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108 スイカのスムージー

 熱中症の予防対策をした。

 ダンジョンマスターの力で天候を操作するのと、水深の浅い滝を幾つか作る。

 

 設備的な予防は重要だけれど、食べ物からの予防も大切だ。


 となると、何を摂取したら良いだろうか?

 夏といえばスイカだ。

 難しい事は分からないが、きっと熱中症予防にも良いはず。

 

 ……一応ネットで調べたら、良いらしい。

 

 よし、とびきり甘いスイカを作ろう。

 ただ、甘さの方向性を間違うと夏ではしつこくなるので、さっぱりした感じでとびきり甘いやつだ。

 

 そうイメージして種を召喚し、パラっと撒いて1日経過。

 

 頭よりも大きなスイカが実った。

 皮が真っ黒で特徴的だ。

 重さは10kgはある。

 そして、叩くとポンポコ良い音がする。

 

 おっと、スライム達、畑の見回りご苦労さま。

 これはスイカと言って、君たちの仲間じゃないぞ。

 そうだな、形は似ているな。

 ……名前も似ているって、そうだな、『スイカ』と『スライム』で『ス』と『イ』が一緒だな。

 うんうん、スイカをポコポコして、君たちにそうしないのはダメだな。

 よし、ポコポコとは鳴らないけど、ペチペチとしてやろう。

 

 ペチペチ、ポヨポヨとたわむれた。

 

 ……さて、キッチンに移動して。

 包丁をぱくりと入れると、シャクリと割れて瑞々しい香りが広がる。

 実は鮮やかな赤色で、スイカ特有のザラツキ感があり、種が無い。

 しゅわっと広がる果汁が手に付いたので、思わずペロリと舐める。

 

 甘い!

 

 舐めた瞬間に強く濃い甘さを感じるも、その後にスイカ独特の青臭さにレモンの酸味を足した様な爽やかさが広がり、するっと喉の奥まで流れ込んで口にしつこい甘さが残らない。

 

 これは際限なく食べられそうだな。

 果肉がしゃらしゃらとした感じで、まるでシャーベットが常温のまま形になったみたいだ。

 そのまま食べるのも良いし、スムージーにしても良いな。

 

 よし、スムージーだ。

 

 こんな事もあろうかと、予め買っておいた業務用スムージーメーカーの出番だ。

 氷もガリガリ行ける頼れる奴で、長時間の稼働も可能。

 一気に2リットル作れるので、家族皆で楽しめる。

 

 ウサギ達、今から大きな音を出す機械を使うからな。

 耳が大きいから、音に敏感だもんな、悪いな。

 

 

 ▽▼▽

 

 

――ゴクゴク……

 

「ざらっとした飲みくちが面白いわね。味も甘いのにスッキリしているわ」


 レイナスはこくりこくりと1口毎に確かめる様に味わっている。

 スイカのスムージーを飲んでいるだけなのに、なんだかワインの品評をするみたいに優雅な所作だった。


「ちょっと粗目にしてみたんだ。スイカだけで、他には何も入れていないけど、美味いよな」


「ええ、とっても。これを飲んだら暑くても元気に働けそうね」


 魔力濃度も高く、とても良い感じの様だ。

 

 えっと、ガラテアは気に入らなかったのか?

 大豆を持って、どうした?

 

「糖度が高い飲み物にはビタミンB1が必要デス」


 何でも、糖分を多く採った時にビタミンB1が少ないと、夏バテを誘発したり、最悪は熱中症になりやすいコンディションになるとか。

 だからビタミンB1の多い大豆で豆乳を作って、それを混ぜてみては? との事らしい。

 

 口元をニヤリとさせて、若干ドヤ顔風だが、後ろに隠したタブレットで調べていたのを俺は知っている。

  

 せっかくガラテアが調べてくれたので、やってみた。

 

 スイカと豆乳の色が混じって、可愛いピンク色になった。

 味は、豆乳が混ざった事で、甘さが抑えられその反面コクが出る。

 スイカと混ざっているからか、豆乳が喉に引っかか下る様なのど越しが無く、するりと飲める。

 

 健康的な味わいだ。

 

 よし、今年はこれをお客さんに振る舞って、熱中症ゼロをめざそう!

 


スイカと豆乳のスムージーは美味しいのでおススメです。

分量はざっくりとした感じでも美味しくできたりします。


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