065 脳が足りなかったらコアを沢山出せば良い
ダンジョンの機能をざっくり確認して、最後にモンスターの召喚をしてみる。
水晶のゴーレムが発生するダンジョンだったので、ちがったゴーレムを召喚してみる事にした。
ゴーレムには色んな種類が居る。
土や石や木、金属まである。
そんな、頭の中に浮かんで来るリストを確認してゆくと、なんか文字化けした感じの物があった。
小さい画像を無理やり拡大したみたいで、解像度が足りていない感じで、いったい何なのか判別がつかない。
まるでパソコンやスマホの能力が足りなくて、3Dゲームが低画質になっている感じにも似ている。
やだ、俺の脳が足りていないって事?
なんだかショックだが、実際頭は良く無いので甘んじて受けよう。
だが、悲観する時間じゃ無い。
今の俺にはダンジョンコアがある。
これはパソコンで言う所のCPUみたいな感じだから、複数あれば能力が向上するのだと、ダンジョンコアが俺に囁いてくる。
そんなわけで、出してみました、合計16個。
直径1mの球体が16個も浮いているのは、視覚的に五月蠅いね。
けれど、その甲斐があって、不明瞭だった部分がはっきりと分かる様になった。
大きさや形が人型で、自我もあるみたいだから、これにする。
『さあ来い』と念じれば、新しいゴーレムが現れた。
そのゴーレムは身長が160cm程。
髪の毛がショートボブの長さで、目元が生地を何層にも重ね合わせた様なマスクで隠されている。
外装はレオタードの上にメイド服を着て、その前後を部分的に切り取った様な恰好だった。
そして、胸が大きく、お尻もむっちりしていた。
その辺が、切り取られた感じでレオタードが見える部分。
これは重要。
ただ、イメージしていたのと違う。
「へえ、マスターはこういうのが好みなの」
「違うぞ、レイナス。こういう感じ『も』好きだけど、女性型のゴーレムを呼び出そうとしたつもりはなかった。水晶型のが、より人っぽくなったのをイメージしていたんだ。動く鎧的なやつだ」
「好きなのは否定しないのね」
「しない!」
しない! おっぱいとお尻に罪は無いので。
そんな言い合いをしていると、ゴーレムがツイ~っと滑るように近づいた。
「初めましてマスター。おくサマ。よろしくお願いしマス」
ゴーレムはそう挨拶すると、しっかりとした動作でお辞儀をした。
……揺れるのか。




