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016 不思議な女性がやって来た

 午前中は道の整備と薪割りをして、午後には山の開墾と畑の管理という生活を何日か送った。


 そんなある日。


 道の整備をしていると、前方に緑の人が。


 緑といっても、今回はゴブリンでは無い。


 エメラルドとサファイアを合わせた様な緑色のロングヘアーで、黒っぽいとんがり帽子とマントといった魔法使い風の服装だ。

 マントの下は深い緑色っぽくて体のラインが出ているミニなワンピースを着ている女性だ。

 ローブなのだろうか?

 メリハリが利いているので、女性とわかった。

 顔も美人さんである。


 っていうか、迷って来てしまった人だろうか?

 だが、おかしいのは登山をする格好には全然見えない。


 とりあえず話しかけてみようかと思っていると、向こうから声をかけてきた。


「ふぅ、魔力が枯渇している時に限ってスカルマッシャーに出会うなんてね。そこの貴方、離れていなさい。ここは私が何とかするわ」


 そう言うと、マントを翻してファイティングポーズをとる。

 魔法使いでは無かったらしい。

 山の斜面なのに、軽やかなステップを踏んでいる。

 下半身が強く安定しているのだろう。


 そして、鋭い視線を向ける先は、スモモとキラリだ。

 まてまて、ウチの子達はちょっと体が大きいかもしれないが、賢くて良い子達だ。


「スモモ、キラリ。下がって」


 2頭をかばうようにして、俺が前に出る。


「……スカルマッシャーを従えて? この、魔力量の高さ……。どうして、こんな場所に只人が居るかと思ったら、貴方がここの階層主ってわけね」


「いや、意味が分からないんだが。迷った人ですか?」


「ふっ。迷宮を抜けたと思った先は、また迷いの森とはね。私は探索者、貴方は階層主。2者がダンジョンで出会ったのなら、もう言葉はいらないわね。行くわよ」


 そう言って、緑の女性はこっちへ距離を詰めてくる。

 言葉が通じるのに、話が通じないとか、恐怖でしかない。

 ましてや、なまじ美人さんだとより奇怪さが増してしまう。


 そして、動きが速い!

 世界を狙えるんじゃないかという程の加速力だ。


 怖い!

 殴りかかって来るつもりだ。


 正当防衛は成立するんだろうか?

 斬撃で切ったら過剰防衛だよな。


 魔法で何とかなりそうなのは、サンダースピアか?

 これを弱威力で――


 バチバチッ!


「ぎゃん!」


 緑の人は痺れたらしく、転んだ。

 体力にはまだ余裕があるらしく、立ち上がろうとしている。


「えっと、大丈夫ですか? こっちからは危害を加える気はないんで、おとなしくしてもらえませんかね?」


「ま、まだよ、これくらい。私は貴方を倒すわ。そしてこのダンジョンを踏破するのよ」


 あかん、話が通じない。

 よろよろしながらも、ファイティングポーズをとる緑の女性。


 仕方がないので、更に弱サンダースピアを3発放つと、緑の女性は気絶してしまった。


 う~ん、これからどうしようか?




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