066 女性型ゴーレム(揺れる)を召喚した
喋れる自立型のゴーレムを召喚したら、女性型のがやってきた。
そして、よく揺れた。
なぜ揺れるのか?
それは、ダンジョンコアを調子に乗って16個も出したからだ。
物理演算の余裕が出て、滑らかな動きになりましたと、コアが囁いてくる。
君たちの所為だったのか。
いや、やっぱり俺の所為か。
彼らは健気に働いてくれただけである。
ならば、それを責めてはいけない。
「そうだろ、レイナス?」
「もう、しょうがないわね」
『男ってバカね』って感じでレイナスは納得してくれた。
あと、物理演算についてはコアのジョークらしい。
君たち、数が増えたらそういう事もできるようになるのね。
女性型のゴーレムは、レイナスも知らない種類だそうだ。
精巧な人型なのも有り得ないし、柔らかいのも聞いた事が無いという。
過去に製作を試みたゴーレム技師は居たが、球体関節人形の様な物しかできなかったそうだ。
それだって、至高の技術と絶賛されているという。
対してこのゴーレムは、関節は人間と遜色ないし、滑らかに動いている。
「本当にゴーレムなのか?」
「それは間違いありまセン。マスターもご存じのはずデス」
確かにゴーレムカテゴリーの中から召喚したから、そうなんだろう。
そうだよな、ダンジョンコア達?
うん、やっぱりゴーレムで間違い無いのか。
いつの間にかダンジョンコアとも意志の疎通ができる様になった。
彼らは、ウサギ達やスライムのコズミンとは違い、直接脳内へ囁いてくる。
画像を添付してくれる事もあるので、より高度なコミュニケーションがとれるだろう。
こうなると心配なのは、壊してしまった1つめだ。
まだ、割れて転がっているはずである。
コア達にここへ転送してもらった。
あの時は『やっちゃった感』が強かったけど、今になれば痛ましい。
どうにか元に戻せないだろうか?
……無理か。
そうか、済まない。
あれは事故だし、個々の意識は無いから、気にする必要は無いのか?
そうか、慰めてくれてありがとう。
そう言ってもらえると、気が楽になる。
「マスター、このコアの破片を私にくだサイ。取り込んで能力を向上させたいと思いマス」
この発言を聞いて、コア達がゴーレムから距離を取る。
はは、君たち俺の背中に隠れるのは良いけれど、ゴチゴチ当たって痛いから落ち着いてな。
直径が1mもあるから、隠れられていないぞ。




