051 属性レンガの使い道
ロックバレットを放つ際に他の魔法の動作も組み込んだら、属性を持ったレンガを生み出せる様になった。
夜になり、家に帰って考えた。
色々と生活に組み込んでみることにする。
「へえ、お湯がビリビリするのね」
「その横はちょっと強めだから気を付けて入ってくれ」
電気レンガを温泉に組み込んでみた。
電気風呂コーナーの完成である。
「ビリビリすると、どんな効果があるのかしら?」
スーパー銭湯にはよくあるから、考え無しで導入してみたけれど、どうなんだ?
麻痺とかがあれば、何か意味がありそうだけれど、今の所は健康だしな。
「えっと、面白い」
「うふふ、良いわね、面白い。大切だわ」
レイナスも喜んでもらえて何より。
今日はこのまま温泉で食事にする。
「お湯につかりながら、熱々のポトフなんて、汗が止まらないわね」
温熱レンガを80℃くらいにしてまとめ、鍋の保温に使ってみた。
電気を使わないから、お湯の傍に置いて漏電の心配は無い。
スモモとキラリは、40℃の温熱レンガを並べて即席の岩盤浴だ。
熱すぎないか?
そうか、気持ち良いか。
体温のこもり過ぎには注意するんだぞ。
「レイナス、汗をかいたならビールはどうだ? 冷えているぞ」
冷気レンガを3℃にして作りコースターの変わりにして、ビールを注いだジョッキを乗せれば、ずっと冷やしながら飲める。
「ぷはぁ、のんびりお風呂に入りながらビールを飲むなんて最高ね。何だかダメになりそうだわ」
「良いじゃないか。夜くらいダメになったって」
「あら、私はマスターにダメにされちゃうのね」
夜はゆっくりと過ぎてゆく。
▽▼▽
実は他にも、こっそり実験して上手くいった物があった。
電気レンガは交流の電気を発生させているらしい。
それを100Vになる様に調整して作る。
そしてできたレンガに、コンセントプラグを接触させると、家電が動いた。
テレビが付いたし、掃除機もちゃんと動いた。
電子レンジや井戸水用のモーターポンプもしっかり動く。
最初はテンションがマックスに上がったが、暫くしたら、コレあかんヤツやと冷静になる。
まず、むき出しだと感電死する人が出そうだ。
次に、これが世に出たら、世界のエネルギー事情が覆される。
レイナスが言うには、数千年は問題無く働くだろうとの事だ。
人の生活からすれば、数千年も電気を発生し続けるなんて、永久機関と言っても良いくらいだろう。
そして、ネットの噂では、エネルギー利権に絡むととんでもない事になるとか何とか。
やだ、それ怖い。
なので、外にはバレない様に、こっそり使う事にした。
今年はクーラーつけっぱなしの夏を体験できそうだ。




