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087 妖精の隠れ里サイトの評判

 キャンプ場オープンの日の夜。

 バーベキューの家族は帰って、今は山中さんと1日利用のグループの合計4人が敷地内に居る。


 ……山中さんは、あんな奥地まで入っているのか。

 名目上、テントサイトにテントを張っているけど、戻らず身一つで野宿するつもりなんだな。


 1日利用のグループは、30代前後の男性3人だ。

 お酒を飲みながら、とてもまったりと語り合っている様子。


 ダンジョンマスターの能力を使い、覗きにならない様に気を付けながら監視をする。

 異常は無いようだ。


 男性グループにも、スモーカーを使ってもらう。

 こちらは3人とも経験があったようで、話は早かった。

 更に焚火台も貸し出した。

 薪もオープンキャンペーンで今だけ無料だ。

 どんどん燃やして欲しい。


 次の日、男性グループは午後早くに撤収し帰る様だ。

 スモークウッドの香りは好評。

 みんなそれぞれ買ってくれた。

 数が少なくて、次来た時に在庫があるかわからないからね。


 ……量産体制を整えよう。


 新規に作った『妖精の隠れ里』サイトについて訊く。


「え~俺達おっさんには眩しすぎですよ~」


「もうちょっと、枯れた感じの哀愁があると良いかな。個人的にだけど」


「確かに、新品みたいな感じだから――ランドっぽいって思いましたね」


 なるほど、今後の検討材料にしよう。


「でも、絶対に映えるロケーションですよね」


「うんうん、写真撮ったらバズりそうかな」


「ここって、撮影会とか大丈夫ですか?」


 映画やドラマのロケって事かな?

 いや、それはいきなり話が飛躍し過ぎるから、個人的な話だよな。


「写真を撮ってSNSにアップするのは、むしろどんどんやってもらいたい位ですよ」


「えっと、コスとかドールとかの撮影なんですけど、どうですか?」


 う~ん、今までのウチは地味で無難なキャンプ場だから、それ目的で来たお客さんに会った事が無い。

 こうやって訊ねられるって事は、場所によっては不許可だったりトラブルがあったりするって事だよな。


 確かに、バーベキューとかしている横で撮影会をしていたら、それぞれの空気は相容れなさそうだ。

 逆に言えば、時間帯とかゾーニングをしっかりしたら良いとも思う。

 キャンプ場経営者の腕の見せ所かな。


「そうですね、事前に連絡をもらえれば対応しますよ」


「そうですか! それじゃあ、お願いします。詳しいお話を……」


 そういう事で後日、彼がドールの撮影会を主催する事になった。

 横の繋がりが広いらしい。


 他にもキャンプ場の新しい需要があるなら、そういった事も開拓してゆきたいなと思った。


 

 ▽▼▽



 ガラテア、タブレットを突き出してきて、どうした?


「ガラテアの写真を撮れば良いと思いマス」


「それって、撮影会をしてもらいたいのか?」


「マスターが撮ってくだサイ」


 そういえば、1人の暮らしが長かった所為か、家族の写真をとるって事が頭から抜けてたな。

 よし、良いぞ。


 えっと、この衣装の山は?

 全部着た姿を写真に収めたいんだな。


 よし、がんばろう。



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