011 ワンポールテントは三角形
スモモとキラリを撫で、ゴブリンを倒し、2頭を抱っこし、薪割りをし、2頭を愛で、畑の世話をする。
そんな感じで幾日か過ぎた。
ウチの山以外にゴブリンが出ていないか、ニュースを色々と調べるも、それらしい物は無かった。
そして、この間に判った事は、ゲームと現実は若干違うという事だった。
いや、それを明確に理解できないと社会生活を送る上で非常に危ないので、誤解を招きそうだ。
言い直すと、ゲームがそのまま現実に重なったわけじゃ無さそうだという事が判った。
建築モードを試してみた。
ゲームの方は、テントとツリーハウスが建てられた。
まず、AR棒を建築システムのトンカチモードに変化させる。
ゲームの方では、建てたい物を選択してトンカチを振るえば、建設予定のエリアに杭が打たれ縄張りが張られる。
そして、必要な材料を用意して縄張りの前でトンカチをとんとんと振れば完成する。
現実の方はどうか?
テントを立てようと考えトンカチを振るうと、杭と縄張りが出た。
問題はここからだ。
テントを立てるのに必要な材料を持っていない。
このままでも、都合よくテントが立たないかな? と思ってトンカチをとんとんしてみた。
すると、テントが立った。
ロマン溢れる、ワンポールタイプの三角型の物だ。
からし色で趣も深い。
中に入る。
5~6人は利用できる程に広い。
荷物を工夫すれば、8人までは寝られそうだ。
ポールの高さがあるので、中の天井も高くなり解放感がある。
キャンプ心を盛り上げる、良いテントだ。
はは、スモモとキラリも楽しいか。
真ん中のポールを倒すと、テントも倒れちゃうから注意してくれよ。
さて、ここで現実に目を向けてみよう。
何でテントが出たのだろうか?
ゲームと同じではなくても、似ているシステムなら、何かの材料を使って建てられているはずだ。
持ち物をチェックする。
すると、朝にゴブリンを倒して入手したSSが減っていた。
今朝は3匹倒して入手した物をそのままズボンのポケットに入れていた。
それが1つ減っている。
なるほど、全然足りない材料の代わりに、SSが消費されるのか。
そうすると、ツリーハウスの方はどうなんだろうか?




