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第216話 剣の達人5

「君は自身の動体視力で後二体まで追っていたな」

「ええ、まぁ」

「やはり化け物だ」


 何やら俺の動体視力が化け物だと言いたいだ。今まで魔力は化け物だと言われたことはあったけど、動体視力が化け物だと言われたのは初めてだ。

 でも、普通はこれは動体視力で追うものじゃないのか?


「動体視力で終えるのは普通、残り四体くらいまでだ。でも君は二体まで見ていた」


 そうだったのか。

 ってことは俺の動体視力は普通よりも優れているって事か。ならだいぶ有利に進めることの出来る場面とかありそうだな。

 そう言えばハバロンさんの実力はどれくらいなんだろう。この話を聞いたら少し気になってきた。この人はどれくらいまで動体視力で斬ることが出来るのか。

 そんな事を考えていたらその考えに答えるようにハバロンさんは話し出した。


「俺は一応最後まで動体視力で斬ることが出来る。だが、君はもっとすごいことをした」

「もっと凄いこと?」


 全く検討がつかなかったので聞き返した。するとハバロンさんは俺が最後に切った案山子を持ち上げて聞いてきた。


「これを斬った時、どうしてた?」


 どうしてたってこれを見切った方法の事か? 


「風の音を聞いてました」

「ほう、風の音か……君は動体視力だけでなく聴覚も優れているようだ。風の民の中には出来るものもいるが、風の音でタイミングを掴むのはかなり難しいものだ」


 そうなのか。でも多分これら全て俺の集中力のおかげだ。昔から集中したらかなり能力がアップするって言われていた。

 サキからもよく言われたし、これのおかげで目押しが得意だったりもしたが、俺は面倒臭がり屋なため、今回のような仲間を守りたいとか思わないと集中力は滅多に発揮されない。

 その変わり、集中すれば五感が鋭くなるようだ。


「君は修行を積めば確実に強くなれる。もしかしたら俺以上に……。君になら伝授できる。息子に伝授出来なかった剣技をな」


 伝授出来なかった? もしかしてカラタさんが出ていったことも関係しているのか? でもはばロンさんのさっきの豪王英斬が強かったから他の剣技も強そうだ。あの技を伝授して頂けるならありがたい。

 俺は早く強くならなくてはならない。


 ☆☆☆☆☆


 今日の鍛錬はこれで終了となった。帰り道も階段をクライミングしなくてはいけないから階段も修行の一環となっている。

 ハバロンさんは相変わらず人並外れた跳躍力によって階段を一瞬で登って行ってしまった。


 今日はもう終わったのでサキとスイのクラン登録をするためにギルドに来た。今日も今日とて賑わっていた。

 マイは以前座っていた席を見る。もうマイは一人じゃないって事を再確認して微笑した。

 クランカウンターに来ると受付嬢が少し訝しむような表情をした。違うんですよ! 俺は女の子を沢山連れているけど変な意味は無いんです!


「今日はこの二人の冒険者登録とクラン登録をお願いしに来ました」

「分かりました。ではこの水晶に手をかざしてください。まずはそちらのあなたから」


 そう言って指名されたのはサキ。なのでサキは水晶の上に手をかざす。すると俺たちが登録した時と同じように水晶からインクが出てきて紙に自動的に書き込まれていく。

 その紙を受付嬢は俺たちの時と同じように読み上げていく。


「えー、年齢は15歳、出身はアルケニア王国、属性は木、戦闘方法は弓ですか。一番よく使う魔法は戦う植物(バトルプラント)。弓使いとは珍しいですね。魔法が主流になってきている今、弓を使う人は少ないんですよ。ではここに名前を記入してください」


 そう言われてサキは名前を描き始めた。どうやら俺が偽名で登録をしているのを見て察したらしく、合わせてくれている。

 しかし、弓使いって珍しいものだったのか。確かに弓使いって滅多に見ないもんな。多分遠距離攻撃が魔法で済んでしまっているってのが問題だな。

 それによって弓使いの人口が減っていると……。一応俺も弓を持っているけどほとんどの場合、魔法で済ませてしまっているもんな。

 そこでサキは名前を書き終えたようだ。


「えーっと、サキさんでよろしいでしょうか」

「はい! お願いします」


 今度はスイの番だ。

 スイもサキと同じように手を水晶にかざすとインクが出てきて紙に書き込まれていく。

 それを受付嬢は同じように読み上げていく。


「ふむふむ、年齢は16歳、出身はスノーランド王国、属性は水、戦闘方法は魔法、得意魔法は水斬。ではこちらに名前を記入してください」


 言われて平静を装って書き始めるスイだが、俺はスイの表情の変化に気がついてしまった。受付嬢が出身国を言った時、苦虫を噛み潰したような、そんな辛そうな表情を一瞬だけした。多分それはサキも気がついたのであろう。心配そうに見つめる。

 スイは強がる癖があるから辛かったら俺を頼って欲しいものだがスイの性格上、それは厳しいかもしれないな。

 そして書き終わったので名前を読み上げる受付嬢。


「えーっと、さっきーの嫁さんでよろしいですか?」

「全然良くないよぉ!」

「さっきーを嫁に貰うのはこの私」


 なんかデジャブを見たような気がした。

 確かユキが俺の嫁を名乗ってきたんだっけか。今度はスイがサキの嫁を名乗ったか。これを書くスイの精神もすごいけど、これを淡々と読む受付嬢さんもすごいな。

 でも多分、この百合的言動も俺が見るに辛さを紛らわせるためにやっている事だと思った。自分がおちゃらけたら周りが笑ってくれて楽しい雰囲気が作れて自身の辛さを隠せる。そう思っているのだろうが、周りは笑顔に包まれるかもしれないがスイ自身はどうなんだよ。結局何も変わらないじゃないか。スイが辛いのも、何も。

 でもこれは他人が気軽に口を出してはいけない話なので今は何も言わないでおく。


「ではスイさんでよろしいですか?」

「仕方ないからこれでいいわ」


 スイはなんだかつまらなさそうな表情をしていた。もしかして百合って本当だったりするのか?

 そしてスイが承諾したことによってサキとスイの二枚の情報を持って受付嬢は裏に行ってしまった。多分、俺たちの時と同じく冒険者カードとバッチを作っているのだろう。

 これで冒険者登録は完了、次はクラン登録だな。


 少しすると受付嬢は冒険者カードとバッチを持ってきて二人に渡し、冒険者について俺たちにしたのと同じ説明をした。

 ここからが本題だ。今日はクラン登録をしに来たんだからクラン登録を始める。

 クラン登録申請をするとクラン加入申請用紙が二人に手渡された。相変わらず項目が多い用紙だ。その容姿の項目全て埋めて提出するとこれでクランの加入は完了だ。


「お疲れ様です。これでサキさんとスイさんはクラン『HOPE』のメンバーとなりました」


 これでメンバーは五人になったって事か。もうこのギルドNo1クラン『SWORD』と人数的には並んだって事か。

 クラン戦、このメンバーで挑むことになるのか。絶対に『ブレンド』には負けない。

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