表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

138/175

138 今年の反省会とブランコハンモック

 異世界に遊びに行こうと思ったら、俺だけダンジョンから出られなかった。

 ちょっと気落ちしたけど、皆でキャンプをして持ち直す。

 

 ……もう、大丈夫だよ?

 

「ガラテアにはマスターを慰める準備がありマス」


「まったく、マスターは甘えんぼうだぞ」


「しかたがないのう、妾の甲斐性をみせてやるのじゃ」


 ああ、うん、ありがとう。

 でも、大丈夫だから。

 

 えっと、双子やエルフ達も並ばないで、大丈夫だから。

 いや、君たちが嫌いとかじゃないからね、大丈夫だから。

 

 さて、皆が集まったので、キャンプ場の今年の反省会と来年への改善案を話し合ってゆこうと思う。

 

「テントサイトと妖精の隠れ里サイトが近すぎる気がしたわね。世界観が違うから、もう少し距離を開けた方が良いと思ったわ」


 テントサイトは地続きの日常からちょっとだけ脱却する感じで、落ち着いた感じにしている。

 そこと、メルヘン全開な妖精の隠れ里サイトは、雰囲気が喧嘩した感じがあった様だ。

 これは反省点だな。

 

 その分、ミニバオバブサイトや洞窟サイトは、テントサイトとマッチしていた様に思う。

 

「お茶は好評でシタ」


 ガラテアのハーブティーは、表の意味でも裏の意味でも好評だった。

 お茶目当てのリピーターさんも増えてくれた感じだ。

 

「人の手も増えた事じゃし、来年は飲食に力を入れても良さそうじゃの」


 今のところはティールームでスコーンやクッキーを出す程度で、後はフリーズドライ食品をメインに売っている。

 イートインのあるお土産コーナーみたいな感じだ。

 

 これをもうちょっと本格的にしても良いかもしれない。

 

「「やはり、スイーツの充実が望まれると思います」」


 おやつ大好き双子ならではの意見だ。

 実際には、キャンプ場で料理をする人が多数だから、お腹に貯まる物を多くする必要が無い気がする。

 だったら、スイーツを多く扱うのも良いだろう。

 

「あとは、山遊びを充実させたいぞ。ウォータースライダーみたいのはできないのか?」


 ラキらしい意見だ。

 今の所ウチは、まったり過ごすのがメインだ。

 それで好きな人がハイキングやピクニックをしに山へ入る。

 山の環境をもっと活用したアクティビティは欲しい所だと思う。

 

「我々は新参なので良い意見が思いつかないのですが、皆さんと協力してがんばりたいと思います」


 エルフ達は皆、色々と器用なので、ウチの仕事を早く覚えた。

 レイナスと一緒に全体的な管理をしたり、ガラテアと一緒にティールームや受付の対応をしたり。

 天狐と一緒に畑の山の管理や収穫をしたり、ラキと一緒に施設の見回りをしたり。

 彼女達のおかげで、来年はキャンプ場の規模を大きくできると思う。

 

「それでマスター。今後はどうするのかしら?」


「どれも、もっともな意見だと思うから、全部」


「それは大変そうだけれど、マスターなら大丈夫ね」


 そういう事なので、管理事務所周辺から手を入れる。

 

 事務所を広くしてティールームを大きくする。

 むしろ、ティールームに事務所が併設られている感じに。

 

 今まで事務所の広さは、中規模コンビニ程度な感じだった。

 それを倍にする。

 平地が足りなくなるので、並んで建っていた家は別の場所へ移設する。

 

 ダンジョン改変をフルに使う。

 

 レンガ造りの家って感じにした。

 温熱レンガを壁や床に敷いて、全体的に室温を調整できるようにする。

 様々な温度のレンガを用意して、その日の気候に合わせてダンジョン改変で入れ替える。

 そうすれば、きめ細かい調整が可能だ。

 

 ティールームエリアには、テーブルとソファを幾つか設置。

 家具は全体的に低めにする。

 また、外へのカウンター販売は好評だったので、それも作った。

 

 外はウッドデッキを広く作り、吊り下げブランコタイプのハンモックを沢山設置。

 うたた寝しながら休んでもらっても良い。

 読書しながら、ゆらゆらしつつ、お茶を楽しんでもらうのも良い。

 

 落ち着いてのんびりできる感じにした。

 独立した建物だから、管理事務所と言うより、管理棟と言って良いだろう。

 

 スライム達が興味深そうに寄ってきた。

 ポヨポヨと跳ねて、ハンモックに乗る。

 背の低いブランコタイプだから、スライムも問題無い。

 

 皆でタイミングを合わせながら、ちょっとずつ揺れる幅を大きくしていく。

 

 ああ、端の子が遠心力でポロンと落ちてしまった。

 そうしたら、皆のタイミングがずれて、揺れが止まってしまう。

 

 ちょと、難しかったかな?

 はは、縦に跳ねたら、よけいに不安定になって落ちちゃうぞ。

 

 もっと、ブラブラしたいか。

 

 ……そうだな、皆を呼ぼう。

 

「そういうわけで、皆はスライムを抱っこしながらハンモックで揺れてほしい」


「妾にかかれば、はんもっくなぞ造作もないのじゃ。任せるがよい」


「マスター殿からのご命令、きっちりこなしてみせます!」


「いや、気負わないで良いぞ」


「はい! 全力で気負いません!」


 エルフ達はもうちょっと肩の力を抜いて欲しいかな。

 

 その後は、皆で交代しながら、スライムで癒された。

 

 ……ラキと天狐は、何がとは言わないけど大きさを比べ無い様に。

 こんな感じで、まったりキャンプ場の改善をしてゆこう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ