014 魔法の威力調整
親父と2人で仕事をしていた時に、効率的に間伐ができるようにと一気に道を作った事がある。
それが、今は1人になってしまったから、手が回らなくなって放置状態。
獣道程度に残っていれば良い方で、もう藪が茂って道か何か分からない場所まである。
そんな所も、斬撃をズバズバ飛ばして開けた道にする。
効率向上の為に、もう2段階斬撃を強化した。
これで、今までの4倍の威力の斬撃を飛ばせる。
この時に気が付いたのは、剣を振る大きさで斬撃の威力が変わるという事だ。
手首のスナップを利かせる感じで小刻みに剣を振ると、弱めの斬撃が素早く繰り出せる。
肩の関節の稼働域を最大限に動かして剣を振れば、凄まじい斬撃を飛ばす事ができた。
この威力の変化に、剣を振るスピードは関係無かった。
ダイナミックな動きになる程強力になるとか、大味で俺の好みだ。
隙を狙い合い鎬を削るスキルが物を言うゲームよりは、ガチャガチャ動かしているだけでドカンドカンと敵が吹き飛び無双できるゲームの方がやっていて楽しいと思える。
今の俺は、まさにそんな状態だ。
スモモとキラリも俺を真似る様に衝撃波の蹴りを繰り出している。
体が大きくなったので、何発かは無理なく放てるようになったみたいだ。
けれど続けてしたら、さすがに疲れるよな。
ここらで、休憩にしようか。
呼吸を整えて、イチゴを食べるか?
すごく甘くできているぞ。
こういう時はニンジンの方が良いのか。
うん、たっぷりお食べ。
剣を振る大きさで威力が変わるなら、魔法の方はどうなのかと疑問が沸く。
今、山の中で安全に試せるのはアイシクルショットとロックバレットかな。
この2つは周りに影響が少ない。
アイシクルショットで試す。
普段は肘から先をつかってワンドを振る感じで魔法を放っている。
小手先で〇を描き横線を引く。
すると、着弾点に小さめの氷柱ができた。
うん、威力が弱くなっている。
次に、腕を最大に動かしてやってみる。
氷柱の大きさは普段と変わらないが、過冷却水が放出されるスピードが上がった。
なるほど、こういう変化があるのか。
他の魔法も試してみよう。