068 家に帰って温泉に入る
ガラテアの名前を付けたら、今度こそ家に帰る。
転移ゲートを出たら、外は暗かった。
コア達やガラテアもゲートを通れる様だ。
外に戻ると、日はとっぷりと暮れ、星空が広がっていた。
夜間の山道を進むのは危険だが、このまま皆で家に戻る事にする。
コアがあるからか、山の地形も手に取るようにわかるのだ。
明かりが無くても問題無く歩ける程だ。
危なげなく家に戻る。
数日の外出なのに、何年も離れていた様な感慨がある。
ただいま、ウサギ達、スライム達。
皆で出迎えてくれた。
コア達とガラテアを紹介する。
他に、ダンジョンにはクリスタルゴーレムもいるから、仲良くやって欲しい。
……コズミンとコア達が向かい合って、じっとしている。
どうした?
いや、コズミンは飛ばなくても良いぞ。
コア達も硬いままで良い。
皆違って皆良いんだ。
「ガラテアは空を飛びマス。身体も柔らかいデス」
言い方! 煽ってるぞ!
顔合わせも済んだので、そのまま皆で温泉に入る事にした。
裸の付き合いで、距離感を縮めよう作戦だ。
久しぶりにのんびりできるお風呂は、気持ち良い。
ダンジョン内では気が休まらなかったからな。
子ウサギ達は洗面器でたらい船をして遊んでいる。
ひっくり返らない様に気を付けるんだぞ。
コズミンは、でろ~んと伸びながら半身だけ湯に浸かっている。
温度差が心地いいのか、そうか。
コア達は交代で湯舟に浸かっている。
流石に全部が一気には入れないよな。
もっと大きくする必要があるだろうか……。
本来は入浴の必要が無いから、そうする事もないのか、そうか。
何だか気を使わせてしまったみたいで悪いな。
上に乗っているスモモとキラリが重かったら遠慮なく言うんだぞ。
……。
……。
……。
さて、問題から目を背けるのはこれ位にしよう。
ガラテアは服を着ていたんだな。
そういうデザインの構造ってわけじゃ無かったんだな。
ゴーレムだから、一体型と思っていた。
女性型に見えるだけで、本当に女性体だとは思わなかったんだ。
知ってたら、気軽に皆で温泉に入ろうとか言わなかったのに。
「問題ありまセン。ガラテアも服が脱げるとは思いませんでシタ。着衣のままで入浴をご希望ですカ?」
「いやいや、入浴するならちゃんと服は脱ぐ様に」
それは大切なマナーだ。
「かしこまりまシタ。脱衣形態を継続しマス」
服は脱いでいるが、目元のマスクは装着したままだ。
そこは外せないらしい。
それがかえってエロくなって、変に意識してしまう。
気を付けねば。
「マスターの願望よね?」
「願望があるのは否定しないが、意図して召喚したわけじゃ無いから、不可抗力だぞ」
「別に、それを責めて無いわ。確認しただけよ。ウフフ」
「アハハ、レイナス、のんびり温まろうじゃないか」
その日は身体の芯まで温まった。




