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ある始まり ギルドマスターからのお願い

 それはある早い朝のことだった。

 珍しく早めに目が覚めたのでちょっと軽めの朝風呂をしていこうと思った。

 昨日はちょっとゆっくり入れなかったしな、貸切にして快適な朝風呂を楽しむことにしよう。


「朝の日差しが一望できるって素晴らしいな〜」


「全くだね」


 じゃぶじゃぶとあったかいお湯を顔にかけて寝ぼけ眼を覚ました。

 そうだよね。なんかこうすっきりとした目覚めが出来……。


 ん?なんか今誰か隣にいなかったか?


「やあ」


「うわあああっ!!なんでクラウスさんがここにぃ!!」


 お湯を浴びた時なんか非じゃないほどの眠気覚ましを体験した。

 え。なんでだ。入り口にちゃんと鍵してきたよな?

 お風呂だって誰も居なかったし。え?

 まさかお湯に浸かってたわけじゃないよな……?


「ボンヌレクチューヌ。あははびっくりした?」


「ここまで悪戯心が過ぎると笑えないですよ……プライバシーってものはないんですか」


「ギルドで冒険者登録を行なった時点でそれは無いな〜。てめえら冒険者は常にあたしら王都ギルドに排泄から摂取に結婚睡眠とりわけ墓場まで監視されてると思え〜」


「怖すぎるでしょそれ!!」


 そんなことできっこないはずだが、この人なら余裕でやりかねない。

 というか仕事は?


「まだ開いてねーよん。することもないんで遊びに来ました。いーい」


「は、はぁ……」


「おいおい。それが王都イチのナイスバディを誇るあたしのマッパを拝んだ人間の感想かよほれほれ」


「うわあああっ!立たないで立たないで!隠してください!」


 元々浸かってる時でさえあんなに大きくてお湯に浮いていたのに、立たれたらさらに大きな巨峰が目立ってしまう。


「ほれ。見ろよ見ろよほれ嬉しいだろぉ?」


「う、嬉しくはないです!あ、あの一人でお風呂入りたいのですみませんがどこかにでも……」


「あぁん?!なんだって!?あたしを裸で外に放り出そうってかぁ!?お前はそんなどーしようもねークズだったのか!?」


「なんで僕怒られてんのー!?」


 勝手に裸になって勝手に居座られるなんてとんでもないやり口だ。

 きょうび詐欺でもそんな発想は出てこないぞ。


「あ、そうだ!いやー忘れてたよにゃははは。あたしあんたらに頼みたいことがあって来たんだったわ。いやーきみの面白フェイス見てたらつい驚かせたくなっちゃって忘れてたわー」


「は、はあ……」


 どうせこの人のことだ。ロクでもない依頼なんだろう。


「しつれーだなおい。これでも仕事だけは真面目にやってるつもりなんだぜ?ねーねー聞いてくれるよね?あたしからのお・ね・が・い」


「な、ななんですか、やぶからぼうに」


 すごい迫ってくる。乳の圧力がやばいっ。

 必死で首を90°まで捻じ曲げて直視を避ける。

 首が痛い。


「その前にひとっぷろ浴びてクラァ。とりあえずお前もついてこいよ。あくしろよ」


「えっちょうわあああっ!」


 クラウスさんにされるがままに首根っこ掴まれてお湯の中に沈められてしまった。



「え?ヤリの森の調査?」


「うん。そー。できるでそ?きみたち推定Eランク冒険者でも安全に過ごせる森なのよ」


「そ、そりゃあそうですけど……」


 お風呂に上がって全員が目を覚ました後、僕たちはリビングでクラウスさんの依頼内容を聞いた。


 ヤリの森とはここから少し行った先にあるなんてことはないふつーの森だった。

 一番最初にターシャさんと一緒にいった薬草の森なんかよりずっと安全で無害な場所だ。

 しかしわざわざ僕たちにギルドマスターが依頼しにくるようなことなのか?


「ねえ?いいでそーあたしたち今立て込んでてさぁ〜」


「調査って具体的には何を……」


「いい質問だねターシャたん。何か怪しいものはないかとかそーゆーのを見つけて欲しいの」


「見つけたら?」


「ギルドに報告、連絡、相談って感じでパパパッとやって終わり!て感じで……」


「そ、そんなんでいいんですか?」


「いいからつべこべ言わずにやるんだよぉ!ここであたしに殺されるかとっととクエスト行くか二つに一つだ選べオラ!」


「それ選択肢ないじゃないですか!脅し!?」


 半ば強引なギルドマスターの押しによって僕たちは渋々馬車を森まで走らせた。

 何を企んでいるのか分からないが、とりあえず細心の注意を払わねばならない。

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