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098 ラキと天狐の服を買う

 午後にラキと天狐の服を買いに行く事になった。

 2人は全裸で良いとズボラな事を言うが、そんな訳にはいかない。


 留守をレイナスとガラテアに任せて、買い出しに行く。


 ウチにある車は軽トラックと、切り出した木材を運ぶクレーンの付いた2トントラックだ。

 普通の乗用車は無い。


 2トン車の方は3人乗れるので、それで移動する。


 ラキは自動車に驚き、荷台に乗って移動するのだと駄々をこねたりと、中々車内に座ろうとしなかった。


 まあ、気持ちはわかる。

 トラックの荷台に乗って、全身で風を感じるのは気持ち良い。


 荷物の見張りをするのでも無いなら、荷台に乗せて走れないので、なんとか説得した。


「うぅ、狭っ苦しいぞ」


「そうじゃの。3人でぎゅうぎゅうじゃ」


「確かに。ちゃんと乗用車を買った方が良いな。あ、ラキ小さくなるな。服が脱げるだろ」


「これはな、鬼人式流星飛翔術って技があってな、小さくなった奴をぶん投げて、敵陣に強襲する伝統的移動法なんだぞ」


「伝統は良いけど、ここではちゃんと服を着てくれ。あと、誰も自由に小さくなったりできないから、大きいままでいてくれよ」


「妾はできるがの」


「そうだな、能ある鷹は爪を隠すって言うから、天狐も今のままでいてくれ」


「仕方が無いのぅ。狐じゃが、世を忍ぶ仮の姿で男子おのこを悩殺するかのう。ほれほれ」


「やめろ、運転中はちょっかいかけるな」


「視線の誘導しかしておらんじゃろ。見る方が悪いの」


「隣で胸元をパカパカされたら気が散るんだよ」


 そんな感じでトラックを走らせて、少し遠めのショッピングモールに来た。


 まず、スポーツ用品コーナーに行く。

 特定の競技の物ではなく、フィットネス用のウェアを中心に見る。


 ラキは身長が俺と同じ位で、天狐は俺よりも少し低いがそれでも女性では高い方だ。

 ラテン系を思わせる小麦肌美人のラキと、和風美人顔ながら金髪の天狐がそろってフィットネスウェアを着ると、ブランドのカタログ以上に画になった。


 また、両者とも足が長く胸が非常に大きいので迫力もある。


「楽でいの」


「そうだな、これが良いぞ」


 2人の判断基準は、色やデザインよりも着ていて楽か否かだった。

 少し張り合いが無い気がするが、手早く済んで良いとも思う。

 それに着ていて楽なら、無暗に脱ごうともしないだろう。


 ジャージやスポーツブラにシューズ等を見繕った。

 とにかく動きやすさ重視で。


 支払いは農作物を売った分でクレジット払いで。

 電子マネーも併用できるので、気軽に使える。


 手芸品店にも寄って糸を沢山購入。

 薄物用の細い糸や、厚物用の太い糸、ジーンズ用など100種類以上を大人買いだ。

 ついでなので、刺繍糸も全色買って帰ろう。

 きっとガラテアは喜んでくれるぞ。


 買い物が済んで、帰る前にちょっと休憩する事にする。

 フードコートに寄ると――


「アレは何なんだ?」


 ラキはジェラートが気になる様だ。

 せっかくだから、それを食べる事にする。


「冷たくて甘いぞ!」


 瞳をキラキラさせながら、ラキのテンションは凄く高い


「ん~! 『らずべりー』の美味さと言ったら、言葉が無いのじゃ」


「はは、それは良かった。俺のチョコミントもイケるな。当たりの店だな」


「ほう、それは良かったのう。ほれ、あ~」


 口を開けて俺を見つめる天狐。

 ここでするのは恥ずかし過ぎるんだが。


「これ、早うせい。誰も気になぞしておらん。それに女子おなごに恥をかかせるで無いぞ」


 いや、天狐もラキも目立つから、めっちゃ注目されているぞ。

 けれど、彼女の言う様に、恥をかかせるのもアレなので、食べさてやった。


「ん~、こちらも美味じゃ」


 はいはい、良かったね。


「んが~! 頭がキーンって痛いぞ! これは毒だ~」


 ラキは一気に食べ過ぎだ。


 その後、レイナスのお土産にもと、全種類のジェラートを買って帰る。

 そして、皆で頭をキンキンさせる事になった。

 

 

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