005 農作業を始めてみた
自作のARゲーム、『天樹の森ダンジョン』では、モンスターを倒す冒険者システムの他に、畑や建物を作れる開拓者システムもあった。
その畑で作った作物で、ペットを餌付けしたり料理アイテムを作成したりができた。
畑の区画になる予定だった場所へ移動する。
ここは50m四方の芝生エリアだ。
ゲームでは、ここの位置情報を基にお客さんのスマホの中にそれぞれの畑を作って楽しんでもらう予定だった。
さて、データを消した現状ではどうなのか?
農作業のクワモードとイメージすれば、手にクワが現れる。
……出るのか。
サクっと振り下ろせば、ブワっと前方2m位が良く耕された土になった。
って、芝生が!
綺麗に管理するのに、けっこう手間暇かかってるのに!
どうしよう? 元に戻らないかな? と慌てていたら、いつの間にかクワは消えていて、手の中には種があった。
これは、芝生の種だ。
植えろという事なのだろうか?
まあ、そうするしか無いよな。
とりあえず種を蒔いてみて芽が出なかったら、状態の良い部分の芝生を植え替えよう。
芝生から離れて、テントサイトの一角でクワを振るってみる。
テントサイトは直火が可能な土のエリアになっている。
ゲームでは、このエリアで農作業のクワモードは機能しなかったはずだ。
けれど、現実ではサクサクっと耕せた。
およそ4m四方を畑にする。
せっかくだし、何か育てみようか。
まずはニンジンにしよう。
種、出てこいと念じれば、手元に召喚される。
指で畑にスジをつけ、そこに種を蒔いた。
半分の面積はニンジン畑にする。
時期は完全に外れているけれど、芽吹いたら良いな。
ゲームの方ではそんな細かい設定はしていなかったから、現実でもそうだと良いな。
もう半分はどうしようか?
ここは試しに、ゲームで実装していなかったキャベツにしてみよう。
念じてみれば、こちらも種が手元に召喚された。
ゲームにはデータも無かったのに、謎だ。
指でクリクリっと畑に穴を開け、種を4~5粒程ずつ蒔く。
これを繰り返して、残りの半分はキャベツ畑になった。
こちらもどうなるだろうか?
ドキドキだ。