064 ダンジョンは住居に向くのか
ダンジョンマスターになった事で、温泉型ダンジョンの需要があるか考える。
そうそう、お風呂の問題と言えば、温度もあるな。
家で掘った温泉は40℃程度で安定している。
今の所、ダンジョン内のもそうだ。
これも、変えられるだろうか?
問題無く出来た。
ただ、大きい浴場でも全て一定の温度になる様だ。
1つの浴槽の右手側が熱く左手側が低めで……とはならない。
様々な温度の温泉を設置するには、その都度新しく掘る必要があるみたいだ。
温泉の温度を調整する事から思いついたので、次はダンジョン内の温度を変えてみる。
今は、外よりは暖かいが薄着になるとひんやりする感じの気温だ。
それを変えようとすると――
――極寒から灼熱まで自在に変えられそうだ。
部屋ごとに変えられる。
こういう事実を知ると、やっぱりダンジョンって侵入者を殺しにくる施設だなって思う。
もっと皆で楽しめるタイプのダンジョンがあっても良いと思うんだが。
もしくは、安心して住めるタイプのダンジョンとか。
「ダンジョンに住んでる人とかって居るのか?」
「私の知る範囲ではあまり居ないわね。湧き出すモンスターが敵対する物ばかりだから、それをどうにかできる能力があれば他に仕事は色々あるわ」
流民や食い詰めた貧民がダンジョンに住み着く事は殆ど無いそうだ。
むしろ能力の高い探索者が、鉱山型のダンジョンに籠って何カ月も採集する事はあるらしい。
ドワーフの探索者はそうなる傾向があるのだとか。
居るんだな、ドワーフ。
犬や熊の獣人の中にも、穴暮らしが好きな探索者は居るそうだ。
そういえば、ウチのウサギ達も穴遊びが好きだ。
帰ってモフモフしたくなってきた。
帰る前に、最後にモンスター召喚を試してみる。
既にゴーレム達がいて、転移ゲートの門番をしてもらうが、彼らは言葉を喋れない。
そうなると、話の通じる人がここまで来た時に、いらぬ戦闘が始まってしまうかもしれない。
立て看板やメッセージボード等を設置して対応する方法もあるが、相手の反応を見て柔軟にできるのだろうか?
なので、きちんと対話のできるゴーレムも必要かなと思う。
既にゴーレムが沢山居るが、それなら新たに召喚するのもゴーレムにして揃えたい。
「喋って自分の意志を持つゴーレムっているのか?」
「神話や伝説の類では聞くけど、私は見た事は無いわね」
レイナスが知らないとなると、一般的な存在では無いのだろう。
けれど、ここのクリスタルゴーレムも新種らしいので、自我を持つゴーレムも発見されていないだけの可能性がある。
という事で、呼び出してみよう。




