当なので、みんなよろしくね〜」


「続いて、グランドワーカーの皆さん!自己紹介を!」

「VonPagarrrrr(ポベガー)!!!

ペドロ・エンリケ・ホーダムントですっ!

みんな、サッカーやろうぜ!!!」

サッカーボールを持ち出して自由自在にボールを操るパフォーマンスを始めたペドロさん。チャペルではみんな大ウケしていた。

「ちょっ、ペドロさん!あっ、わたしはあさりちゃんです。よろしくね〜」

「やべえ、なんて言おう・・・

僕はヨッシー。マリオを乗せてます!でっていう!!」

チャペルはちょっと微妙な空気になった。

「えっ!?これ俺が悪いんすか!?」

「芸人みたいにスベったね」「ナイススライディング」

「やかましいわ!」


「続いて、キッチンワーカーの謝亀(シェグイ)さん!」

「謝亀です!中華料理でみんなの3泊4日を楽しませます!!!気軽に亀さんと呼んでね!」

中国の人だろうか。謝亀さんはおおらかな風体をしている。


「そしてこの3泊4日を見守ってくださる神さまに、みんな拍手を!!!!!」

みんなの拍手でチャペルは賑やかになった。

これから始まる3泊4日のキャンプ、どうなる事だろうか。ワクワクしてきた・・・!


続く。

ABCキャンプ場のモデルとなった浜名湖バイブルキャンプ場の他に、日本には松原湖キャンプ場などさまざまなバイブルキャンプ場があります。


最高に盛り上がるのでぜひ行ってみてください!!!

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