050 属性レンガを発見する
最近の日中は山道の整備拡張をしつつゲートの捜索にあてる。
昼食時にも戻らず、山で弁当を食べている。
広大な山の中を漏れなく効率的に捜索するのに、目印を魔法レンガと温泉セメントで作りながら少しづつ範囲を広げている。
レイナスの方も、魔法のマーカーを打っているらしい。
こちらに来た当初は無意味だったが、俺と一緒に生活する様になったらマーカーが働く様になったみたいだ。
そして、魔法レンガを生み出している時の事だ。
魔法レンガは、ワンドで〇を3回描くようにして振ると手に入る。
大きく振ると、大砲張りの勢いで飛んで行くが、小さく振るとぽろぽろと零れ落ちる様に魔法レンガは発生する。
なので、くるくるくる、くるくるくる……っと両手でワンドを出して回していた。
その時に、鼻がむずむずとして、くしゃみが出そうになった。
手で口元を抑えようとしたが、ワンドでふさがっているので、肘の内側を口元に持ってきて、ハクション。
風邪に気をつけないとなぁと思っていると、今までと色の違う魔法レンガが転がっていた。
薄い青色で、触るとひんやりとしている。
寒い冬だから、他の魔法レンガもひんやりとしているのだけれど、それらよりも明らかに冷たい。
何か変な事したかなぁ。
そう言えば、さっきくしゃみが出そうになったタイミングは、3つ目の〇を描く時だった。
片方の手は〇を描き、もう片方は横線を引くかたちになったはずだ。
〇に横線を引くとアイシクルショットになる。
そして、この薄く青色のレンガは冷たい。
ってことは、冷気属性のあるレンガになったのだろうか?
そうなると、他の属性にも変化するのだろうか?
〇を2つ描いた後に片手で〇を描きつつ、もう片方で縦線。
すると、より赤みが強いレンガになり、さわると温かい。
〇に縦線はファイヤーボールなので、温熱属性がついたっぽい。
同様に、3つ目の〇を描く時にもう片方でバツを描く。
すると、黄色になったレンガとなり、さわるとピリピリする。
こちらはサンダースピアの影響で、電気属性になったっぽい。
これらを片手だけでしようとしたら、3つ目の〇を描いた時点で魔法レンガが生み出され、横線やバツを描く猶予は無かった。
両手でする必要があるらしい。
そして、それぞれの魔法と同じで、描く大きさで強さが変わった。
温熱レンガなら、ほんのり温かい感じから、溶岩を作れる程の高温までといった具合に。
威力が強くなると、それぞれの色も濃くなった。
量産してみたいが、強さを一定にするのに毎回微妙なコントロールをするのはしんどい。
なので、温泉セメントでワンドを描く溝を作り、それをなぞるようにすると、品質が一定の属性レンガをつくれる様になった。
さて、これらをどうしようか?
社会常識がくずれる程の事ができそうな予感がするぞ。




