文学少女の呟き〜白い世界から〜
小春日和は冬の訪れ。季節を疑う薄呆けた陽気。曲がり角の先まで続く銀杏の彩りに永遠を感じながら、落ち葉を踏み歩き、実の香りを嗅ぐ。
着る物を迷い、鏡を覗き返し、履き物を面倒がった時間が一歩一歩むくわれ、風の向きは様々に贈り物を届けてくれる。
花冷えに心震わせ二部咲きを愉しみ、薫風を吸い込み、青梅雨に耳を傾け、朝涼みを全身に受ける。
私が体験していた季節は落ち葉のように崩れ
私が期待していた季節は曲がり角の先へ流る
燕は今年も巣を作る、雛は孵り、立つ。