036 燻製をするなら木を育てる事から
野菜以外でもクワモードで植えたら異常な成長をするとわかった。
なので、燻製チップにするべくサクラ・クルミ・リンゴを育ててみる。
種を蒔いて丸1日経過。
芽が出て、腰位まで成長した。
2日経過。
見上げる程に大きくなる。
3日経過。
近隣のスギに迫る大きさに成長。
リンゴの木は大きく成りすぎじゃないだろうか?
それぞれ花を咲かせる。
4日経過。
それぞれの種や実が生る。
「食べごろかしら?」
「リンゴはそれっぽいけど、サクラはサクランボなのか?」
食べてみた。
リンゴ。
渋すぎる。
サクランボ?
度し難く、筆舌に尽くし難い。
「……これは、ダメね」
「……口直し、要る?」
「イチゴが良いわね。さっぱりしたいわ」
スモモとキラリは、カットしたリンゴの皿をそっと横へ除けた。
舐めただけで、無理と判断した様だ。
怒りのカボチャ丸かじりである。
5日経過。
昨夜食べた物が不味かったのは熟していなかったからか? と期待して木へ向かう。
全ての種や実が落ちていて、木の枝には新しく花が咲いていた。
リンゴやサクランボはグズグズかシオシオで食べるのには明らかに無理になっている。
家に残っている物は新鮮なのに、不思議だ。
落ちているクルミを拾って食べる事にする。
「……まあまあイケるわね」
「まずくは無いけど、物足りない感じだな」
ウサギにクルミはあまり宜しく無いらしいので、スモモとキラリはお預けだ。
怒りのパイナップル丸かじりである。
こらこら、お行儀悪いから食べるか足をダンダンするかどっちかにな。
6日経過。
そもそも食用として育てていないので、実がまずくて当然と思い直す。
全部切り倒す事にした。
スモモとキラリが怒りの全てを解き放つように、衝撃波で木を倒す。
全部薪にし、サクラとクルミとリンゴの1部は、なるべく細かくして燻製用のチップを作った。
「木を食べるのかしら?」
「いや、これの煙を使うんだよ」
「……気持ち良くなっちゃうのかしら?」
「そういう煙じゃ無い」
スモークチップは乾燥させた方が良いと思うが、そのまま直ぐ燻す事にした。
何事もチャレンジだ。
スモーカーは持っていないので、魔法レンガを重ねて作る。
後ですぐに壊せるように、セメント等で固めてはいない。
熱源はカセットコンロにした。
ポークソーセージとササミとゆで卵を燻す事にする。
何だ、キラリ、ニンジンもして欲しいのか?
あまり良い予感がしないが、やってみよう。
肉類とゆで卵は、美味しくできた。
若干生臭い感じもするが、スモークチップをきちんと乾燥させればもっと良くなるだろう。
これはこれで、有りな味かな?
スモークチップはそれぞれの風合いが違って良い。
「ビールが進むわね」
「ある意味、気持ちよくなっちゃったかな?」
「うふふ、そうね」




