048 レンガの小道
スモモとキラリが、温泉セメントと魔法レンガの耐久性をテストするのに、身体を張ってくれた。
1撃1撃の衝撃は地響きを立てる程で、実際に、ゴブリンを瞬殺できる程の強さで蹴っていたという。
レイナスが言うには、あのゴブリンは非常に耐久力の高い種類だったとの事だ。
それを1撃で屠れる程となると、物凄い衝撃なのだろう。
亀裂が入った部分は、温泉セメントを塗り込んだら、また強固になった。
これで補修も簡単とわかる。
頑強で補修も簡単となれば、次に解体はできるのか? と疑問が出る。
剣で斬撃を飛ばす。
少しずつ削れるが、解体するのは大変。
ロックバレットを最大威力で。
斬撃よりは削れるけれど、レンガの跳弾が危ない。
スコップモードで突いてみた。
ふにゃふにゃで歯が立たず。
クワモードで耕してみた。
見事な土に戻った。
魔法レンガも一緒に土になっているので、これで安心して建築と解体ができる。
まずはキャンプ場の道を整備しよう。
敷地内の道を全部舗装してしまうと、それはそれでキャンプ気分が削がれてしまうだろうから、駐車場からの道を整備する事にする。
サクサクとスコップモードで土を掘り返し、魔法レンガをぐいぐいと押し込む。
なるべく水捌けの良い感じになるように、若干山なりに並べる。
微調整はスモモとキラリがしてくれた。
巣作りの延長でこなせる事のようだ。
職人が木づちで整えるみたいに、トントン叩いている。
魔法レンガを並べたら、温泉を汲んできてジョウロでお湯を撒く。
それだけでも土が温泉セメントになって、強く硬化するので簡単施工だ。
魔法レンガともしっかりと喰いついて固まっている。
駐車場からテントサイト、そこから薪置き場までをレンガ舗装してみた。
レンガ道を歩く時の、足音が『コッ、コッ』と鳴る感じが小気味良い。
とてもいい感じだ。
温泉セメントを使っていて思ったが、これはもっと応用の幅があるんじゃないだろうか?
段ボール箱に温泉セメントを塗って、乾くのを待つ。
固まったら、かなりしっかりとした箱になった。
乗っても平気で、その上で飛び跳ねてもびくともしない。
金槌で100回叩いてもへこみや割れが無く、スレッジハンマーでぶっ叩くも目立った傷も無し。
強すぎる。
段ボールを筒状に丸めて、それに温泉セメントを塗る。
土管ができた。
温泉の排水に便利そうだ。
スライム達の住処や休憩場所にもなるかな。
土管を見て、キラリが頭を突っ込んだ。
はは、トンネル遊びがしたかったんだな。
でも肩でつかえて、体は入らない。
わかった、もっと大きいのを作るから、足ダンダンはやめてくれな。




