096 鬼人の入浴風習
ラキは王女様で、レイナスは皇女様だった。
そう思うと変に意識してしまいそうになったが、更に天狐は神に類するものだと思えば、何て事無い様に感じて不思議だった。
「温泉があるのか!? 入りたいぞ!」
家の裏の露天風呂は、キャンプ場のオープン期間は使わない様にしている。
今は、ウサギ達の憩い空間だ。
その代わり、地下に大浴場を作った。
ダンジョンマスターの力を使えば、楽に作れる。
せっかくだからと調子に乗ったので露天風呂の数倍の広さだ。
湯舟も複数設置して、合計で30畳はあるだろう。
「ああ、皆で入ってくると良い」
「何言ってるんだ? マスターも一緒に入るんだぞ」
いやいや、ラキは外見こそ子供っぽいが、大人だと言うじゃないか。
会ったばかりの女性と気軽に風呂は入れないぞ。
……ガラテアと天狐は不可抗力だと思う。
「マスター、前にちょっと話したと思うけど、鬼人王国では大勢でお風呂に入るのが好まれるのよ。男女の別は無いわ」
「そうは言っても、強制じゃ無いだろ?」
「客なら拒否できるけど、家主は一緒に入るのが持て成しの1つね」
それで、客のラキが風呂に入りたいって言うなら、家主の俺も一緒に入るのがマナーなのか。
郷に入っては郷に従えと思うが、相手の文化風習に合わせてあげるのも大切だ。
仕方が無いので、一緒に入る事にする。
何故か皆でお湯の掛け合いになった。
コズミン、ジェット水流を発生させるのは反則だろ。
子ウサギ達は、その水流でサーフィンをするのか。
桶に乗るのが凄く上達したな。
楽しそうで何より。
皆でわいわい、汗も疲れも綺麗に流した。
その夜。
「ラキのベッドは他に用意したはずだが」
「日中に受けたマスターのサンダースピアでかなり消耗したみたいなの。魔力が欠乏するのは死活問題なのよ」
「食事である程度回復するんじゃないか? 何なら、水晶のダンジョンで自然回復させれば大丈夫だろう?」
「手っ取り早いのが一番だぞ」
「そんなスナック感覚で言われてもな」
「マスターはアタシに勝ったんだ。問題無いぞ」
「そういう事よ」
「いや、問題って言えば、大きさが……」
「ちっちゃいからダメなのか? じゃあ、最後の魔力を解放するぞ」
そう言うと、ラキの身体はムチムチと大きくなり、非常にグラマラスになった。
身長は俺と同じ位かもしれない。
胸も尻も大きく、腰回りは筋肉で強く締まりくびれている。
「これで問題無いわね」
「そうだぞ」
「そうかな? そうかも……いや、レイナス的にはどうなんだ? 幼馴染が、とか」
「問題無いわ」
「ア、ハイ」
「ガラテアとテンコにもしてやっているんだろ? だったらアタシも問題無いはずだぞ」
「待て! レイナスが話したのか?」
「私はそこまで言ってないわよ」
「強き者の義務デス」
「そういう事じゃ」
「ア、ハイ」




