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第50話 ヒロを守ります!

 ヒロが気を失ってその場に倒れ込んでしまった。

 魔力の使いすぎで気を失ってしまったらしい。


 外傷などは特に無く、本当にただ魔力の使いすぎで倒れただけのようで安心した。

 ユユちゃんはあたふたしているけど焦る必要は無い。

 落ち着いて、それでもって周りにいるヒューラー達を倒し、ヒロを守る。

 それが今の私達の役目ってやつなのだろう。

 ヒロが作戦を考えてくれたおかげで被害が少なく済んだのは大きい。ここでヒロの頑張りを無駄にする訳にはいかない!


 私は詠唱を始める。

 ユユちゃんは水操作で周囲の水蒸気を液体の水に変化させる。

「エアスラッシュ!」

水針の雨(レインニードル)!」

 私は風の斬撃であるエアスラッシュを放ち、ユユちゃんは集めた水を上から雨のように降らせ、その一粒一粒を水針に変形させる。そしてその水針を降らせるレインニードルを放った。

 確かに他の雑魚魔物よりは強いかもしれないけど私とユユちゃんの合わせ技によってどんどんと敵を倒していける。

 更にはうち漏らしたヒューラーは頭上を飛んでいるドラゴンが片付けてくれる。


 これなら行ける。


「キリがないですね。このままだと奴らが尽きるのが先か、私達の魔力が尽きるのが先かの勝負になってしまいます」

「確かにこのまま撃ち続けていたらいつ魔力切れになってもおかしくない」

 確かに奴らはヒューラーロードが居なくなり、弱体化したように見受けられる。

 だけど問題はその数だ。

 数が多すぎる。それが私達を苦しめている要因だろう。

「このまま逃げるわけにはいかないよね。それだと何しに来たかわからなくなる」

「そうですね。何とか全員倒さないと──」

『伏せろ』

 その瞬間、頭に伏せろという声が響いてきた。

 これはドラゴンの声?


 よく分からないけど私達は二人とも同時に伏せた。その瞬間だった。

 私とユユちゃんを取り囲むようにバリアが貼られ、そしてその数秒後には既に大半のヒューラー達が倒れていた。

 今のは? 恐らくドラゴンの技だろう。

『ヒューラーロードが居ない今、弱体化したヒューラー如きが我らに適うものか』

 とてつもなく凄いことを見たような気がする。


 私達を大きく上回る圧倒的な力を。


 これによって少しは希望がでてきた。

 あの強いドラゴンも味方なのだ。そう考えれば気持ちが楽だ。

「ユユちゃん」

「はい!」

 そしてユユちゃんは大きな水溜りを空中に出現させる。

 それに向かって私は詠唱を唱え、魔法を放つ。その魔法とは──

「トルネード!」

 トルネード、竜巻だ。

 任意の場所に竜巻を出現させる魔法。

 これによってユユちゃんの水は巻き上げられて水を含んだ竜巻となった。

 水を含んだ竜巻はその威力が増し、どんどんとヒューラーを倒していく。

「どう? ヒロが居なくても策くらいは考えられるのよ!」

「やりましたね! この合体魔法、水操作ウォーターオペレーションとトルネードが合わさった……名付けて操作竜巻オペレーショントルネード!」

 そう言ってユユちゃんは竜巻を操作する。

 竜巻に水が含まれたことによってユユちゃんは竜巻を操れるようになったんだ。


 それにしても色々な合体魔法は見たことがあるけどここまで強いのはなかなかない。

『合体魔法の法則だ』

「合体魔法の法則? 聞いたことがあるような」

『合体魔法の法則は有利不利の関係で成り立ってる属性同士の魔法が合わされば通常の合体魔法よりも強い魔法が放てる。つまりお前達は相性が良かったという事だ』

「ならよかったね。ユユちゃん」

「……どうせなら私はヒロさんと最高の相性ってのが良かったです。そしてそのまま人生のパートナーに!」

 ……ユユちゃんはどんな時でもブレないなぁ。

 まぁ自重して欲しいところはあるけどもモチベーションってのは大事だもんね。


「ヒロさんに見て貰えないとやる気は半減ですがやります! フリーズ!」

 ユユちゃんは敵を動けなくする魔法、フリーズを放った。

 ナイスだよ。ユユちゃん!


 そして私はそこに特大で私の最大の魔法を放つ。

「疾風の波動!」

 それを放つと固まっていたヒューラー達はみんな倒れていく。

 今度こそ行った!


 そして最後の一体を倒し、遂に!

「やった……やったよ!」

「やりましたね!」

「うん!」

『良くやってくれた』

 ドラゴンは地上に降りて礼を言ってくる。

『この恩はどう返したら良いのだろうか?』

 尋ねてくる。

 これは私の手柄じゃない。だから私が礼をされるのはおかしい。だけど当の本人は地べたで力尽きている。

 だから本人に言わせることは出来ない。だけどヒロならばきっとこういうだろう。


「いえ、何もいらないです。ほとんどドラゴンが頑張ってくれたおかげですから」

『本当に良いのか? なんでも叶えてやるぞ?』

「いえ、……では一つだけ」

『なんだ?』

「ヒロを街に連れていくのを手伝ってくれますか?」

 ドラゴンは驚いた表情になる。

『おやすい御用だが、それでいいのか?』

「ええ、それがいいんです」

『了解だ。乗るが良い』

 そして私達は再びドラゴンに乗って街に帰ることになった。

 最初の頃の構図に似ているが、違うのはヒロと私の立場が逆だということ。


「……ヒロ、お疲れ様」

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