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②電気羊とアンドロイド

「聖書・・・・?」


聞いた事ない単語だった。ホームレスの不審者感は更に強まったような気がする。


しかし好奇心旺盛なめりいは会話を続ける。


「聖書ってなんですか?」

舌打ちするろいこ。無警戒すぎるだろこのヒツジ。


「うーん、一言で説明するのが難しいね」


「敢えて言うなら『愛の書物』かな」


「愛!?」めりいとろいこはハモった。

2人は高校1年生。愛というものはドラマでしか知らないだろう。


「聖書はね、神さまがこの世界を作られてから世界の終わりまで、一部始終が描かれているんだよ」


「歴史だけじゃない。神さまからの愛のメッセージ、人生の教訓、たとえ話etc……聖書にはなんでも書かれているんだよ」


「明日の運勢とかも?」

ろいこが口を挟んだ。いつしかろいこも警戒心も消えて聖書に興味を持っていた。


「占いはないけど明日からの生き方については何箇所か書かれてるね」

「ふーん」


「なら、人はなんで生きてるのかも、聖書には書かれているんですか?」


めりいが口を開いた。


「まだ気にしてたんだそれ……」

「だって、気になるじゃない。誰も答えてくれないし」

「うっ」バツが悪そうな顔をするろいこ


「あるよ。」

HEROのマスターのように切り出してきた老人。

「えっ」

「聖書にはこう書かれてるんだ。

『わたしの名で呼ばれるすべての者は、わたしの栄光のために、わたしがこれを創造し、これを形造り、これを造ったイザヤ43:7』


「神さまはこの世界だけじゃなく、僕たちも一人ひとり作られたお方なんだ。神さまのために人がいるんだ。人が生きていくのは神さまの素晴らしさをこの世の中に広めるためなんだよ。僕も、キミもね」


「僕やキミらがこうして生きているのは神さまの存在証明なんだよ」


「ふーん?」怪訝そうな顔で老人を睨むろいこ。

解答を受け取っためりいはというと、彼女もなにか納得がいかない顔をしている。


その様子を見た老人は帽子をさすり

「まぁ、聖書の言葉をすぐ理解するのは難しいよね。僕もまだまだ分からないことだらけだよ」

いつの間にか老人と聖書の話をしている女子高生2人。


「せいしょ?の話はよく分からないけど、お爺さんが魔法使いじゃないのは分かった!」

ろいこが自信ありげに答える。初対面の人に失礼である。

「ま、魔法使いかい?」

老人は照れ臭そうな、はたまた複雑そうな顔をして帽子を擦る。


めりいは考えている。「神のために人がいて、人は神のために生きている?ならば何故人は神を認識しないで好き勝手に生きているんだろうか」疑問が疑問を呼び

ロダンの考える人の如く固まり思考する。


「キミは考えるのが好きなんだね。まるで哲人みたいだ」

「ギャハハハ鉄人!鉄人だってさ!鉄人28号!」

「違わい哲学の人と書いて“哲人”じゃい!」

「そんな古い作品よく知ってるね」


暫く考えためりいは、1つの行動に行き着く。

「あの、お爺さん。やっぱりさっきの答えじゃ納得できないです」


「私たちに、聖書のことについて詳しく教えてくれませんか!?」


「アタシも!?」


続く。


1話に出てきた愛川公園はモデルがあります。舞台は僕の地元、磐田市がモデルです。

ゆるキャンでちょくちょく観光地とか出てきましたね。

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