092 夜桜を見ながら食べるピザ
兵隊スライム式魔動ドアは、順調に動いている。
無断で妖精の隠れ里サイトへ行こうとする人は激減した。
たまに、別の人がドアを通過する隙に強行突破する人も居ません。
そんな人は、居ないのです。
「ハーブティーは好評デス」
「そうじゃな、皆が良い子になるの」
はい、平和です。
日中の気温も暖かくなり、山桜も満開になった。
お花見デイキャンプのお客さんで賑わっている。
この時期はチェックアウトを遅くしているので、のんびり楽しんでもらいたい。
夜になり、その日のデイキャンプのお客さんは皆帰った。
月明かりが辺りを照らしている。
「今夜は、お花見するか」
「良いわね。テントサイトの方に行くのかしら?」
「そうだな、今日はそっちでするか」
今日は泊まりのお客さんが4組居るが、皆さんの邪魔にならないように、まったりしよう。
飲み物は……ビールと日本酒を出すか。
「今日は呑むのかや? 良い事じゃ」
「テンコは毎晩飲んでいるじゃない」
「良い事じゃからの。毎晩するのじゃ。レイナスもじゃろ?」
「ええ、そうね。良い事だもの」
ウチの女性陣は皆、酒好きだ。
ガラテアも身体の維持に飲食の必要は無いが、香りが好きとかで酒を嗜む。
皆で楽しく飲めるのは良い事だと思う。
食事はピザを焼く事にした。
450℃の温熱レンガで作ったピザ窯を、ダンジョン機能で設置。
採れたての新鮮野菜を好きに乗せ、皆でオリジナルピザを焼く。
生地は手のひらサイズの大きさにして、より多くの種類を楽しめる様にした。
カリっとした生地に、ジューシーな野菜の旨味が広がり、それにチーズが絡めば絶品だ。
焼いて、食べて、飲んで……としていたら、いつのまにかガラテアがお茶のボトルや串焼き魚を持っていた。
どうした?
「おすそ分けをしまシタ」
お客さんに、ピザのおすそ分けを配ったらしい。
そうしたら、お返しにもらったとの事だ。
ガラテアは、こういった面で行動的だ。
騒がしさは無く、賑やかな感じで時間が過ぎる。
キャンプ場が楽しい雰囲気に包まれているようで、幸せを感じる。
ローチェアに座って膝を伸ばしていたら、スモモとキラリが飛び乗ってきた。
なんだか不機嫌そうだが、どうした?
そうか、日中来た小さい子に、泣かれてしまったのか。
2頭とも発育が良いからな。
ビックリされちゃったんだな。
スモモもキラリも可愛いぞ。
毛もツヤツヤもふもふで、ずっと撫で撫でしたいぞ。
……。
「君たちは、何で並んでいるの?」
「次は私よね?」
「入念にお願いしマス」
「たっぷりと撫でるのじゃ」
夜は更けてゆく。




