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105 異世界からの連絡要員が駐留する事になる

 レイナスを囲んでのひと悶着は、すれ違いがある感じだがひと段落した。


「側付きが必要ない事はわかりました。けれど、連絡要員は御側に置いてくださいませ」


 ばあやの人は、まだ食い下がった。

 

「ここはマスターのダンジョンよ。滞在の許可を下すのは私じゃないわね」


 レイナスは俺にキラーパスを送る。

 

「連絡要員って、ウチに住み込みでって事だよな。居ても良いけど大人数は無理だなぁ」


「そこは私の孫を2人置いていただきたく考えております。アミリア、マミリア、ご挨拶なさい」


 ばあやの人がそう言うと、2人の女の子を示した。

 身長はガラテアよりも低そうなので、160cmは無い程度だろう。

 メノウの様な深みのある緑髪で、ミディアムボブ。

 顔つきはそっくりで、可愛らしくも美人な双子だった。

 ばあやの人が口の中を火傷した時に駆け寄った2人だったみたいだ。

 

「「よろしくお願いいたします」」


 声がハモっているしお辞儀の挙動がピッタリ合っている。

 双子ってすごいな。

 

 ジャンパースカートの様なメイド服を着ていて、スカート丈の長いのがアミリアで、短いのがマミリア。

 

 人数が2人なら、家の地下をダンジョン改変したら部屋を作れるし、大丈夫かな。

 

 俺は滞在の許可を出す。

 

 それから、ばあやの人や側付き候補だった人達はトラキスへ帰る事になる。

 お土産に、里芋コロッケを沢山持たせた。

 直ぐに悪くなる物じゃないけど、長持ちはしないので気を付けて欲しい。

 

 クリスタルゴーレムは貸し出せないので、ばあやの人は諦めるように。

 

 それでは、双子を連れて俺達も帰るとするか。

 

「アミリア、マミリア、貴女達に大切な話しがあるわ」


「「はい、何でしょうかレイナス様」」


「ウサギは可愛い。それが一番大切な事よ。決して忘れてはいけないわ」


 ウサギが可愛い事は、忘れようが無いと思うが……。

 

「ひょっとして2人はアレルギーとかがあるのか? くしゃみが出たり呼吸が苦しくなったりするやつだ。ウチにはウサギが沢山いるから、それなら大変だと思うが」

 

「「問題ありません。可愛いウサギは大好きです」」


 そうか、良かった。

 

 双子を連れて、家まで戻る。

 すると、ウサギ達が出迎えてくれた。

 

 みんな、ただいま。

 たいした問題も起きなくて良かったよ。

 そっちはどうだったか?

 秘密基地のトンネルが開通したのか、それは凄いな。

 今度見せてくれ。

 

 さて、双子は緊張しっぱなしだが、ウサギ達の大きさに驚いたのかな?

 スモモとキラリは中型犬ほどもあるし、子ウサギ達だって猫より大きい身体になっているからな。

 驚くのも無理は無い。

 

 だから、その腰の引けた姿勢でファイティングポーズを取るのは止めような。

 

「「……ウサギは可愛い……ウサギは可愛い……ウサギは可愛い……」」


 誰にだって、得意不得意はあるからな。

 苦手でも良いけれど、嫌わないで欲しい。

 

 それなら、スライム達はどうだろうか?

 ふるふるポヨポヨで癒されるぞ。

 

 ああ、コズミン、ただいま。

 この2人は新しく住むことになった双子だ。

 仲良くしてやって欲しい。

 

「「――っ!!!」」


「マスター、ダメよ。2人とも立ったまま気絶したわ」


「そうなのか……。異世界には魔物のウサギやスライムも居るっていうし、刺激が強すぎたのかな」


 レイナスは皇女だし、その側に付くなら、それなりの家柄のお嬢さんだろうしな。

 悲しいけれど、ウチのウサギ達やコズミン達スライムを魔物と勘違いしてしまっても無理は無いのかもしれない。

 

 みんな良い子達なので、双子もなるべく早く慣れてくれたら良いと思う。

 

 スライム達はさっそく双子の足元へ寄り、フルフルとじゃれついていた。

 ほら、ウチの子達はこんなに人懐っこくて可愛い。

 

「……違うわ、マスター。粗相の処理をしてくれているのよ」


 そ、そうか。

 早く慣れてくれたら良いと思う。



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