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プロローグ
「まって!助けて!」
無口なあの子の声は初めて聴いたかもしれない。
親友の声が聞こえるが私は振り返らずに燃え盛る屋敷から逃げ去った。
外に出ると同時に屋敷が崩れる。
こんなことになるのならば人形館になんてくるんじゃなかった!
わたしは彼岸桜花。
アルビノで無口だからかいじめられている。
「なに黙ってんだよ白髪野郎!」
そういって同級生の男子が絡んでくる。
「ちょっとなにしてんの!」
「べつになにもしてねーよ」
男子を止めてくれたのは花田澪。一応親友だ。
「なんで言い返さないの?」
「…めんどい」「ハァ…」
解せぬ。
そんな馬鹿に付き合ってられないのだ。
「それよりもさぁ街はずれにある人形館!あそこ行こうよ!」
「……」「じゃ、放課後にあそこ集合ね!」
…肝試しとかめんどくさい!
でも無視したら後から面倒になるからな…。
しゃーない行くか…。
「よし!集まったね!それにしても相変わらず不気味だね~。」
ハァ…めんどい…
「じゃあいこっか!」