【挿絵あり】お風呂タイム①
今回挿絵があります。
苦手な方は注意してください。
「カレー美味しかったぁ」
みんなで食べたからというのもあるが、やはりカレーは美味しいものだ。
一説によるとこれを初めに食べた人間が「カレー!」とつぶやいたからそう言う名前になったんだとか言われてる。
ネーミングの真偽はともかく味は確かだ。
しかもとっても簡単にできる。誰でもできるとは言わないけど、それでも手軽に美味しくできるという点は高く評価すべきだと思う。
一日の溜まり溜まった汗の塊を落とすべく、ようやく2階に作った大浴場へと入っていく。
脱衣所まで自作したのだ。我ながら良いセンスだ。特にこの床の大理石のパターンなんかお気に入りポイントだ。
「ふうぅ〜」
生まれたままの姿になり、広々とした風呂場を意味もなくあちこち歩いてみる。
周囲には高温のお湯による白い湯気が立ち込めており、ワクワク感を高めてくれた。
そっと湯に手を触れると結構熱々になっていた。
これならよく疲れが取れそうだ。
「では身体を流して失礼しますよ……っと」
かけ流したお湯が全身に染み渡る。
熱いお湯に触れたことで、首から下がちょっとピンク色に変わる。
ゆっくりと足から順に熱湯に浸かり込み、湯船の中に座って肩の力を抜いた。
「あああ〜極楽ぅ〜!」
いや、本当この大浴場よく出来てる。
自画自賛も今回だけはたくさん行おう。すごいぞ過去の自分。
あったかいお湯が心までポカポカにしてくれる。
背伸びした箇所がじんわりと熱くなってとても気持ちがいい。
思わず「あああ〜」と声が漏れてしまう。
僕の理想のお風呂、高級な宿屋とかにあるすごいお風呂に憧れて作ってみたんだけど、ほんとお湯だけじゃなくてこういう壁とか風景も素晴らしい。
なんかライオンの頭石像を作ってそこから水とかお湯がでるようにしてみたんだけど、結構ハマってる。
オレンジや黄色のタイルがお湯に映り込んで色が変化しているのがとても綺麗だ。
部屋全体に光魔法の応用を張り巡らせているが、魔力の供給は全て太陽光のエネルギー変換で行っている。
まあ四六時中使うわけじゃないし、暗くて見えなくなりやすい夜だけ使ってるのでそんなに太陽光は必要じゃない。
曇りの日とかいざと言う時は僕自身が魔力供給すればいつでも使えるし。
お湯を温めるのもまあその原理の一つだ。
しかし緩かったり冷めてたらどうしようかと思っていたぞ。
ちゃんと機能しているようで安心した。
これで本当に宿屋いらずの旅ができる。
「あ!ロシュア様ずるい!私も入りますよ!」
「えっ?えっえっターシャさん!?うわっな、何かで隠してください!丸裸じゃないですか!」
突然お風呂場のドアが開かれ、ターシャさんの一糸纏わぬ姿が出現した。思わず目を覆ってしまう。
何度か裸もどきを目にする場面はあったが、ここまで堂々とした全裸なんて拝んだのは初めてだった。
緊張で身体と心がガタガタしてる。
早くものぼせてきちゃったよ。
しかしそんな僕の心なんてつゆ知らず、彼女はむしろ距離を詰めて隣まで入ってきてしまった。
「熱い〜!!良いお湯ですねロシュア様」
「そそ、そうだね」
不幸中の幸いか、湯気で大事なところはうまく隠せているので直視して僕が刺激に耐えられず死ぬということはなさそうだ。
湯煙さんグッジョブ。
しかし彼女の柔らかい肩や腕がぴたりとくっついてきてるので、内心穏やかなものではなかった。
嗚呼……流したはずの汗がまた噴き出してきちゃった。
「あら?もしかしてロシュア様、のぼせちゃったんですか?」
「う、うん多分……」
「しょーがないですねぇ。ほら私がお体流してあげますからっ」
「わっ、ちょいきなり立たないでっ!」
みてないみてない!
お胸もお尻も、ターシャさんの体なんて何一つみてませーん!!
僕が彼女に無理やり連れられていると、再び風呂場のドアが開き始めた。
「おっ。なんだまた先客か。次そこは私が一番風呂をいただくぞ」
「り、リーネさん!!」
彼女も当然のように素っ裸だった。
《妾も入るぞー》
「……ここ何?」
《大浴場じゃよジャーク。体に溜まる垢とかを落として清潔になる場所じゃ》
「清潔?ボクはいつも清潔だよ。魔法でもできるし」
《まあ人間はそれ以外にも風呂に入る意義を見出しておるというわけじゃ。ほれお主も服を脱げ》
「変わってるね人間って」
まさかのいつメンオール勢揃いだった。
ここに新加入メンバーのシロニアちゃんがいれば本当の意味での全員集結だ。
「お呼びですかマスター!!」
彼女はまたまた大浴場の窓から突き破って入ってきた。
「シロニアちゃん!!ま、また窓から……!」
これで完全に全員揃ってしまった。
しかも男性は僕1人。残りのメンバー5人全て女性。
ど、どうしよう……こんなの刺激が強すぎるよ……!