115 カブトムシを捕まえた
フリーズドライ食品を作れる様になった。
夏の思い出に、へんてこフリーズドライ。
キャンプ場のお客さんにも結構評判だ。
イチゴは定番で大人気。
カットスイカとカットパイナップルも人気だ。
コロッケのフリーズドライも、怖い物見たさでチャレンジしてくれる人が居てうれしい。
そして、そのまま食べると口の中がパサパサになるので、ガラテアのアイスハーブティがよく売れる。
素晴らしい相乗効果だと思う。
また、近頃はガラテアのお茶自体を楽しみに来てくれる人もいる。
暑い中、キャンプ場を散歩して、フリーズドライのカレーやスパゲッティを食べて、ガラテアのお茶を飲んでのんびりしたら、夕方帰る。
騒がし過ぎない雑踏の中で、ゆったりとした時間を過ごすのが良いのかもしれない。
もしくは、ガラテアの塩対応がクセになるのだろうか?
ガラテアはお客さんに対して全然愛想が無い。
決して愛想が悪いのでは無く、硬くて事務的という事だ。
けれど、ゴーレムだけあって人形的で神秘的な雰囲気があるから、それで説得力がある。
仕草も細やかで丁寧だと思う。
鬼娘のラキとは逆の方向で、空気感を作る雰囲気を持っている。
そんなガラテアが、カブトムシを持っていた。
頭の方の角を掴んでいる。
「これはモンスターの幼生体ですカ?」
「普通の虫だぞ」
「大きいデス」
うむ、ガラテアが手にしているカブトムシは7cm位はあるかな?
けっこう大きめだ。
あ、カナブンとかと比べて大きいって事か。
カブトムシって、見慣れているからそういうものだって感じるけど、モンスターと言われればそれっぽい気もしてくる。
何でそんな角があるのか? とか。
思い込みって不思議な感じだ。
せっかくガラテアが捕まえたので、餌にバナナをあげる事にした。
とても食いつきが良い。
「また居まシタ」
もう1匹オスのカブトムシを捕まえてきた。
彼も一緒にバナナを食べさせる。
こっちも食いつきが良い。
「どちらかはメスですカ?」
「どっちもオスだぞ」
「……そうですカ」
珍しく残念そうな表情をするガラテア。
「つがいにして増やしたかったのか?」
「カブトムシの生殖に興味がありまシタ。身体が硬いのにどうするのかト」
そうだな、生命の営みに関心を持つのは良い事だな。
……イメージをメールの添付画像みたく伝えられるからって、オス同士で交尾をする様なのを送ってくるんじゃありません。
まあ、実際にオスだけで飼っていると、そうしてしまう事もあるらしい。
それでも、ガラテアのイメージはズレていたので、タブレットで動画を見てもらった。
折角の機会だし、メスを探してきて飼っても良いかなって思っていると、カブトムシ同士が喧嘩を始めた。
餌はたっぷりあるのに、取り合いになってしまったな。
ああ、後に捕まえた方がひっくり返されてしまった。
「小さい方の負けですネ?」
「そうだな」
「もっと大きくなって強くなる様に餌をあげますカ?」
「成虫になったら、これ以上大きくならないぞ。餌を食べれば元気になるけど、強くなるかはわからないな」
「クリスタルゴーレムと一緒デス」
そう言って、ガラテアはカブトムシに慈しむ様な表情を向けた。
ゴーレムも器用になったり技術を身に付ける事はできるけど、力が更に強くなる事は無い。
そこにシンパシーを感じたのだろう。
結局、メスも探してきて飼う事にした。
つがいにして、それぞれ別の箱で飼育している。
ガラテアは時間を見つけると、飽きずに観察している。
餌の交換や霧吹きなど、ネットの知識を参考に色々と試しているみたいだ。
ウチの栄養豊富な腐葉土マットを敷いているから、来年は大きなカブトムシが生まれるんじゃないかな?
期待ができる。




