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パーティー名を決めましょう!

 どうしようか。帰りは転移魔法で帰ってみるか。


「うーん……でもちょっと規模が大きすぎますよね?ロシュア様が大変そう……」


「馬車ごと転移なんてそれは家一軒丸ごと動かせることになるからな。いくら君でもそんな無茶はできまい」


「うーん……じゃあまたシロニアちゃんに頑張ってもらおうか」


「はいっ!お任せください!皆さんのお役に立ちますよ〜っと!」


 あれほどたくさんの素早く逃げ回るワームを捕まえてくれたのに、彼女はまだまだ元気はつらつだった。

 羨ましいほど底なしの体力だ。

 宝石ワームを回収し終えたことだし、特に長居をする必要性もないのでそのまま真っ直ぐ馬車に乗って帰宅する。


「そういえば私たちパーティーを結成してから公式に初のクエストですよね」


「そういえばそうだね」


 魔王封印のやつはどちらかというとギルドからの頼まれごとで難易度や報酬設定があるわけでもなかったし。


「ねえねえ名前、何にします?!」


「そういえば保留にしてたね……えーっとどうしよう」


 いざ何か決めろと言われたら良い案が浮かばなくて迷ってしまう。


「『ロシュア様とターシャの愛の巣』ってのはどうでしょうか!」


「うん他のメンバーは?!」


 それ完全に僕とターシャさんのなんかそういう新婚生活的なあれだよね?!

 ていうかそんな名前で登録したが最後、今生冒険者の間では物笑いの種になるぞ。

 よくそれで通ると思ったなこの人も。


「でもロシュア様の名前は外せないんですよね〜なんてったってリーダーですから!で、私も正妻として参列すべきですし……」


「まぁロシュアがリーダーなのは全員異論が無いところではあるが、キミが正妻である点と他のメンバーと一線を画する存在であるという点については物議を醸す話題だぞ」


「いーじゃないですか!最古参は私なんですから!!」


《順番なんてどうでもええじゃろ。やはりここは妾にねーみんぐを任せておけ!!そうじゃな……『炎獄の龍精霊』と書いてサラマンダーと読ませるのはどうじゃろうか。分かりやすい》


「分かりやすいのはキミの存在だけだろう。たしかによくそういう名前のパーティーはあるけど……」


「結構みんな自己主張が激しいね……」


「そういうリーネはどうなのよ。何か良い案あるの?」


「そうだな……いやそう言われると自信ないのだが、私が考えているのは『虹の翼団』みたいなやつだ」


「へぇ。なんか良さげだね」


「ロシュア様の要素が入ってないわ」


《それにサラマンダーも》


 いやそれは別に良いでしょ……。


「『虹』というのがこのパーティーの事を間接的に表していてな。聖女に炎の精霊にハイエルフに魔王と人や種族を選ばず、多種多様な面子が揃っている様から虹のようになんでも色が揃っており、また『翼』というのがどこまでも遠くに羽ばたいていけるようにという今後のパーティーへの願いを込めた意味合いでな……」


 リーネさんは自信が無いと言っていた割に語り出すとめちゃくちゃ事細かに色々考えて決めていたことがわかった。


 大方僕の予想と合っていた意味合いだったので安心した。


「ひとまずこれでいいんじゃない?」


「いっそロシュア様を追い出した『黄昏の獣王団』にひっかけて『暁の覇王団』てのもどうでしょうか」


「そ、それは流石に対抗意識丸出しすぎるでしょ……」


 そんな名前で登録したら絶対カムイに目をつけられそうだな。

 出来ることならあまり彼らとは会いたくない。


「えー。なんでですか。強くなって仲間も増えて、そんでもっていつの日かランクAパーティーとして肩を並べたら見返してやれますよ!」


「見返すか……そういうのはあまり興味ないなあ」


 それやられてもあいつらは認めないだろうし。

 むしろ怒りから何をさせるかわからない危険性がある。


「ここは無難に虹の翼団でいくとしようか」


「そうですね……まあ良いネーミングなのは私も認めますよ」


《虹の翼を持つサラマンダーならもっと良かったんじゃがの》


「よし!とりあえずこれで私の名付け採用が二つになった!今後パーティーの名前決めは私に任せてくれ!」


 そういえばシロニアさんの命名もリーネさんだったっけ。

 なんかえらい気合い入ってるけど……狙ってたのかなそういう枠を。

 ともあれこれでパーティー名も決まった事だし、早く帰って成果報告しよう。

 宝石の洞窟を抜けようと馬車に乗り込んで帰路についたが、いつまで経っても出口が見えてこない。

 何度確かめても来た道が無くなってしまっている。


「おかしいですね……確かこの辺に出入り口がありましたよね?」


「ああ妙だな……シロニア、何かわかるか?」


「感知魔法で見てみましたが……なにか壁みたいなのがありますね」


「壁?」


 気になって入り口を突っついてみると、壁に酷似しているが何かが異なる硬い物が眼前にあるのがわかった。

 直後壁が動き出し、唸り声を洞窟中に響かせていた。


「ま、まさか――これ」


「これ全部宝石ワームさんですかーっ!?」


 入り口を塞いでいたのは突如として出現した超巨大な宝石ワームだった。なんだこいつ。

 ボスモンスターなんてこのダンジョンにはいないはずだ。

 ということは急成長した突然変異種だとでもいうのか。

 ワームの大きさは三階建ての馬車をもってしてもまるで足りないほどの巨体で、洞窟全体の三分の一はあるんじゃないかと思うほどだった。

 ど、どうする。こんな巨大なやつを倒していくのか……?

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