表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/175

031 日本で金貨は、そのままでは使えない

 レイナスに物価の説明をしたら、スケールの大きな感想が出た。

 衣服の値段をコントロールする為に、国が管理しているのか? と。


 何でもレイナスが居た世界で、小麦が安定して手に入らない国では、パンの製造販売を国が管理して、平民や貧民向けに助成して値段を抑えているのだとか。


 そうでもしないと、暴動が起こって結果的に貴族も富豪も大打撃になるという。

 実際にそれで壊滅した地域があるそうだ。


 それと同じことを衣服で行っているのではないかと。


 そういう難しい事になるとわからないので、安ければそれで良いじゃないかと言うと、納得した様子だった。


 そして気が付いたのは、レイナスは日本円を持っているのかどうか? という事だ。

 たぶん、持っていないと思う。

 そうなると、ここは俺が『支払いは任せろ』とできる場面だ。


「レイナスは、使えるお金を持ってるか?」


「あー、両替が必要なのね。油断したわ」


 そういってレイナスはジーンズのベルトにくくりつけていた小袋を取り出し中を見せる。

 金貨と銀貨が何枚か入っていた。


「この金貨ならそのまま使えないかしら? 多少の両替損はこの際諦めるわ」


「いや、無理だから、ここは俺が払うから大丈夫だ」


「あら、ありがとう。お言葉に甘えるわ」


 強気に出られるのも、『ら・しーむ』だからこそだ、ありがたい。

 レイナスがどれくらいウチに居られるかわからないが、とりあえず1週間毎日違う服を着ても大丈夫な様に選んでくれたら良いと伝える。


 どんなのを選ぶのかな? と見ていると、まずは値下げコーナーの物をどんどん手に取る。


「文字は知らない物だけど、この区画が安いんでしょ? まずはそれで数をそろえてから他を見たいわ」


 うむ、中々の経済観だ。

 というか、文字は読めないのか。

 言葉が普通に通じるから、気が付かなかった。


 漢字とかはいきなりだと難しいので、この場で数字だけ覚えてもらおう。


 女性が服を選んでいる時は、男の出番などまず無いと聞く。

 あったとしても『どっちが良い?』は『私の好みは把握してんだろうな?』のテストだとかなんとか。

 怖い。


 しかし、レイナスは聞いてきたとしても、俺が選んだ方を躊躇なくカゴに入れる。

 純粋に、俺の意見を聞きたいだけの様だ。

 助かる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ