006 薪割りをしまくった後に天ぷらを食べる
畑を作ったら、他にも確認したい事があったんだけれど、仕事をおろそかにするのもまずい。
なので、その後は木を伐採して薪づくりに励んだ。
斬撃で面白いように薪が割れるから、物凄く捗った。
まず、チェーンソーを使わないで木を伐採できるのが良い。
斬撃の威力は、俺が斧を全力で振るのと同じくらいの威力があった。
そうなるとチェーンソーよりはスピードが遅くなるのだが、手に振動が来ないという利点がある。
斬撃なら剣を軽く振っているだけで発生するから、チェーンソーに比べて全然疲れない。
あの振動と本体の重さは、けっこう体力を奪われる。
そして、チェーンソーは切れ味を維持するのに、頻繁に『目立て』というやすりがけをする必要がある。
それをしないで済むのは気分的に楽だ。
更に、2刀流で斬撃を打てるから、結果的にチェーンソーと変わらない位のスピードで伐採できた。
そして、驚異的なのは薪割りだ。
漫画とかで武道の達人がパカパカ薪をこしらえるみたいに、薪の山ができる。
いつもの20倍以上の作業効率だ。
仕事の大半が、割った薪を集めて並べる作業となり、これが一番疲れて時間をくった感じになる。
ここまで仕事がはかどれば、薪が使い放題のキャンプ場としてアピールできるかな?
なんて思えるけれど、斬撃が使えるのは一時の事かもしれない。
期間限定のボーナスモードだと思っておこう。
そもそも、俺は事態が収まるのを望んでいたはずだ。
ちょっと便利になったからって、浮かれちゃダメだな。
とは言え、薪が乾燥をした次の冬は、多目に薪を売っても大丈夫そうだ。
収入アップが見込める!
それは、素直にうれしい。
まさに、ボーナスだ。
日が暮れるまで薪割りをして、畑の様子を見に行く。
すると、もう芽が出ていた。
キャベツ畑の方は放置して様子見をする事にして、ニンジン畑の方は半分程間引きをしてみた。
間引くのと育つに任せるのとで違いが出るのか確認の為だ。
そんな興味を持ってしまった。
間引いたニンジンの芽は、捨てるのが勿体ないので天ぷらにして食べてみる。
怪しい物を食べるのはどうかと思われるかもしれないが、毒を食らわば皿までだ。
たぶん、俺が作ったARゲームが引き金になって起こっている事なんだから、その全部を確かめてみる事にするのだ。
若い芽は柔らかく、ほのかに香りがあるので、塩で食べると凄く美味しかった。
春菊の天ぷらの様に強い香りが無いので、食べやすい。
素朴な味で日本酒とよく合った。
ついつい、呑み過ぎてしまった。
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